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片麻痺の上肢訓練の考え方 上肢訓練を行う時に注意すること

2019/09/17
 
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たぐ
webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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片麻痺の患者さんを担当すると、上肢訓練の方法に悩みますよね。麻痺した上肢が、本当に動くようになるのか?

 

 

 

この記事では、片麻痺の上肢訓練の考え方について書いています。読んでいただくと、片麻痺患者さんと上肢訓練行う時に、介助の仕方や誘導方法がイメージしやすくなると思います。参考になったら、ぜひ取り入れてみてください。


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そもそも上肢ってなんだろう?

はじめに、上肢の機能的な役割を紹介します。そもそもの上肢の役割がわからないと、どういった機能的な役割を目指して訓練をしていけば良いかがわかりにくいと思ったからです。

 

 

上肢の機能的役割
① 支持
② 保護
③ 到達
④ 操作
⑤ 表現
⑥ その他

 

 

① 支持
頭頸部・体幹・下肢との関係を協調関係をとりながら、バランス反応として身体を支持する。

 

② 保護
上肢が届く範囲の中で、自身の領域を確立し、その領域を広げたり接触する事で、自身の安全を保護する

 

③ 到達
ものを操作・移動するために、さまざまな方向へ手を運ぶ

 

④ 操作
視覚とともに、道具操作における感覚器官となる

 

⑤ 表現
ジェスチャーや感情も含め、コミュニケーションの一役を担う

 

⑥ その他
職人芸や芸術などの特殊機能、コスメティックなどの要素を持つ

参考:中枢神経疾患に対する作業療法-具体的介入論からADL・福祉用具・住環境への展開
山本ら 三輪書店 2010年

 

 

まとめると、上肢の役割はやりたい作業に手を伸ばし、物を操作する事。時には自分の身を守ったり、ジェスチャー等のコミュニケーションツールになっている。

 

 

 

つまり、片麻痺の患者さんが、主訴で言っている『手が動かせるようになりたい』という背景にも、必ず何かの作業に、上肢を使っているイメージがあると思うんです。だから、片麻痺患者さんの上肢訓練を始める前には、どのように上肢を使っていきたいか?を大ざっぱにでも捉えておく必要があると思います。

 

患者さんは、どのように上肢を使いたいと思っているかを聴取する

患者さんによって、調理がしたい、箸が使いたい、起き上がる時に腕が重たい等、その時の状況や在宅での役割に応じて、やりたい作業は色々だと思います。

 

 

 

作業療法の時間を使った面接や各種のツールを使い、患者さんの『やりたい作業』を見つけ、時間をかけてでも、どのように上肢を使っていきたいと思っているかを知りたいですね。

 

 

 

というのも、患者さんにより、やりたい作業や作業の方法、道具、環境、必要な機能が違ってくるからです。例えば、包丁の動作ひとつとっても、切り方、包丁の大きさ、調理台の高さ、包丁を操作する能力が患者さんによって違いますよね?また、人間がする作業って道具や環境次第で、大雑把に作業をする姿勢が決まってきますし、作業をする上肢のフォームは、姿勢に大きく影響を受けるんです。

 

 

 

だから、やりたい作業を知って、その作業を行う方法、道具、環境を掘り下げて、どの方向に、どれだけの動き・関節角度が必要なのかを患者さんと作業療法士が共有できる必要があると思います。

 

代償動作と上肢機能訓練

やりたい作業や作業に必要な動きがわかってくると、作業療法で実際の動作を行ってみると思います。作業を行ってみた時に、どのような代償動作をして、体を無理させているかを知る事が重要です。

 

 

 

指先や手の形が上手く作業とマッチングしなかった時には、何とかしてそれらを作業の方に向けようと、体幹を傾けたり、肩を開いてみたり、動かせるところを必要以上に動かして代償するのです。言い換えると、代償動作をする寸前までは、作業に必要な動きが出せていて、それ以降の動きや関節の角度が出せていない状態と言えます。

 

 

 

代償動作が見られる場合は、どのような方法を試せるか?3つ挙げてみました。

 

① 動きを段階づける
② 部分的に、関節運動をする
③ 緊張を落としてみる

 

 

① 動きを段階づける
例えば、前腕の回外位が必要な作業が困難な場合、ひたすら回外位で訓練し続ける事で、作業を達成できるとは考えにくいです。患者さんにもよりますが、回内~中間位で行ってみる、回外の角度を少なくする等、動きに段階をつけながら、少しづつ、作業の動き・関節角度に近づけていくと良いと思います。

 

 

 

② 部分的に関節運動をする
もう少しこの動きがあれば作業ができるという時。訓練の始めや合間に、単関節運動を入れてから、作業に取り組んでみると良いと思います。つまり、手関節伸展の動きが足りないと思えば、伸展の運動。前腕回外の動きが足りないと思えば、回外の運動というように。
鈍くなっている筋肉や関節の動きを出してから、作業を行ってみる方法です。

 

 

 

③ 緊張を落としてみる
動きが出しやすい作業を行っていると、過剰に働かせた筋肉の緊張は、たいてい高まっています。筋緊張が過剰に高まり、上手くコントロールしにくい状況では、作業に必要な動きは余計だしにくくなります。ストレッチ等で、緊張を落としてから、作業を行うと良いと思います。

 

まとめ

作業療法における片麻痺患者さんの上肢機能と訓練の考え方について書きました。

 

 

 

上肢機能訓練では、患者さんが達成したいとイメージしている作業を共有し、それに必要な動きを導き出す事が必要です。やりたい作業の方法、道具、環境を掘り下げて、どの方向に、どれだけの動きや関節角度が必要なのかを患者さんと共有できると良いと思います。

 

 

 

現時点で困難な作業を行う場合、手や手指の代わりに、代償的に動かしている部分に気づきます。代償動作は、言い換えれば、そこから先は、作業に必要な動きが出しづらい状態です。

 

 

 

代償に頼らず、効率的に作業を行う為の訓練をする場合には、① 動きを段階づける ② 部分的に関節運動をする③ 緊張を落としてみるの3つの方法を試してみると良いと思います。

 

 

 

片麻痺患者さんの上肢機能訓練をする際の考え方として、この記事が少しでも参考になればと思います。

 

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