他人の顔色を気にして虚しく生きるより、「どうせなら、楽しく生きよう」

なんとなく人生が楽しく感じられない。
「私の人生は、これでいいのか?」と思いながら、充実感や満足感もない毎日に虚しさを感じることもありますよね。
自分の役割が他人から認められなかったり、自分の仕事にやりがいを感じられなかったりすれば、味気ない人生を投げ出したくもなるもの。
「どうせなら、楽しく生きよう」の著者 渡辺 由佳里さんも、そのひとりだったそう。
「どうせなら、楽しく生きよう」渡辺 由佳里 著
はじめに、著者の渡辺さんの経歴を簡単に紹介します。
・看護学校を卒業後、助産師として働く
・イギリスに語学留学し、帰国後、再就職
・再び、イギリスに留学
・帰国後、日本語学校のコーディネーター、広告代理店のアカウントマネージャー、外資系企業のプロダクトマネジャーとして働く
・27歳の時にアメリカ人の男性と結婚し、妊娠を機に専業主婦になる
・夫の仕事の都合で、香港に移住
20代はキャリアウーマンとして生きていた渡辺さんも、30代に入ってからは、専業主婦になり家事や育児に励んでいました。家族ができ、子どもにも恵まれた幸せな人生…。
ところが、世間の印象とは違い、渡辺さんの人生は充実したものではありませんでした。専業主婦としておこなうようになった家事や育児は、仕事のような報酬や社会的評価が得られにくく、がんばってもがんばっても認められない自分の働きに、いつしか虚しさを感じるようになったと言います。
家事と育児は、寝る暇がないほど努力しても仕事として評価されません。工夫や努力をして成果を上げても昇給や昇進はなく、スキルを身につけて上達してもキャリアを積み上げることはできません。おまけに、家庭という職場には対等な同僚がいなくて孤独なのです。
どういう立場にあれ、他人から評価されなかったり、自分の成長が感じられなかったりすると人生が虚しく感じられるのでしょう。
一度きりの人生、どうせなら楽しく生きたい
自分の人生に充実感や満足感を感じなくなった渡辺さんは、自分の生き方を変えることになりました。それからは、渡辺さんの「自分のための人生」がはじまるわけですが、このエピソードを紹介した時に読者へ送っているメッセージがとても印象的でした。
これまでに4つの異なる国に住み、40ヵ国以上を訪問しましたが、どこの誰にでも通用する「常識」なんか存在しません。それに、「常識」を押し付ける人は困ったときに助けてくれませんが、「常識」にこだわらない人は気軽に助けてくれることも知りました。だから「常識」のプレッシャーに負けて良い子になろうとしたり、他人に遠慮して「やりたいこと」をあきらめたりする必要はないのです。
自分の人生に充実感や満足感がないという状態は、どこか他人に言われるがままの人生を生きている時ではないでしょうか?
家族、友人、上司、同僚、社会、過去の自分など。
あらゆる他人は、善意や悪意をもって、自分たちの常識を押し付けてくる場合があります。他人の常識が、いつの間にか自分の考えにすり替わってしまっていることもあるかもしれません。
そこで、渡辺さんは、読者にこういったアドバイスもしています。
あなたの心を迷わせ、自信を奪うメッセージを聞かないようにするためには、そういったメッセージがあふれている環境を避けるのがいちばんです。
自宅では家族が。
会社に行けば同僚が。
インターネットで検索すれば専門家が。
SNSを覗けばインフルエンサーが。
それぞれ色々な情報を発信していますが、時には情報のインプットのしすぎで、自分のやりたいことがわからなくなる時もあるものです。
だからこそ、何をどうしていいかわからなくなった時には、他人のアドバイスを聞くよりも、自分の気持ちと向き合うことが大事なのでしょう。
ただ、そうはいっても、自分の気持ちと向き合ったところで、それを信じられない時もありますよね。
自分に自信がない時ほど、他人のアドバイスばかりを求めてしまうもの。自分に自信がないと、失敗や挫折が怖くなるでしょう。
渡辺さんによると、失敗や挫折にも“慣れ”があると言います。
個人的な体験から言えることは、失敗や挫折をたくさんすると慣れてしまい、小さな失敗程度では落ち込まなくなる
僕は、この言葉を聞いた時に、自分に自信がない人の特徴に気づきました。
挑戦回数が増えるから、成功確率も大きくなる
自信がない人は、失敗を恐れすぎるあまりに、挑戦する回数が圧倒的に少ないのです。おそらく、過去に苦い経験をした記憶があるから、挑戦するための自信や勇気などを持ちにくいのでしょう。
一方で、成功している人は、そもそも挑戦する回数が多いように思います。挑戦する回数が多いから成功するチャンスが増えたり、成功する確率が高くなったりするのではないでしょうか。
自信がない時ほど、まずは自分ができることに対して、挑戦する回数を増やしていくことが大切です。
色々なことに、何度も挑戦していくと、「どうせなら、やってみよう」「どうせなら、楽しく生きてみよう」という自信が生まれてくるのだと思いました。