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作業療法で編み物!100均のクロスステッチキットを使ったリハビリの方法

2019/10/31
 
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たぐ
webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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「作業療法で患者さんと編み物をやりたい。」

 

編み物好きな患者さんを担当すると、作業療法として編み物を提供したいですよね。でも、僕もそうだったのですが、自分に編み物の経験がなければ、どのように編み物を提供していいかわかりません。

 

編み物って…どうやればいいの?上手くできるかな??
たぐ
そんな風に考えると、編み物好きの患者さんを担当しても、編み物ができないんですよね。

 

そこで、おすすめしたい方法が「100均の編み物キットを使う」ことです。100均の編み物キットであれば編み物が苦手な作業療法士でも、患者さんの作業療法に編み物を導入しやすいですよ!

作業療法で編み物を行う目的

作業療法で編み物を行う目的は、次のようなことが考えられます。

 

● 楽しさ、達成感、満足感

● 病気を忘れる時間を作る

● 気晴らし

● 運動機能の向上

 

自分で作品を作りあげること、作品を作っている時間、作品を作る作業を通して、色々な効果が得られると考えられます。

 

「編み物が好き」、「編み物の経験がある」、「編み物をやりたい」という患者さんを担当した時は、どういった目的で編み物を取り入れるか。作業療法士には、患者さんにとっての編み物作業の持つ意味を考える必要があります

 

100均の編み物キットを使う前に考えること

100均の編み物をキット使う前には、① 患者さんがやりたい編み物のレベルと、② 患者さんの認知・手指機能を考えておくと良いです。

 

患者さんが考える「編み物」には、色々なレベルがあります。編み糸をいじれれば満足できる人もいれば、本格的な編み物でなければやりたくない人もいます。編み糸をいじれれば満足できる患者さんであれば、100均の編み物キットでも十分楽しんでもらえると思いますよ。

 

また、100均の編み物も、見かけ以上に認知・手指機能が必要になります。僕の経験から考えると、特に「構成能力」を確認しておかないと、編み物キットがほとんど使えず自信を失うきっかけになると考えています。編み物キットを使う前には、認知・手指機能の確認が必要です。

 

100均の編み物キット

ここで紹介する編み物キットは、ダイソーで購入した「クロスステッチキット」です。購入価格は100円で、キットの中には次のようなものが入っています。

 

【ダイソーのクロスステッチキット】

・縫い針(プラスチック製)
・編み糸(4色)
※編み糸は完成した後に余るくらいの長さ。黄色・紫・白・緑が入っています。
・プラスチックのキャンバス
・説明書

 

こちらの編み物キットは、簡単です。編み物が苦手な作業療法士でもできます。

 

編み物の進め方は次のようになります。①→②→③→④の順番で編めば作品が作っていけますよ。

 

 

編み物キットの作成に、かかった期間・時間・費用・使用物品

僕は、自分が担当していた編み物経験のある脳卒中の患者さん。MMSE18点(くらいだったかな?)で、Br.sⅥレベルの患者さんと一緒に行いました。

 

【完成までにかかった期間、1日の制作時間、費用、使用した物品】
・期間:約2週間
・時間:1日20~25分
・費用:100円(キット代)
・物品:ダイソーのクロスステッチキット(プラスチックの縫い針、編み糸、プラスチックの板が入っています)、ハサミ

 

回復期リハビリ病院でも、期間・費用・道具ともに導入しやすい作業課題だったと思います。100均の編み物キットはやり方が簡単なところが本当に便利で、自分が公休の時にも代理のスタッフに制作を依頼できました

 

1回の作業療法で、編み物を行っている時間は20分。あまりに短いと作業に集中・没頭することが難しかったため、平均するとこのくらいの作業時間になりました。

 

作業療法で編み物キットを使った患者さんの反応

編み物キットを使った患者さんの反応は、とても良かったです。どういったところが良かったかというと、主に2点あります。

 

① 編み物をしている間は、病気のことを忘れられた

② 編み物の作品を見て、家族や看護師などから褒められた

 

実は、編み物キットを行った患者さんは、病気になったこと、家族などの他人に迷惑をかけていること、入院で環境が変わったことなどから、入院生活にストレスを感じていました。編み物を行うことになったのも、ストレスを忘れられる時間をつくることが主な目的でした。

 

1日に20分間でしたけれど、毎日編み物を行える時間が、何も考えずに作業ができて一番気楽な時間になっていたそうです。因果関係はわかりませんが、編み物を行った後は必ず血圧が下がっていて、2人で喜んでいたことも印象に残っています。

 

また、できあがった作品は、自室のベッドの目立つところに飾ってもらうことで、家族やスタッフにたくさん賞賛を受けることができました。同じ部屋の患者さんにも、「リハビリで作ったの」と嬉しそうに語っていたそうだったので、きっと自信にも繋がったんでしょうね。

 

編み物キットを使う作業療法士側のメリット

編み物キットを使うことは、作業療法士側にも色々なメリットがありました。

● 色々な能力を評価できる

● 編み物素人の作業療法士にも、間違えを修正できる

● 短期間で仕上げられる

● 費用が安い

たぐ
作業療法士にとっても、負担が少なく提供できる課題だと思います。

 

編み物キットを使う患者さんのメリット

編み物キットは、患者さんにとって訓練効果以外にもメリットがあります

 

● できない時のいいわけがしやすい

● 訓練という意識が少なく、気楽にできる

 

特に「いいわけ」がしやすいのは重要です。編み物の経験がある分、上手く編み物ができなければ自信を失う可能性が高いです。

 

でも編み物キットであれば、キット自体ははじめて使う物なので、「やったことがない」といいわけができます。実際、僕が担当した患者さんも、「昔は、直接布に縫っていたから、こんな最近のものは難しい」といったように発言していました。

たぐ
入院生活は、失敗体験が多く自分を否定的に見がちです。だから、課題の失敗を「物のせい」にできる逃げ道は、自尊心を傷つけない為には必要だと思うんですよね。

 

まとめ

編み物好きの患者さんを担当した時には、100均の編み物キットが、作業療法に使いやすかったです。編み物が苦手な作業療法士にも、編み物キットであれば、編み物を提供することができました。

 

編み物を提供したい…、でも自分で作業を誘導する自信がないと思った時には、100均の編み物キットを使ってみてください。

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