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トイレ動作を作業療法で訓練する時に考えておくべき6つのこと

2019/11/10
 
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たぐ
webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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患者さんのトイレ動作は、どう考えていけばいいんだろう?

 

たぐ
患者さんを担当したばかりでは、よくわかんないですよね。

 

トイレ動作を作業療法で訓練する時には、考えることが色々あります。何も考えずに動作の訓練だけ行おうとしても、どういう風に患者さんを誘導していいか、どこを目標に訓練したいいかがわからなくなるんです。

 

僕は作業療法士として、トイレ動作の訓練には人なみ以上に力を入れてきました。というのも、トイレ動作ができるようになりたいと思う患者さんが多いですし、トイレ動作ができるかどうかが自宅退院に大きく関わってくるからです。

 

トイレ動作訓練での誘導の仕方、目標の立て方を理解するには、患者さんがトイレ動作を行っていく環境を考える必要があります。

 

この記事では、患者さんのトイレ動作を訓練する時に、作業療法士として考えておきたいことを説明します。

トイレ動作を作業療法訓練する時に考えておく6つのこと

トイレ動作を作業療法で訓練する時には、次の7つのことを考えるようにしてみてください。7つのことを考えると、「患者さんのトイレ動作の形」がイメージできてくるからです。

 

① どこのトイレを使うのか?

トイレと一言で言っても、病院には色々なタイプのトイレがあります。トイレのタイプが違ってくると、患者さんが立ち上がってからだを回転する方向、介護者の位置、車いすを置いておく場所などが変わってきます。

 

これからトイレ動作訓練をはじめる患者さんは、当面の目標としてどこのトイレで排泄をしていく予定でしょうか?まずは、患者さんがトイレ動作を行うトイレを考えてみましょう。

 

② 誰と一緒にトイレに行くのか?

麻痺が中等度から重度の患者さんは、いきなりトイレの自立を考えるのは難しいです。患者さん自身がからだの使い方を理解できていませんし、どういった動きをすれば安全にトイレができるかわからないからです。

 

だから、トイレ動作訓練を始めた頃は、「トイレ動作自立」を目標にするのではなくて、「誰となら一緒に行けるか?」と目標に考えてみると良いです。この「誰と?」は、作業療法士なのか、介護士なのかでも変わってきます。作業療法士ができることでも、介護士ができないことも多いので「誰とトイレに行くのか」注意して考える必要があります。

 

③ 患者さんはどこまでできればいいのか?

トイレ動作を訓練していく時には、「とりあえず、患者さんはどこまでできればいいのか?」を考えるようにしてみると目標がわかりやすいです。例えば…

 

・手すりを持って立ってられればいい

・立てなくても便座に向かって回転できればいい

・立ち上がる動きができればいい など

 

実は、トイレに行けるかどうかは、患者さんの能力よりも介助がどのくらいできるのかの方が重要です。立つことができなくても、介助のやり方次第ではトイレに連れて行ってくれる病院もあります。

 

理想は患者さんに全ての動作をできるようになってもらいたいのですが、いきなり全てを自立できる患者さんは少ないです。だから、まずは「今の状態で、どこまで自力でできればトイレ動作が楽にできるか」を考えると良いです。

 

④ 介護士はどのように手伝えばいいのか?

トイレ動作を訓練する時には【1番目】作業療法士と一緒にできること、【2番目】介護士と一緒にできることを考えていきます。作業療法士が介助できても、介護士が介助できなければ日常的にトイレに行くことができません。

 

そこで訓練をする時には、作業療法士は、どのような手伝いを介護士がすれば良いか、介護士の立場に立って介助方法を考えることが重要です。僕の経験上、リハビリの専門職と介護士には以下のような違いがあります。

 

作業療法士(リハビリ専門職) 介護士
時間がある 時間がない
運動学の知識がある 運動学の知識がない
介助する患者さんが決まっている 色々な患者さんを介助する

 

たぐ
介護士が少ない時間で、楽に介助できる方法を教えられることは、作業療法士の技術ですし、おもしろみだと思いますよ。

 

⑤ トイレの頻度はどのくらいか?

トイレ動作の訓練をする時には、患者さんがトイレに行く頻度を考えておく必要があります。トイレの頻度は、トイレ動作の介助ができるかどうかに関わってくるからです。

 

病院には、担当する患者さん以外にも多くの患者さんが入院していて、それぞれの患者さんがトイレの介助を必要としています。そうかといって、介助のできる介護士や看護師のマンパワーは限られています。そのため、介護士や看護師からすると、どのくらいの頻度の介助を必要とする患者さんなのかという情報は重要です。

 

● 昼間だけ?昼間も夜も?

● 希望する時だけ?

など

 

1日に必要なトイレの回数を知っておくと、介護士や看護師に病棟でのトイレ誘導の相談もしやすいです。どこの病院でも、病棟で「排泄回数」をチェックしているので、「排泄チェック表」のような記録用紙を見てみると良いですよ。

 

⑥ 他の職種はどう考えているのか?

トイレ動作には、作業療法士だけでなく色々な職種が関わってきます。主には介護士、看護師、理学療法士です。患者さんのトイレについては、それぞれの職種で考えがあるので、情報交換しながら訓練を進めていくことが必要です。

 

特に理学療法士と協力してトイレ動作の能力アップを考えていくことが重要です。例えば、片麻痺の患者さんがいた場合に、理学療法で麻痺側の下肢を使った動きの訓練をしているのに、作業療法で麻痺側の下肢を使わないトイレ動作の訓練をしていたら、能力をアップするのに効率が悪いですよね?

 

他の職種に相談することで、狙いとなる動きや達成すべき目標が見えてくることが多いです。トイレ動作の獲得を作業療法士で抱えるのではなく、他の職種ではどう考えているかについて話してみることも重要です。

 

まとめ

トイレ動作の訓練を作業療法で行う時に、考えておくべき6つのことについて説明しました。

 

トイレ動作の訓練で考えておくべき6つのこと
① どこのトイレを使うのか?

 

② 誰と一緒にトイレに行くのか?

③ 患者さんはどこまでできればいいのか?

④ 介護士はどのように手伝えばいいのか?

⑤ トイレの頻度はどのくらいか?

⑥ 他の職種はどう考えているのか?

 

トイレ動作の訓練をする時には、できない動作を訓練するだけでなく、どういった環境でどのようにトイレ動作をしていけばいいのかを考えることが重要です。

 

慣れないうちは特に訓練の進め方で悩むでしょうから、ぜひ参考にしてみてください。

 

関連記事:片麻痺のトイレ動作訓練 作業療法士が手すりを使ったズボンの上げ下げを解説

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