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生活リハビリの方法について紹介 施設や病院で行える生活リハビリ

2019/09/17
 
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たぐ
webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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生活リハビリの方法.jpg
施設や病棟での生活に、もっとリハビリを取り入れられないか?機能訓練の機会は少なくとも、ご利用者さんの機能や能力維持を図っていきたい。
この記事では、施設や病棟でできる生活リハビリについて、紹介したいと思います。作業療法士として、施設のスタッフや病棟の看護師・介護士と協力しながら行っている、または行っていた方法論になります。
記事の内容が参考になり、施設・病棟内生活に、ひとつでも多くリハビリの要素を取り入れていけたらと思い、書いていきます。


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生活リハビリとは何か?


生活リハビリを定義するのに、コトバンク(朝日新聞社が主体となってとりまとめたインターネット百科事典)の内容を一部引用させていただきました。

生活リハビリとは?
介護を受ける人の有している能力に対し、適切に介護技術、介助用具、心的なケアを施すことにより、介護利用者の生活活動を少しでも広げ、機能を改善することを重視した介護技術

要するに、多過ぎず、少な過ぎない介護をする事によって、介護を利用する人の能力を改善する機会を作っていきましょうよ!という事だと考えます。
療法士だけではなく、病院で働いている看護師も介護士も、リハビリ=機能訓練・リハビリ室で行うと考えている人が多いですが、自室、病棟、デイルームでのADL機会は、最高のリハビリ機会です。
☑ 1日のトイレ回数:4~8回程度
☑ 着替えの頻度:朝・夕2回
☑ 食事:朝・昼・夕+おやつ
☑ ベッド-車いす間の移乗:複数回
☑ 車いす上での座り直しの機会:複数回
大ざっぱにあげても、これだけ活動の機会があります。例えば、毎日2回の着替えを行う事で、肩まわりの関節の柔らかさを維持しやすいですし、トイレや移乗の機会にしっかり立てれば、足腰を鍛える立派なリハビリです。
つまり、日常生活での活動の仕方を工夫したり、うまく活動の機会を作っていければ、生活の中にリハビリ的要素を取り込み、ご利用者さん・患者さんの機能維持・向上を図っていけると思うんです。

生活リハビリの具体的方法論


日常生活にリハビリを取り入れていく為の具体的な方法を書いていきます。
① いす移乗
これは、デイルームでは、車いすからいすに移乗して、食事をしようという考え方です。施設や病院であると、デイルームで、3食、お茶、おやつの時間があります。
毎回、車いすからいすに移乗すると、最低10回程度の立ち上がり、座り込みのリハビリになります。

車いすの3つの使用目的
a 移動手段
b 座るための道具
c ベッドへの移乗手段

車いすを使い始めると、移動に便利な為に、終始車いすに座っているご利用者さん・患者さんが多いと思いますが、車いすで移動するという事は、下肢を全く使わないという事です。
特に、療法士が少なく、機能訓練機会の少ない施設では、1回1回のいす移乗が重要なリハビリ機会として、じわじわ効いてくると思うんですよね。ボクシングでいうところのボディブローのように。
肘掛けがついているいすであれば、車いすとそれほど性能は変わらないと思いますが、全体的に車いすよりも、病院や施設で使われているいすの方が高さが低い印象があるので、いすから立ち上がる時は、少し介助量が多くなるかもしれません。
② ベッド移乗
車いすとベッド間の移乗も、重要な立ち上がりと座り込みのリハビリ機会です。
最近の車いすは、はね上げ(アームサポートを挙げられる)機能がついているので、どのような患者さんも、ベッドから車いすへ水平に移乗する事が楽になりました。
しかし、ベッドから車いすへ水平に移乗するという事は、上肢や下肢の力をほとんど使わずに、主に回転する力だけで、移乗ができてしまうものです。
ご利用者さん、患者さんが、柵を持って立ち上がる姿勢をわずかにでも保てるのであれば、立った後に方向を変える方法で移乗する事が、下肢の筋力維持の為には良いと思います。
試しに、ご利用者さん・患者さんに手すりを持ってもらいながら、両脇を支えて、立ち上がるように指示してみてください。
ここでお尻をあげて中腰になれる方であれば、そのまま立った姿勢になってもらい、立った姿勢から方向を変えた方が良いと思われます。
もちろん、転倒させてしまっては元も子もないので、無理は禁物ですよ。
③ トイレ動作
車いすとベッド間の移乗で、少しでも中腰の姿勢を維持できるのであれば、2人介助であっても、トイレで排泄をした方が良いと考えます。
施設や病院のシステムにもよりますが、尿意や便意がなくても、トイレで排尿・排便した方が、その刺激が脳に伝わり、その結果、尿意や便意が定着するものです。
だから、尿意や便意がないからこそ、トイレに行った方が良いと考えています。認知症があると、嫌がるご利用者さんも多いと思いますが、立つ機会を少なくすると、結果的に移乗の介助量が増えたり、お互いにメリットが少ない印象があります。
④ 歩行
介助下で歩行できるご利用者さん、患者さんは、デイルームまではできるだけ歩くべきだと考えます。多少時間がかかっても、車いすという便利な福祉用具に頼らず歩く事は重要です。
歩行すると、全身の筋力を使いますし、心臓や肺にも適度に負荷がかかります。人によっては、歩けたという達成感もあるかもしれません。逆に歩けなくなってくると、食欲も落ち、活気がなくなり、寝たきりに近くなるご利用者さんは、多いように思います。
歩行を介助する時のワンポイントを挙げました。

歩行を介助するときのワンポイント
① ご利用者さん、患者さんの足が出てくるまで待ちましょう。
② 足が出にくいようであれば、軸足の方に、体を少しだけ誘導しましょう。
(例:左足を出したければ、右足の方に、そっと体を誘導する)
生活リハビリの歩行の介助.jpg
③ 手放し⇒T字杖⇒4点杖⇒歩行器⇒手すりの順番に、安心感が増していきます。
④ 手すりのある区間だけでも、歩く事には価値がある。

生活リハビリには、他職種連携が必要


特に、施設で働いていた経験の中では、生活リハビリは、他職種の連携がないと成り立ちません。
運動の機会が増やせても、栄養の数値が足りてなければ筋力はあがりません。デイルームまで歩けても、疲労しきった体では食事ができません。そもそも、どの位歩けるのかわからない時点で、歩行介助なんて怖くてできない。
どの職種であっても、それぞれの立場で悩みを抱えているものです。
ご利用者さん、患者さんの生活を考えて、どの部分に、生活リハビリの要素を入れていくかを考えていけると良いと思います。

まとめ


施設や病棟でできる生活リハビリについて、紹介してきました。
リハビリにおける機能訓練の機会以外にも、日常生活の中にリハビリの要素を取り入れていけると、ご利用者さん・患者さんの機能・能力維持が行っていきやすいと考えます。
具体的方法論として紹介させていただいた内容は4つ。
① いす移乗
② ベッド移乗
③ トイレ動作
④ 歩行
どの項目を生活の中にリハビリとして取り入れていくにも、他職種の協力が必要になると思います。
この記事が、少しでも生活リハビリをしていく上での参考になればと思っています。

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