自分の考えで行動するには、「心を鍛える」よりも「思い込み」に気づいたほうが良いという話
自分の考えで行動するのは、意外と難しい。
失敗する予感や他人から批判される恐怖心があると、自分の考えを信じられないこともありますよね。
僕も、自分の考えで行動できないタイプでした。特に、自分の言動を批判されるのが怖かったので、いつも他人の考えに流されたり、他人の顔色を伺ったりしていました。
他人の考えに従っていれば責任は少ないですけれど、いつまで経っても考える力が身につかないので、自分の力で生きていく自信も持てません。ですから、どのようにすれば自分の考えで行動できるようになるのか?僕もよく考えたものです。
そこで、僕の経験を踏まえながら、自分の考えで行動できるようになるための方法について紹介します。
目次
自分の考えで行動できない原因は、自信がないから
自分に自信がないと、自分の考えで行動するのは難しいです。物事に挑戦しようにも、失敗したり批判されたりしそうな気持ちになれば、他人の考えを仰がずには行動を起こせません。
だからこそ、「自分に自信があれば…」と思うことが多くなるわけですが、自信ってそう簡単には身につかないんですよね。
自信をつけるには、自分の考えで行動することができた「成功体験」が必要です。少しずつ「成功体験」を積み重ねていくと徐々にできることが増えていき、以前の自分よりも成長しながら、いつの間にか身についてくるのが自信ではないでしょうか?
そのため、自分の考えで行動できないうちは、なかなか自信も身につきにくいでしょう。
他人の考えに流されやすい人は、心が弱いのか?
自分の考えで行動できない原因が「自信のなさ」にあると、自分が心の弱い人間に思えてくるかもしれません。こういった劣等感は、自分をダメな人間に思わさせます。
ところが、自分の考えで行動できないからと言って、どうやら心が弱いとも言いきれないようです。というのも、世界のトップ企業で働く“一流のビジネスマン”と言われる人たちも、自分の考えで行動できずに悩むことがあるからです。
河合 克仁さん とNami Bardenさん が執筆されたベストセラー書『世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業』によると、大手企業の経営者や著名なカウンセラーなど、ビジネスで成功されている人たちも自分の考えに迷うことがあり、「心の問題」を自力で解決する方法を学んでいると言います。
もちろん、ビジネスで成功しているからと言って、必ずしも心が強い人間であるとは言いきれません。ですが、少なくともビジネスの成功者でも迷うことがあるのなら、多くの人が自分の考えで行動できないことにも納得がいくのではないでしょうか。
3つの思い込みが他人の考えを優先させる
自分の考えで行動できない時には、他人の考えを優先しがちです。しかしながら、他人の話を聞いたり、アドバイスをもらったりしているうちに、より自分の考えがわからなくなってしまうということも。
なぜ、自分の考えよりも他人の考えを優先してしまうのか?僕は、そこには3つの思い込みが働くからだと考えています。
他人はいつでもうまくやれている
自分の考えに自信が持てない時ほど、他人が順調に見えるものです。
例えば、幸せそうにプライベートの様子をSNSに投稿している芸能人夫婦を見ると、いつでもうまくやれていそうな姿に劣等感を感じることもありますよね。でも、実際にはそういった芸能人夫婦が、半年後には離婚していたというケースもよく見聞きします。
このように、他人も思い通りの生活をしているわけではないのですが、自分がうまくやれていない時には、他人がいつもうまくやれているように思い込んでしまうのです。
そういった状態で他人を見ては自分の生き方に引け目を感じるので、自分の考えにも自信を失ってしまうのでしょう。
他人は答えを知っている
他人から答えを教えてもらいたくて、友人と食事に行ったり、情報サイトを見たりして、色々なアドバイスをもらうことが習慣になっている方もいるでしょう。今は情報があふれているので、相談をすれば「これはいけない」「こうしたほうがいい」などど言って誰からでもアドバイスをもらえます。
他人の話を聞くと、もっともらしいアドバイスをされるので、その時は正しい答えを言われているように思えます。ですが、他人のアドバイス通りにやってみてもうまくいかないことが多いです。
どうして他人が答えを教えてくれるのに、うまく物事をおこなうことができないのかというと、ほとんどの場合、アドバイスをくれた相手といまの自分の状況が違うからです。
置かれている環境であったり、持ち合わせている経験値だったり。お互いの状況が違うのですから、他人が提示した答えが、自分にとっては“不正解”であっても無理がないのかもしれません。
他人は問題の当事者でない分、冷静に話を聞いたりアドバイスをくれたりしますが、本当に自分が役立つ答えを知っているわけではないのです。
自分では何もできない
それから、自信がない時は、自分ひとりでは物事を何もできないように思えることも多いはず。やりたいこと・やるべきことがあっても、やり遂げられる自信がなければ、そもそも物事に挑戦することが難しいでしょう。
「自分では何もできない」と思う方には、完璧主義の人が多いように思います。
仕事でもプライベートでも、完璧にやり遂げられなければ「できた」と思えないと、何をやっても自分の考えで行動できたという自信につながらないからです。
これを心理学では、「全か無か思考」と言います。
【全か無か思考】
ものごとを白か黒のどちらかで考える思考法。少しでもミスがあれば、完全な失敗と考えてしまう。
物事をおこなってみた時に、全く何もできなかったということはほとんどありません。例えば、「今日は何もできなかった」と思える日であっても、実際には食事をしたり散歩をしたり、将来のことを考えたりなど、その時できることを自分なりにおこなっているものです。
以上のように、「他人はいつでもうまくやれている」「他人は答えを知っている」「自分では何もできない」といった3つの思い込みが邪魔をしていると、自分の考えで行動できず、他人の考えを優先しやすい状態になります。
自分の考えで行動できなくなるきっかけ
また、自分の考えで行動できなくなる時には、必ずきっかけがあります。
何か出来事が起きた時を振り返ってみると、都合の悪い考えや気持ちが浮かんできて、自分の考えに自信がなくなった経験はないでしょうか?
他人から批判される
他人から批判された時には、自分の考えが間違っているように感じられやすいです。
自分に自信がないと、相手を論破できるだけの意見も言えないです。それに加えて、批判してくる相手の姿に圧倒されると、人格まで否定されたような気持ちになり、相手の考え方が絶対に正しいように思えてくるでしょう。
世間体ばかり気にしている
自分に自信がないと、何をするにも他人の顔色が気になります。失敗している姿を見られたり批判されたりしたくないと、ついつい世間体が気になるんですよね。
僕の場合も、「まわりからは、どのように見られているのか?」「笑われないか?」「恥ずかしくないか?」など、まわりの顔色ばかりを気にしては、自分に自信を持てないでいました。
自分の考えで行動できなくなる時は、世間体を気にしすぎているのかもしれません。
他人の気持ちを読みすぎる
他人の気持ちを読みすぎている時も、自分の考えで行動しづらくなります。というのも、自分の言動が「相手を傷つけていないか」「不快な思いをさせていないか」「負担をかけていないか」考えると、相手に気を遣うからです。
特に優しい性格の人ほど、気を遣いすぎてしまいやすいもの。
優しい人は自分自身も傷つきやすいですから、知らぬ間に自分の考えや気持ちを押し殺しながら生活しがちです。
やり方にこだわりすぎている
物事のやり方にこだわり過ぎている時も、自分の考えを見失いやすいタイミングです。
例えば、仕事のことで上司に連絡をしようと考えただけでも、電話にしようか、メールやラインでも良いのか、資料をつくったほうが良いのかなど、連絡手段に悩むことがあります。
悩むこと自体は誰にでもありますが、悩む時間が長くなるほど、本来の連絡する目的を忘れて、連絡する手段にこだわってしまうことも。
このように、やり方にこだわりすぎて「目的」と「手段」が入れ替わってしまうと、結局のところ自分が何をしたいのかわからなくなることもよくあります。
「思い込み」と「きっかけ」に気づけると、自分の考えで行動できる
ここまで説明してきたことを簡単にまとめると、次のようになります。
① 「思い込み」が、自分の考えで行動する邪魔をしている
② 自分の考えで行動できなくなる時には、「きっかけ」がある
自分の考えで行動することができない時には、頭の中の「思い込み」や「きっかけ」となった出来事に気づくことが重要です。
自分のなかの「思い込み」に気づくことができれば、考え方を変えることができますし、自分の考えで行動できなくなる「きっかけ」を知っていれば、他人の考えを優先しはじめたことにも気づきやすくなるでしょう。
まずは、「思い込み」や「きっかけ」に気づくことから、意識してみてはいかがでしょうか。