【書評】「自信がない自分を変える方法」アドラー心理学のカウンセラーに教わる自分の変え方とは
「アドラー心理学って、なんだか難しそう…」
アドラー心理学の本を読めば自分を変えられそうに思えても、専門書となると難しく感じて、尻込みしてしまうことも多いです。
実は僕も、女優の香里奈さんがドラマで主演をつとめ、各界で話題になった大ベストセラー「嫌われる勇気」が出版された頃からアドラー心理学に興味があったのですが、その名前のとっつきにくさから専門書を開くことに抵抗がありました。
ところがアマゾンで検索してみると、アドラー心理学のカウンセラーの方が書いたとてもわかりやすい本に出会ったんです。
今回紹介する書籍「アドラー心理学のカウンセラーが教える自信がない自分を変える方法」は、僕みたいなアドラー心理学の素人にも理解しやすく、読みやすい本でした。
・自分に自信がない人
・他人の視線を気にしやすい人
・人間関係に悩まされやすい人
・アドラー心理学に興味がある人
・アドラー心理学をかじりたい人
アドラー心理学とは?
アドラー心理学とは、心理学者のアルフレッド・アドラー氏が築いた心理学のことです。
アドラー心理学には以下の2つのポイントがあります。
① 自分の価値観に気づけること
② 自分が持っている資源を、自分や他人のために使えるようになること
(参考 日本アドラー心理学会)
アドラー心理学は全国各地でさまざまな研究会も作られ、多くの書籍も出版されています。
「自信がない自分を変える方法」
アドラー心理学という難しそうな名前に心が折れた僕は、「アドラー心理学のカウンセラーが教える自信がない自分を変える方法」という本を読みました。
この本の著者は、アドラー心理学勇気づけカウンセラーとして活動している大西 勝士(オオニシ カツシ)さんです。
大西さん自身も、以前は極度のあがり症や自己否定的な性格に悩みを抱えていたのだそう。
自分の性格に悩んでいた頃に心理学と出会い、現在ではカウンセリングやアドラー心理学の講座なども開催されています。
「アドラー心理学のカウンセラーが教える自信がない自分を変える方法」では、アドラー心理学の考えを解説しながら自分に自信をつけるための考え方を紹介しています。
読者としての嬉しいポイントは、何と言っても約10分で読破できる構成になっていること。
本の構成がわかりやすいように、目次を書き出してみました。
① 自分を大切にする
② 自分を勇気づける
③ 当たり前にできていることに注目する
④ 失敗の捉え方を変える
⑤ 「原因思考」をやめ、「目的思考」で生きる
⑥ 普通である勇気を持つ
⑦ 自己ベストを目指す生き方にシフトする
⑧ 自分の人生は自分で決められる
⑨ まとめ
アドラー心理学に興味があるということは、あなたも仕事やプライベートで、人間関係に悩みを抱えているのだと思います。
人間関係で消耗するのはつらいですよね。
「アドラー心理学のカウンセラーが教える自信がない自分を変える方法」を読むと、他人の顔色をしすぎたり他人に嫌われることを意識しすぎたりせずに、仕事やプライベートの人間関係をうまくこなすことができるようになるでしょう。
ちなみに大西さんは、webライターの仕事もされています(参考:かつにっき)。
仕事柄か、本の内容にも一般的な言葉が使われているので、アドラー心理学のまったくの素人でもサクッと読めました。
ここからは、本を読んでみて僕が共感できたことや感想を書いていきます。
自信をつける最初のステップは「自分を大切にすること」
折れることのない、本物の自信は、自分を大切にすることによって生まれます。
自分を大切にしていいと自分に許可を出すことが、自信のない自分を変える最初のステップになります。
本物の自信を持つには、まずは自分を大切にすることからはじまると言います。
僕自身がそうだったからわかるんですけれど、自分に自信がない人は、常に他人のことを気にして生きています。
他人の視線を気にして、何をするにも自分の気持ちをおさえ込んでいるから、いつの間にか他人の考えばかりを優先するようになってしまうのです。
他人の考えを優先することは、相手を尊重したり空気を読んだりするためには大事なこと。けれど、いつも自分の気持ちをおさえこんでいると、自分に自信はつかないでしょう。
だって、自分よりも他人のほうが大事なわけですから。
自信をつけるためには、自分を大事にすることが重要です。
ポジティブなセルフトークが必要
セルフトークとは自分にかけている言葉のことで、人は1日に2~3万もの言葉を自分にかけていると言われています。そして、私たちは自分でも気がつかないうちに、自分にマイナスのセルフトークをかけ続けています。
1回や2回ならまだしも、1日に何万回もマイナスなことを自分に言い聞かせてたら、本当に自分がダメな人間に思えてきても仕方ないのかもしれません。
僕も、マイナスなことを自分に言い聞かせている自覚がありましたが、まさかこんなにも多くの回数だとは思ってもいませんでした。
ひょっとするとマイナス思考の人は、自分で自分をマイナス思考の人間だと洗脳している可能性もあるのかもしれませんね。
僕はツイッターをやっているのですが、タイムラインを見ていると、時々「#ホメ療法」なるツイートが回ってくることがあります。
「ホメ療法」とは、その日にあった良いことを振り返って、自分で自分を褒めることによってポジティブな気分を保とうとする方法です。例えば、今日は上司に書類を提出できた(#ホメ療法)、家事をがんばった(#ホメ療法)といったぐあいです。
マイナスなセルフトークとは対照的に、この「ホメ療法」はまさにポジティブなセルフトークなのでしょう。
人は自分の良い部分よりも、ついつい悪い部分に目がいきがちです。
人によってやり方は色々とあるとは思いますが、自分の良い部分に気づいて、自信につなげていくためには、ポジティブなセルフトークが必要と言えるでしょう。
今の自分を受け入れる
私たちに必要なのは「普通である勇気」です。私たちは普通でいいし、普通でも価値があるのです。普通である自分を受け入れましょう。無理に特別である必要はありません。普通でいいと思えるだけで、楽に生きられるようになります。
自信とは何かができるようになることではなく、今の自分を受け入れることなのです。
自信がない時ほど、自分と他人とを比べやすいもの。
僕の場合は、他人の生活が垣間見えるたびに、自分も何か特別なことをしなければならないという思いにかられ、いつも気持ちを焦らせていました。
気持ちが焦ると、自分が本当は何がしたいのかもわからなくなります。
いま振り返ってみると、気持ちが焦っている時には、自分も何か特別な存在でいなければならないような義務感にかられていたのかもしれません。
・他人のためにがんばっている人
・社会のために努力している人
そういった人が特別な存在に見えると、平凡な自分がダメな存在に見えることもあります。
ですが、他人のため、社会のためにがんばっている人ほど、意外と自分のことを大事にしているような気もします。
例えば、ワールドカップで活躍しているアスリートも、「家族のため」「日本のため」ともいいますが、最後は「楽しんでやろうと思いました」など、自分の気持ちを大事にするような発言をしています。
自分の気持ちを偽って背伸びをしても、自分の自信はつかないでしょう。
「自分はどうなりたいか。」
特別な存在になろうとするよりも、平凡でも良いから、自分の気持ちを素直に受け入れることが大事なのではないでしょうか?