うつ病人の生き方・働き方改革

入浴動作訓練を行う時に、作業療法士が確認しておきたい6つのポイント

2019/09/17
 
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たぐ
webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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「浴槽のまたぎ動作…いけそうかな?」

 

 

 

入浴動作訓練を行ったことがないと、患者さんのどういった動作を確認したら良いのか悩みますよね。作業療法士にとって、入浴動作訓練は、他のADL訓練と違って、以下の点で特殊です。

 

 

● 訓練の時間帯が限られている

● 患者さんのモチベーションが、低い場合が多い

● 入浴動作の介助は、行いにくい

● 以上より、作業療法士の心身の負担が大きい

 

 

病院に就職してから、先輩の作業療法士に、入浴動作の評価・訓練方法を1度は見学させてもらっていても、1度だけの評価・訓練の見学で、自信が持てるほど、入浴動作訓練は、簡単ではありませんよね。

 

 

 

僕は、10年間の作業療法士を経験する中で、片麻痺患者さんの入浴動作訓練の数をこなしてきました。作業療法士が入浴動作のどこに着目するべきか、とりあえず、まずは病院のお風呂で入浴動作ができるように、訓練を行っていきたいです。そこで、入浴動作訓練のポイントを6つ挙げてみました。

 

 

 

入浴動作訓練の6つのポイントを知っておくことで、訓練中に、患者さんの入浴動作の能力を確認しやすくなりますし、実際に、訓練をしている時に、作業療法士としての自分の動きのイメージができると思いますよ。


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入浴動作訓練で、作業療法士が確認しておきたいの6つのポイント

入浴動作訓練で、確認しておきたいポイントについて、入浴の流れにそって説明していきます。入浴動作訓練のポイントを押さえておき、冷静に動作の観察・介助をしたり、想定外の出来事が起きても、とっさに対処や判断が行いやすいです。

 

1.上衣を脱ぐ

 

上衣を脱ぐ時の確認ポイントの要点

① 入浴動作訓練にかけられる時間は、どのくらい?

② 上衣をどこで脱ぐ?(車いす、いすなど)

③ 脱いだ上衣は、どこに置くのか?

 

病院で行う入浴動作訓練は、決められた時間内で、訓練を行わなければなりません。病院で決まった入浴日、患者さんに割り当てられた入浴時間帯で訓練を行うため、浴室には、他の患者さんがいたり、入浴を待っている患者さんがいますよね。他の患者さんや看護師・介護士に迷惑がかからないように意識するほど、作業療法士の気持ちは焦るものです。

 

 

そのため、実際に浴室で入浴動作訓練を行う前には、患者さんが脱いだ上衣の処理や実際にどこで上衣を脱ぐのか、方法や環境について知っておくと、訓練当日になっても、気持ちが焦らずに、患者さんの動作の介助や訓練に集中できます。

 

 

浴室にいる看護師や介護士は、とにかく忙しくしていますし、暑い中で、一日中、入浴介助をしているので、気持ちにも余裕がありません。「あれ?この上衣、どうするの?」と思って、看護師や介護士に相談すると、相手の作業を止めることになるので、お互いに、すごく気を使いますよね。

 

 

訓練当日になって、その場でないとわからないこともありますが、事前に確認できる時間、脱衣場所、脱いだ上衣の処理方法は、他の作業療法士に聞いて、確認しておきたいです。

 

 

2.ズボンを脱ぐ

 

ズボンを脱ぐ時の確認ポイントの要点

① 装具とズボンは、どちらを先に脱ぐか?

② どこの手すりを使って、立ち上がるか?

③ おむつやリハビリパンツの処理の方法

 

トイレや更衣訓練でも、ズボンを脱ぐ訓練は行いますよね。ただ、トイレや更衣訓練と入浴動作訓練でのズボンを脱ぐ一番の違いは、入浴では、装具をとらなければならないことです。

 

 

装具を脱いでから、ズボンを脱ぐ場合は、当然、装具をつけていない麻痺側下肢の支えが悪くなりますよね?装具を使わないで、どのくらい立位を保持できるかは、入浴動作訓練前に確認しておきたいです。

 

 

また、ズボンを脱ぐ場合には、車いすから立ち上がる為に手すりが必要です。どこの手すりを使って、患者さんが車いすから立ち上がれば良いか、実際に浴室に行って、イメージしておくと良いです。例えば、浴室の出入り口付近にある手すりを使って立ち上がるとしたら、ズボンを脱ぐ時間がかかり過ぎると、他の患者さんや看護師・介護士の道を塞いでしまいますよね?浴室のどこに手すりがついているかは、事前に知っておきましょう。

 

 

それから、オムツやリハビリパンツを使用している場合は、入浴時には、必ず新しい物に取り替えます。患者さんが履いていたオムツやリハビリパンツは、汚物として処理されるので、浴室での汚物の処理方法を確認が必要です。

 

3.シャワーキャリーに乗り移る

 

シャワーキャリーに乗り移る時の確認ポイントの要点

① どの方向から、シャワーキャリーに乗り移るか

② シャワーキャリーのブレーキの操作方法

 

車いすの患者さんは、洗い場や浴槽に行くために、病院ではシャワーキャリーを使います。車いすや脱衣所のいすから、シャワーキャリーに乗り移る動作自体は、ベッドと車いす間の移乗動作と、大きな違いはありません。問題は、どの方向からシャワーキャリーに乗り移るかです。

 

 

 

病院の浴室が狭いと、乗り移るにも、角度が必要です。僕が働いていた病院では、180°の方向転換が求められる病院がありました。

 

入浴動作訓練 移乗動作.jpg

 

病院によって、浴室の環境は様々です。おすすめは、入浴日以外の日に、作業療法の時間を使って、患者さんと浴室に行き、患者さんがシャワーキャリーに乗り移る方向や浴室内を移動する動きを訓練しておくことです。また、シャワーキャリーも、病院で使っている商品によって、ブレーキの操作の加減が多少違いますので、一度動かしておくと良いですよ。

 

※補足:シャワーキャリーとは?

入浴用のいすには、シャワーチェアとシャワーキャリーがあります。シャワーキャリーは、シャワーチェアが車いすのように、タイヤが付いているタイプの物全般を言います。病院では、歩ける患者さんはシャワーチェア、車いすの患者さんは、シャワーキャリーを使うことが多いです。

 

 

4.体・頭を洗う

 

体・頭を洗う時の確認ポイントの要点

① 体を洗っている時は、床に足がつくか

② シャンプーなどの備品は、誰が準備する?

③ どの範囲まで、姿勢を崩さず手を伸ばせるか

④ 手すりは、どの辺りについているか

 

患者さんが、安定した姿勢で体や頭を洗えるかについて、病室やプラットフォーム上で、体のどの範囲までなら、手を伸ばしても、姿勢を保っていられか、事前に評価をしておくと良いです。シャワーキャリーには、アームサポートにあたる部分がついているので、左右への転倒はある程度防げます。

 

 

 

洗うことが難しい体の部位としては、足下と臀部です。体をどこまでかがめられるか、臀部を洗うために、腰を浮かせるにで、洗い場ではどの手すりを使うのかについて、確認しておきたいです。

5.浴槽をまたぐ、浴槽に入る

 

浴槽をまたぐ、浴槽に入る時の確認ポイントの要点

① 浴槽台の広さは、どの位か

② 浴槽まわりのどの手すりを使うか

③ どの方向から、浴槽へ乗り移るか

④ 浴槽用のいすや滑り止めの準備

 

浴槽台が狭いと、特に男性の患者さんは、浴槽台に臀部全体が上手く乗せにくいんです。座る面積が狭いと、座位のバランス能力が低下している患者さんは、座り直そうとした時に、転倒してしまいそうになることがあります。

 

 

 

浴槽をまたぐ動作に関しても、予め、入浴日以外の時間を狙って、患者さんと浴槽台への移乗やまたぎ動作の訓練をしておくと良いです。浴槽台に座ってみた時に、浴槽台のどの辺りに座ると、臀部が滑り落ちないかを確認しておきたいです。

 

 

 

また、病院の浴槽周辺には、手すりがたくさんあると思いますが、浴槽台に乗り移る時に、どの手すりを使うと、立ちやすく、回りやすいかを考えておきます。はじめて浴槽に入る時には、訓練の段階づけとして、浴槽の中に、浴槽用いすを入れたり、足が滑って力が入らない状況を防ぐために、浴槽用の滑り止めを敷いても良いですね。

 

 

 

※浴槽またぎ訓練を始めるタイミング

浴槽またぎ動作 入浴訓練.jpg

 

僕は、ベッドと車いすの移乗動作がある程度、患者さん自身でできるようになった頃に、浴槽またぎの評価・訓練を始めています。浴槽の淵をまたぐ為に、安定して座っていられる、片側の下肢を挙げた時に、バランスがとれる事が必要と考えるからです。

 

入浴の時は、当然、患者さんが裸の状態になりますよね?座位が崩れた時に、体を支えるのって、結構難しいですし、男性の僕でも、摩擦の少ない裸の体が崩れるのは怖いです。

 

だから、背もたれのない場所で座ることができ、片側の下肢を挙げた程度では倒れないくらいのバランスがとれるようになった頃が、浴槽またぎの評価・訓練を始めるタイミングと考えます。

 

 

6.浴室から出る

 

浴室から出る時の確認ポイントの要点
濡れた体は、想像以上に、衣類が着にくい事を想像しておく

浴室から出た後は、基本的には、これまでの①~⑤の手順の逆になりますが、1つ大きな違いがあるとすれば、体が濡れていることです。バスタオルで拭いても、濡れた体に、衣類を着ることは手間がかかります。袖や裾が入っていきずらいですし、「靴下って、こんなに履きずらかったっけ?」というくらい、麻痺側下肢の靴下を履く事に、難しさを感じます。

 

 

濡れた体に衣類を着せる難しさを考えておきつつ、実際に介助を行う人や自立を目指していく患者さんの苦労しそうな点について、想像していけると、良いサービスに繋げていけますよ。

 

まとめ

以上、入浴動作訓練時に、作業療法士が確認しておきたい6つのポイントをまとめました。

 

 

 

入浴動作の評価・訓練は、作業療法士自身にも負担が大きいので、要点を押さえず、訓練の負担ばかりを考えてしまうと、入浴動作の評価・訓練を後回しになりがちだと思うんですよね。

 

 

 

この記事で挙げた内容が、入浴の評価や訓練を行う手がかりに、少しでもなれたら嬉しいです。参考にしてみてください。

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