うつ病で復職が不安な方に伝えたいたったひとつのこと
〝うつ病で休職し、上手いこと復職できなくても、社会復帰の方法なんていくらでもある〟
現在、僕はwebライターをしています。以前は、サラリーマンを10年ほどやっていました。サラリーマン時代に、2度のうつ病になり、1度目は職場に復職できたのですが、2度目は、復職した1ヶ月後に体調を崩し、退職をしました。ちなみに、うつ病になった時と再発をした時の職場は、別の職場です。
うつ病で休職をしていると、こう思うはず。
「上手く復職できるのだろうか?」
「復職に失敗したら、どうしよう?」
サラリーマンとして働いていると、いつからか会社で働くことにしか自分の生き方が見いだせなくなり、会社で働けなくなると、人生が終わったような感覚にさえなります。
「何としても、会社に復職して仕事をしなければならない」と自分を追い込むプレッシャーを持っていると、休職をしているのに心を休められませんし、復職に対する自信を失わせてしまいますよね?
でも僕は、いざサラリーマンを辞めて、やったこともないようなwebライターとして働いてみると、社会復帰の方法なんていくらでもあることに気づきました。
うつ病になって会社で働けなくなった者からすると、
社会復帰って何だ?と思えて仕方がない。どこでどこに至って、
社会の一員であることに変わりないじゃない?自分がしっくりくる感じにおさまれたら、
それが社会復帰なんだと思う。— うつ病ブロガー たぐ (@tagweblog) 2018年8月15日
だから、サラリーマンを休職中で、復職を焦っている方に向けて、伝えたいことがある!
会社で働くことが全てではない。
会社で働けなかったとしても、社会復帰の方法があることを伝えて、安心して、休職や復職をしてほしいと思うんです。
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休職した後は、とりあえず復職してみればいい
過剰労働など、明らかに職場環境が悪いようなブラック企業でない限り、休職をした後は、とりあえず復職をしてみるべきだと思います。というのも、復職をして働いてみないことには、うつ病を持った体で、今の仕事に適応できるかできないか、判断がつかないからです。
復職をしてみると、休職中に考えていたことよりも、多くのことに気づきます。療養していた分だけ体力が落ちていたり、うつ病の症状により気力や集中力が落ちていたり。僕の場合は、「対人的なストレスに耐える」ということに、めっぽう弱くなっていました。笑
例えば、苦手な職場の同僚がヒソヒソと私の方を向いて話をしていると、何か自分が悪いことをしているような感覚になったり。自分の仕事ぶりが、お客さんに少し文句をつけられただけで、立ち直れなくなったり。自分が単に被害的になっていることがわかっていても、自分の力だけで立ち直れるほどの「自浄作用」が、効かなくなっていました。
上手く復職するためには、職場のまわりのサポートが必要です。まわりのサポートがないと、自分では、仕事からくるストレスを調整しにくいですし、サポートがあれば、復職してから、仕事のリズムに上手く乗ることができます。ただ、実際にどういう風に職場が対応してくれるか、同僚が関わってくれるかは、復職をしてみないとわからないことが多いんですよね。
だから、自分が今の職場環境で仕事をしていけるかは、復職をしてみないとわからないです。「上手く復職できるか?」を悩むよりも、とりあえず復職してみて「ダメだったら他の方法を考えよう!」と思う方が、休職や復職をする時には、気持ちが楽に持てますよ。
転職をすることも、ひとつの解決策
僕は、2度目のうつ病で、3ヶ月の休職をしました。3ヶ月の休職の後、復職した直後に、体調を崩したのですが、体調を崩し始めた時には、もう迷わずに退職して、個人で仕事をしていこうと決めていました。理由は、会社で必ず必要となる対人的な人間関係によるストレスに、疲れと限界を感じていたからです。
会社で働いていると、どうしても人に気を遣いすぎたり、誰にでもいい顔をするような八方美人になってしまったり。それと、上司や苦手な同僚の言葉と態度ばかりが気になってしまって、四六時中、何か悪い話をされているかというような不安にかられてしまって。職場の人間関係で不安を感じ始めてからは、自分を必要としてくれているお客さんの方に、注意を向けられなくなっていたんですよね。
だから、同じような環境(会社という組織)に転職しても、うつ病の症状が重くなっていくだけのような感じがあって、療養しながら、自分のペースで働けるフリーランスの道以外は考えませんでした。
ただ、人によっては、今の職場が合わないだけという人もいると思うんです。「職場を変えた=うつ病が治る」とはありえない話だと思いますが、良い人間関係やサポートに恵まれた環境であれば、療養しながら、会社で働くこともできますよね。
実際、僕が1度目のうつ病を発症して、休職後に復職できた1番の要因は、支えてくれる部下や同僚の存在がいてくれたことが大きいです。というか、それしかありません。
このまま復職をしても、間違いなく再発しそうに感じる職場であるならば、我慢せずに、新しい職場に転職して、そこで働いてみるのも、ひとつの方法だと思いますよ。
会社に所属しなくても、うつ病者だって社会復帰できる
僕は、現在33歳になり、妻と小学1年生の娘がいます。元々、正社員の共働き夫婦だったんですけれど、今は、我が家の稼ぎ頭は妻で、僕は、webライターでお小遣い程度のお金を稼ぎながら、主夫業を行っています。
午前中は、妻と娘を職場と小学校に見送った後、カフェでwebライターの仕事やブログを書いて、お昼ご飯を自宅で食べ、午後は洗濯や家の掃除、そして買い物に行って夕飯づくりなどの家事をしています。いわゆる一般的な夫婦の逆パターンですね。
今の僕の役割は、主に3つです。
①生きていること
②フリーランスとしての仕事
③主夫
妻の稼いだお金でご飯を食べさせてもらっているので、大きなことは言えません。でも、何もできない無気力状態から、会社に復職し、会社では働けなかったけれど、少しは収入を得ながら、主夫業の役割を果たせていることは、うつ病者としてひとつの社会復帰ができた と考えています。
ちなみに、今の野望は、会社員時代の1日分の給料を半日で稼げるようなフリーランスになり、午後は、主夫業を満喫することです。僕には、まだ「お金を稼ぐ=夫や父親としての価値・役割」という価値観があって、わずかな収入しか得られていない夫や父親である現状に満足がいっていないんでしょうね。
生き方は、誰かが決めるものではない
うつ病で社会復帰について検索すると、必ずといっていいほど、「会社に復職すること」が出てきます。精神科での診察でも、医師は会社への復職を前提に話をしてくる場合が多く、個人で、ましてやwebで生計を立てようとする発想を持っていません。休職者の中には、「会社で働かなくてどうするんだよ!?」と、家族におしりを叩かれている人もいるかもしれません。
お金がなければ、ご飯を食べていけないのは事実です。しかし、本来、どこで働こうが、どんな生き方をしようかは自分が決めるべきものですし、しっくりこなければ、働き方や生き方は、その時、自分が都合良く感じるように変えていいんです。(※ただし、うつ病者はそれが苦手です。他人の目を気にしすぎるから。)
〝復職が上手くいかなくても、社会復帰の方法はいくらだってある〟
「失敗したっていい」と考えると、不安に感じている復職に対して、自信が持てると思います。復職について考える時は、自分で自分の働き方や生き方を縛って苦しまずに、働き方や生き方は、いくらだってあることを知っておいて欲しいです。
おわりに
うつ病で休職中、または離職中の方が、いきなり復職をすることは、とても勇気が必要です。独立行政法人 労働政策研究・研修機構が行った平成22年~25年の3年間の調査では、うつ病で休職をした人の復職率は、約50%でした。
全国では、就労移行支援事業所で、うつ病者(障害者手帳の有無に関わらない)の復職支援を行っている場所もあります。仕事の生活リズムを取り戻したり、復職後に、仕事に定着するためにも、復職支援のサービスがあります。東京や東京近郊にお住まいでないと通いにくいですが、復職支援を行っている就労移行支援事業所のリンクを以下に貼っておきます。
東京都の豊島区にある事業所です。
うつ病や発達障害など障害がある方の就職と定着を支援する施設【ニューロワークス】
【ニューロワークスの特徴】
● 医師の診断書があれば、障害者手帳がなくても利用が認められる場合あり
● ロールプレイング形式のコミュニケーションの練習やディスカッションの練習のほか、気持ちを落ち着けるマインドフルネスの方法や脳トレなどを取り入れ、実践的に使えるように、根拠に基づいたプログラムを組んでいる
●就職後も、職場への定着支援をしている
●見学・資料請求は無料
復職に向けて、自宅近くの就労支援事業所で練習を積むのも、職場で上手く仕事のリズムに軌道を乗せていくひとつの方法ですよ。
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