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作業療法士の回復期病院での仕事は、どこも同じと思っている?

2019/09/17
 
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たぐ
webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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作業療法士の回復期病院の求人情報を見たり、ホームページを見たりしていて、どこも同じように思えてきていませんか?

 

 

 

 

似たりよったりの情報を見ていると、何を基準に、回復期病院への就職を決めていいか悩みます。実際に、働いてみると、作業療法士の仕事の内容や待遇は、回復期病院によって違いがありました。

 

 

 

 

僕は、現在まで、2ヶ所の回復期病院で、作業療法士として働いた経験があるんですけれど、就職してみないと、回復期病院の作業療法士についてイメージしづらいもんですよね。

 

 

 

たぐ
見やすいホームページを作ろとすると、人やお金が必要だしね。

 

 

 

そこで、2箇所の回復期病院で働いてきた作業療法士の経験を活かして、回復期病院の作業療法士の仕事や待遇の違いなどについて説明します。回復期病院の求人情報を見る時に、参考にしてみてください。


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作業療法士が働く回復期病院とは?

そもそも、作業療法士が働く回復期病院とは、どのような病院なのでしょうか?下の表は、1993年~2014年度に、日本作業療法士協会が作業療法士の勤務先を調査したデータになります。

 

 

引用・一部改変:日本作業療法士協会会員統計資料

 

 

2014年度時点で、一般病床(急性期病院、回復期病院など)に勤務する作業療法士は、20456人いました。このうち、回復期病院に勤務する作業療法士の割合は、一番多いと考えられます。僕が働いていた2箇所の回復期病院でも、1箇所目は約20人、2箇所目は、約10人の作業療法士が勤務していました。

 

 

 

 

回復期病院は、①回復期リハビリテーション(以下、回復期リハビリ)病棟を持った一般病院と②回復期リハビリ病棟のみのリハビリ専門病院の2種類があります。回復期リハビリ病棟とは、次のような病棟です。

 

 

回復期リハビリテーション病棟とは、脳血管疾患または大腿骨頚部骨折などの病気で急性期を脱しても、まだ医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者さんに対して、多くの専門職種がチームを組んで集中的なリハビリテーションを実施し、心身ともに回復した状態で自宅や社会へ戻っていただくことを目的とした病棟です。 引用:回復期リハビリテーション病棟協会

 

 

患者さんは、直接、回復期病院に入院することはできません。患者さんは、まず救急車などで、急性期病院に搬送され、急性期病院で治療を受けます。自宅に帰れるくらいに回復した患者さんは、回復期病院に転院せず、急性期病院から直接、自宅に帰られます。

 

 

 

 

また、急性期病院に入院している時点で、障害が重度に残存している場合には、回復期病院ではなく、療養型の病院などに転院します。

 

 

 

 

患者さんが、回復期病院に転院する流れをイメージしやすいように、ざっくりと、下のような図にしてみました。

 

 

 

回復期病院の役割とは?

 

回復期病院の役割は、大きく分けると3つです。

 

 

① 寝たきりの防止

② 日常生活動作(ADL)能力の向上

③ 自宅復帰

 

 

ただ、回復期病院には、40代前後の働き盛りの若い患者さんも増えています。だから、回復期の作業療法の中では、自宅で生活する能力だけでなく、仕事に必要な動作だったり、車の運転に必要な能力だったりなど、評価・訓練することがあります。

 

 

 

 

また、患者さんだけでなく、家族も高齢であったり、障害が重度であったりする理由から、自宅での介護が難しい場合には、退院する施設で楽しめる活動を探すことも、回復期病院の作業療法士として重要になりますね。

 

回復期病院ごとに違う作業療法士の仕事や待遇

僕は、2ヶ所のリハビリ病院で働き、自分の体験から、同じ回復期病院でも、仕事の内容や待遇面で「同じ部分」、「違う部分」があることに気づきました。これらは、就職する時に、どの回復期病院を選ぶかの判断基準になると思うので、ここからは、回復期病院ごとに違う作業療法士の仕事や待遇面について、説明していきます。

 

 

同じ部分

● 患者さんに機能・日常生活動作の訓練を行う

●書類の作成がある

● 残業がある

●話し合いがある(カンファレンスなど)

●取得できる単位数に決まりがある

●研修体制がある

●脳血管障害、大腿骨頸部骨折の患者さんが多い

 

 

違う部分

●日常生活動作の訓練が求められ範囲

●書類の作成・説明方法

●残業時間や残業の対象となる仕事の範囲

●話し合いの時間・頻度

●休みの日数や休憩時間

●ノルマ(目標取得単位数)

●研修にかける時間

●患者さんの疾患

●スタッフの年齢、キャリア

●人間関係

●雑務

 

 

特に、回復期病院ごとに違いがある部分は、就職先を決める時に、重要だと思います。「自分に合う病院かどうか」の決め手にもなるので、抜粋して、説明を加えていきますね。

 

作業療法士が、患者さんへ行うリハビリ業務

回復期病院での作業療法士の主な仕事は、患者さんに対して、リハビリを提供することです。回復期病院では、20分を1単位と呼び、1人の作業療法士が、1人の患者さんに対し、2~4単位(1時間~1時間半)、作業療法を提供することが多いです。

 

 

 

 

作業療法の中で、機能訓練を行ったり、日常生活動作(ADL)の訓練を行ったりすることは、どこの回復期病院でも、同じように行われています。

 

 

 

 

回復期病院での違いは、作業療法士に、どこまで日常生活動作の訓練を求められるか?です。

 

 

 

 

回復期病院によっては、食事やトイレ、整容動作などのADLは、看護師や介護士がやるから、「リハビリでは、とにかく機能訓練を!」という風潮がある病院があります。一方で、「リハビリで、ひげそりの練習ってしないんですか?」といった具合に、ADLについて、看護師や介護士から訓練してはどうか?と、積極的に提案をされる病院もあります。

 

 

 

 

僕は、個人的には、ADLについて、他職種から積極的に提案され、作業療法士からも、積極的に介護方法やADLについて、他職種と話し合っている病院が、回復期病院のあり方だと考えています。

 

 

 

 

作業療法士は、患者さんの日常的な介護をする訳ではないですから、リハビリ場面以外の介護については、看護師や介護士と相談するべきですよね。また、患者さんが、自宅に退院した後、主な介護者は、家族や介護士です。作業療法士の介助で、患者さんのADLができるようになっても、実践的とは言えないでしょう。

 

 

 

 

回復期病院に見学に行った時に、質問してみるといいですよ。「お風呂やトイレにも、作業療法士が介入できますか?」という具合に、ここは直球をぶつけてみてください。見学を案内してくれる人は、作業療法士だと思うので、このような質問に、スムースな返答がこないようなら、おそらく、作業療法士は、積極的なADL訓練を行っていないと思いますよ。

 

回復期病院における患者さんの疾患

現在、どこの回復期病院でも、脳血管障害と大腿骨頸部骨折の患者さんが多いです。

 

 

 

 

回復期病院で違いがある部分は、比率です。例えば、ある病院では、脳血管障害:整形外科疾患=6:4に対して、ある病院では、脳血管障害:整形外科疾患=4:6など、入院患者さんの比率が変わってきます。

 

 

 

どうして、入院している患者さんの疾患に、差がでるのかなぁ?

 

 

 

たぐ
回復期病院の関連する病院に、関係があるんです。

 

 

 

先ほど説明したように、回復期病院には、直接入院することができません。患者さんは、必ず、どこかの急性期病院を経由して、回復期病院に転院してくるんですよね。

 

 

 

 

だから、回復期病院を持っている事業所は、関連病院に、急性期病院がある場合が多いです。

 

 

 

 

急性期病院が、整形外科疾患を得意とする病院であると、回復期病院にも整形外科疾患の患者さんが多くなりますし、急性期病院が、脳血管障害の患者さんが多く搬送される病院であれば、回復期病院には、脳血管障害の患者さんが多く転院してきます。

 

 

 

 

回復期病院のホームページを見ると、病院の実績として、どのような疾患の患者さんが、何割入院していたかをグラフで載せている病院が多いので、就職をする時に、自分がどういう疾患の作業療法に関わりたいのか、参考になりますよ。

 

スタッフの年齢・キャリア

回復期病院では、作業療法士の経験年数が低い傾向にあります。1~3年目がほとんどを占めている病院もざらですね。

 

 

 

 

作業療法士の経験年数の平均が、低いこと自体は、悪いことではありません。若い人が多い病院の方が、活気があったりしますし、新しい試みをしやすいかもしれません。

 

 

 

 

作業療法士の経験年数の平均が高いと、キャリアがある人に、仕事を教えてもらったり、すでに家庭を持っている場合には、働きやすい職場環境と言えるかもしれません。

 

 

 

 

僕は、経験年数の若い職場は、「やりたいことに挑戦しやすい、一方で、お友達感覚のなれ合いになりやすい」、経験年数の高い職場は、「何かを変えるのに時間がかかる、サバサバした人間関係だから、プライベートも含めてお互いの干渉が少ない」という印象がありますね。

 

 

 

 

職場の雰囲気は、年齢やキャリアだけで決まるものではないですが、ひとつの目安になりますよ。「どこの職場に行っても、自分次第でしょ!」と強い信念があるのなら、年齢を気にする必要はありませんが、「作業療法士としての自信がない…」と考えるなら、経験年数の平均が、低からず、高からずの職場がいいと思うんですよね。

 

1日の受け持ち患者さんの人数とノルマ

回復期病院によって、1日のノルマは様々です。ここでいうノルマとは、1日に、作業療法士が患者さんにどのくらいのリハビリを提供したかと言うことです。

 

 

 

 

回復期病院の作業療法士は、1日あたり24単位(480分)、1週間で108単位(2160分)分、患者さんのリハビリを行えると、法律で決められています。ところが、病院によっては、1日18単位の取得をノルマとしていたり、21単位をノルマとしていたりと、1人の作業療法士の売り上げ目標(ノルマ)が、病院ごとに違うんですよね。

 

 

 

 

ノルマは、忙しさのひとつの目安にしかなりません。21単位でも、リハビリ業務しかなければ、ゆったり仕事ができますし、18単位でも、委員会等の残業が多ければ、常に忙しさを感じている作業療法士も、少なくありません。

 

 

 

 

いくら作業療法の仕事が好きでも、ノルマが多いと、仕事が負担に感じられてきます。病院見学で「1日、1人の療法士が、何単位くらいリハビリを行っているか?」を聞いておくと、残業時間などの情報と合わせて、作業療法士の仕事の忙しさについて、推測しやすいです。

 

残業

回復期病院の場合、残業は、どこの病院でもあります。なぜなら、たいていのリハビリ病院が、業務時間いっぱいをリハビリ業務にあてており、書類の作成や業務に必要な研修などを、業務終了後に行うからです。

 

 

 

 

1ヶ月の残業がどのくらいあるかは、病院見学の時に聞いて、差し支えないですよ。残業が多くなると、プライベートの時間が少なくなります。プライベートの時間が少なくなると、仕事に負担を感じて、せっかく好きで働いた作業療法士の仕事が、嫌いにさえ思えてくるかもしれません。

 

 

 

 

適度に休養をとりながら、仕事もプライベートも楽しめると、社会人生活が充実すると思うんですよね。

 

休み、休憩時間

多くの回復期病院では、4週8休。希望を出さなければ、土日・年末年始の休みはなく、1ヶ月のうちに、8日間休みをもらえます。場所によって、4週10休の病院もあり、1ヶ月に10日休みがあると、自分の時間が増え、体力的にも本当に楽。

 

 

 

 

毎日の休憩時間(昼休み)は、45分または1時間だと思います。休憩時間は、実際の労働時間が8時間を超えると1時間の休憩になるんですが、病院によって、ギリギリ8時間以内になるよう設定し、45分休憩にしていたりします。個人的には、1時間休憩が絶対おすすめ。休憩時間が5分、10分削られる事も多いので。

 

 

 

 

休みや休憩時間は、ホームページの求人情報に載っています。載っていなくても、見学を案内してくれる人に質問して大丈夫です。間違いなく、気さくに答えてくれますよ。なぜなら、みんな休みが大事だと知っているから。

 

人間関係

この項目だけは、入ってみないと実際は、わかりません。先輩の意見が絶対!という上下関係がはっきりしている職場もあれば、上下関係や横のつながりも少なく、淡々と日々の業務を行っている病院もあります。

 

 

 

 

ひとつ参考にしたいところは、病院見学に行った時に、案内係以外の人の挨拶の仕方です。挨拶をしないのは論外。ちゃんと聞こえる声で、こちらを見て、誰もが挨拶できていれば、悪い人材環境ではないと考えます。

 

教育、研修、勉強会

回復期病院の療法士は、勉強会や研修会が好き。何か問題があると、「勉強会をしよう!」という発想になりやすいです。

 

 

 

 

でも僕は、患者さんに向き合うこと以上に、勉強ができる機会はないと思いますし、業務後に、趣味や療法士以外のコミュニティで人生経験を積む事も、豊かな療法士・社会人になるには重要と考えているんですよね。

 

 

 

 

ホームページ上で、勉強会がある事をアピールしているからと言って、1ヶ月に何十時間もやっていたら、そこは考えもの。勉強会がある=良いことではなく、自分の人生や考え方に合わせた選択をしましょうね。

 

書類

患者さんに対するリハビリ業務と同じように、書類の作成は、療法士には付きものです。回復期病院では、実施計画書、目標設定シート、月ごとの評価表など、月ごとに書類の作成が必ずやってきます。だから残業もあるんです。

 

 

 

 

病院によって、作成した書類の患者さんへの説明を療法士がやったり、他の職種が行ったり、説明の仕方は色々。全ての書類をリハビリ科で説明する事になっていたら、結構大変なんで、分業できている病院がベスト。

 

おわりに

回復期病院の違いを見分けるポイントと、作業療法士の仕事の状況や待遇について、情報収集する方法を書きました。

 

 

 

 

「リハビリ病院に就職する!」ではなくて、作業療法士の資格を持って、自分がどういう人生を歩んでいきたいかを自分で考えてみてください。働くって、そういうことだと思います。

 

 

 

 

就職先を検討する時に、参考にしてみてください。

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