うつ病人の生き方・働き方改革

特養で働く作業療法士の1日の流れは、どんな感じになっている?

2019/09/17
 
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たぐ
webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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特別養護老人ホーム(以下、特養)に、作業療法士として転職したいと考えていても、特養で働くイメージがつきにくいですよね?

 

 

 

 

特養の作業療法士について検索してみると、求人情報サイトの口コミだったり、特養のホームページだったりが中心で、特養で働いている作業療法士の経験談が見つかりません。

 

 

 

たぐ
そもそも、特養で働いている作業療法士が少ないですからね。

 

 

 

日本作業療法士協会が行った調査によると、全国の特養で働く作業療法士の人数は、2014年度時点で604人でした。働いている作業療法士が少ないので、検索しても情報が少ないんです。

 

 

 

 

僕は、作業療法士として、4ヶ月間、特養で働いていました。特養に興味を持って、これから転職を考えている作業療法士であれば、特養で1日働いているイメージが知りたいと思うんですよね。

 

 

 

 

特養で働いているイメージがついた方が、「本当に特養に就職したいのか?」、判断しやすいです。そこで、特養で働くイメージがつきやすいように、自分が働いていた当時の1日の流れを紹介します。


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特養で働く作業療法士の1日の流れ

まず、特養で働く作業療法士の1日の流れを表にしてみました。この表は、僕が、特養で働いていた時の代表的な1日です。

 

 

 

 

特養って、もっとゆったりしているかと思っていたんだけれど、結構せわしなくない?

 

 

 

表にしてみると、特養で働く作業療法士に、忙しそうな印象を持たれたかもしれません。

 

 

 

 

でも、表の中で、欠かさずにこなさなければいけないスケジュールは、家族に生活面やリハビリの状況を説明するカンファレンスだけです。その他は、自分の考えや仕事の進捗状況で、いくらでも、スケジュール変更が可能です。

 

 

 

 

特養では、ご利用者さんごとに、入所時、入所後1ヶ月、その後3ヶ月の間隔で、家族とのカンファレンスが行われます。

 

 

 

 

カンファレンスでは、ケアマネジャー、看護師、介護士、管理栄養士、機能訓練指導員(作業療法士など)が1名ずつ参加し、施設の生活状況や生活能力を維持する取り組みの様子を説明したり、家族の要望を聴取したりしながら、施設サービスの計画の見直しを行っています。

 

 

 

 

個別・集団リハビリ、書類の作成などは、カンファレンス、ご利用者さんの食事・トイレ・入浴・おやつなどの時間帯と重ならないようにしながら、自由にスケジュールを組みながら、行うことができました。

 

 

 

 

作業療法士としての関わり方で、病院との大きな違いは、評価の方法やリハビリの方法にあります。

 

 

 

 

特養では、病院のように、ご利用者さん1人に対するリハビリの提供時間が決まっていません。そのため、5分間で座っている姿勢を評価したり、20分かけてROM訓練を行ったりなど、特養の各フロアを回りながら、機能や生活面の評価を行っていました。

 

 

 

 

個人的には、個別リハビリの必要性を感じるご利用者さんも多かったですが、現在の制度では、機能訓練指導員(作業療法士など)1人に対して、担当するご利用者さんの人数が90人となっています。

 

 

 

 

たぐ
1週間かけても、全てのご利用者さんに、個別リハビリを提供することができません。特養のリハビリは、「機能訓練」と名前がついていますが、治療行為ではありませんからね。

 

 

 

 

僕の場合、ご利用者さんと個別リハビリで関わる時は、集団リハビリでは機能や生活能力が維持しにくい方のリハビリ、ADLを評価する時間、介護士や看護師に介護方法を伝えるための評価や指導時間にあてていました。

 

 

 

 

個別・集団リハビリや空いた時間にご利用者さんの様子を見にいきながら、評価を行い、必要な生活支援について、他職種に伝達したり、書類の作成・カンファレンスでの説明を行うような形で、働いていましたね。

 

特養の作業療法士は、どこで仕事をしている?

どこの病院でも、作業療法士として就職すると、リハビリ室に併設されたスタッフルームに出勤し、主にリハビリ室や病室で、仕事を行っていると思います。書類業務や雑務も、リハビリの合間や業務終了後に、ナースステーションやスタッフルームで、行うことが多いですよね?

 

 

 

 

特養では、作成する書類が多いためか?事務職扱いになるためか?理由はよくわかりませんが、自分専用のデスクがありました。

 

 

 

 

特養の1階にある事務所に自分のデスクを構えて、自分のスケジュールに合わせて、ご利用者さんのいるデイルームや自室を訪問していくようなイメージです。

 

 

 

 

最近の特養は、ほとんどがユニットケア(個室)型になってきています。ユニットケアの特養であると、同じ特養内にいながら、ご利用者さんの自宅(居室)に、訪問リハビリを行いにいくようなそんな感覚がありましたよ。

 

 

【ユニットケアとは?】

ユニットケアとは、ご利用者さんのプライバシーが守られるように個室(従来の特養は、1室数人の集団ケア)で生活しながら、他のご利用者さんと交流ができるような居間(共同生活室;デイルーム)が設けられた個別ケアを重視したケアのことです。

1ユニットに、10名前後のご利用者さんが入所しており、各ユニットに配属された顔なじみのスタッフがケアにあたることで、入所者の尊厳を尊重したサポートを目的としています。

参考:日本ユニットケア推進センター

 

 

特養にも、設備の基準上、小さな機能訓練室が設けられているんですが、僕は、機能訓練室をほとんど使いませんでした。

 

 

 

 

機能訓練室に行く時間がもったいないですし、立ったり、歩いたりするような機能に直結するリハビリを行うのであれば、デイルームで行い、介護士や看護師にリハビリの様子をみてもらった方が、日常の介護に活かしてもらいやすいような関わりができるからです。

 

特養の作業療法士には、何かノルマはあるの?

病院で働いていると、リハビリを提供した時間が、病院の収益に直結するので、作業療法士にも、1日に18~21単位程度のノルマがあります。

 

 

 

 

一方、特養では、リハビリを提供することに関して、日常的なノルマがありません。

 

 

 

 

あえてノルマと考えるのであれば、入所時、入所後1ヶ月、その後3ヶ月おきに行われるカンファレンス前までに、ご利用者さんの機能や生活の状態を評価して、個別機能訓練計画書を作成することです。

 

 

 

 

個別機能訓練計画書とは、ご利用者さんの機能や生活能力を維持するために、機能訓練指導員(作業療法士など)が作成する書類です。病院で言うと、リハビリテーション総合実施計画書のような書類だと思ってもらうとイメージしやすいです。

 

 

 

 

個人的には、特養の「個別機能訓練計画書」と、病院の「リハビリテーション総合実施計画書」には、次のような点で、違いを感じました。

 

 

 

個別機能訓練計画書の方が…

 

● 生活面の評価を重視

● 機能面の評価は、部分的

● 家族が理解できる表現を重視

 

 

 

例えば、リハビリテーション総合実施計画書では、「FIM 食事項目 5点」と記載していたところが、「時々、むせることがありますが、食事は、スプーンを使って、お一人で召し上がられています」といった表現で、記載・作成していました。

 

 

 

 

「リハビリテーション総合実施計画書」よりも、家族が読みやすく、理解できる表現を使うので、専門用語ではなく、ほとんど一般用語で記載・作成します。

 

 

 

 

ご利用者さん90人分の評価と書類作成を行うことになりますが、毎月、全員分の書類を作成する訳ではなかったですし、評価も、フロアを回ったり、個別・集団リハビリで関わったり、他の職種に聞いたりしながら行っていたので、「ノルマ」といった負担に感じないと思いますよ。

 

型にはまらない方が、特養の作業療法を楽しめる

特養の作業療法士は、病院に比べると、自由度が高いです。「これ!」といった決まった仕事やノルマがない分、ご利用者さんに合わせて、自分で考えた作業療法が行えます。

 

 

 

 

たぐ
厳密に言うと、特養のリハビリは、「治療行為」ではないので、「自分で考えた作業療法士的な関わりが行いやすい」といった感じです。

 

 

 

 

ただし、自由度が高い分、自分で自分の仕事や時間をマネジメントできないと、闇雲に時間だけが過ぎていきかねません。

 

 

 

 

特養で働いてみて感じた病で働く作業療法士や病院の仕事との印象を比較し、下のように、表にまとめてみました。表の中で、の色をつけた部分が、特養の作業療法士として働いた時に、やりがいを感じられた部分です。

 

 

 

 

 

 

病院では、自宅退院を目標に、リハビリが行われるので、「リハビリ=治療行為」という認識が強いですよね?患者さんの心身機能は、回復段階にあるので、「生活」よりも、「機能」が重要視されやすいです。

 

 

 

 

病院に比べると、特養では、ご利用者さんの生活のしやすさだったり、楽しみだったりを支援する認識が強いので、「リハビリ=暮らしやすさを求める」といったイメージです。

 

 

 

 

印象的だったケースを2つ紹介します。

 

転倒による骨折をした認知症のご利用者さんがいました。歩行の練習をすれば、介護士の歩行介助で、日常的な移動ができるようになる見込みがあったのですが、家族に、「1人で歩けないなら、車いすのままがいい。また、転倒したら、本人も痛くて辛いと思うから。」と、練習を断られました。

動作が行えるようになる分、転倒の危険性が高まるから、「リハビリ的な関わりは、必要ない」となったケースです。

 

頭部外傷の後遺症で、怒りっぽいご利用者さんがいました。入所歴が長く、同じユニット内のご利用者さんからは、「怒る」、「怖い」というイメージがすっかりついてしまい、コミュニケーションをとる相手がいないご利用者さんです。僕は、そのご利用者さんを連れて、他のユニットで、ちぎり絵を使った小集団のレクリエーションを行いました。何度かレクリエーションを行っているうちに、レクリエーションの参加者内で知り合いを作ることができ、レクリエーションを行わなくても、ユニットを移動して、自分からコミュニケーションをとれるようになりました。

自分のユニットで孤立されていたご利用者さんが、他者の介入で、他のユニットにコミュニケーションがとれる相手を作れたケースです。

 

たぐ
特養の作業療法士は、時間も、関わり方も自由度が高いです。型にはまらない考え方で、リハビリを行えると、作業療法士として楽しめると思いますよ。

 

 

 

 

特養で働く作業療法士の1日を紹介しました。下の記事では、特養で働いてみて感じた作業療法士の役割について書いています。よかったら参考にしてみてください。

関連記事:特養で働くOTの役割とは?

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