自己肯定感をあげるには?自分を肯定できない原因とあげる方法を紹介
自己肯定感とは、自分の価値や存在意義をありのまま肯定できる感情のことです。
「自分なんて…(ダメな人間だから)」といったように。
自分のことを肯定的に見られないと、何かにつけて落ち込んだり、ネガティブな気持ちになったりしやすいものです。
逆に、自己肯定感が高ければ、自分の言葉や行動に自信を持ちながら仕事をしたり、日常生活を過ごしたりしやすくなります。
自己肯定感をあげるには、どのようにすれば良いのか?
ここでは、自分を肯定できない原因を説明するとともに、自己肯定感をあげる方法についてお伝えします。
目次
自分を肯定できない原因
自己肯定感の低い人は、自分を肯定することが苦手です。
自分の能力や成果を低く見積もり、反対に他人を高く評価したり自分の失敗を大袈裟に考えたりするのが、自己肯定感の低い人が陥りやすい考え方です。
心理学では、このような考え方を「拡大解釈(破滅化)と過小評価」と言います。
アメリカで活動する精神科医 デイビッド・D・バーンズ医師は、著書のなかで、拡大解釈(破滅化)と過小評価について、次のように定義しています。
【 拡大解釈(破滅化)と過小評価 】
自分の失敗を過大に考え、長所を過小評価する。逆に他人の成功を過大に評価し、他人の欠点を見逃す。
(引用 デイビッド・D・バーンズ(2013):いやな気分よ さようなら コンパクト版.星和書店)
自分を肯定できない原因になる「拡大解釈(破滅化)と過小評価」について、詳しく説明します。
拡大解釈(破滅化)
拡大解釈は、他人の成功を過大に評価したり、自分の失敗を実際よりも大きく捉えたりする状態です。
拡大解釈は、自分自身を滅ぼしてしまう原因になるため、「破滅化」とも言います。
ひとつの例としては、同僚が上司から責任ある仕事を任せられると、自分には手の届かない優秀な存在に感じてしまうといったように。
他人が成功する様子を見ると、それが実際以上に大きく見えてしまうのが拡大解釈という状態です。
また、もうひとつ例としては、社員全員がおこなうルーチンワークをやり忘れた時には、自分が能力のないダメ社員に思えてしまうといったように。
自分が何らかの失敗をおかした時には、必要以上に大袈裟に考えてしまうのも拡大解釈の特徴です。
他人に寛容である一方で、自分に厳格な拡大解釈に陥っていると、自分の能力や成果を肯定的に見ることが難しくなります。
過小評価
過小評価は、能力を発揮したり成果をあげたりしても、「大したことがない」と自分を軽んじる状態です。
ひとつの例としては、責任ある仕事を任されても「どうということは無い」と、上司からの良い評価を重要視しないといったように。
自分の成果や成功をあまり気に留めないのが、過小評価という状態です。
もうひとつの例としては、社員全員がおこなうルーチンワークをこなせても「誰でもできる」「みんなやっている」といったように。
自分の行動の結果をないがしろにするのも、過小評価の特徴です。
自分の能力や成果を低く見積もる過小評価に陥っていると、何をやっても成功や満足を実感できないので、自己肯定感もあがらないのです。
自己肯定感が低い人の特徴
自分を肯定できない原因がわかったところで、次は、自己肯定感が低い人の特徴を紹介します。
あなたは、どのような点で自己肯定感が低いと感じているのか?
改善すべきポイントを整理してみましょう。
他人と比べ、自分を低く見ている
自己肯定感が低い人は、他人よりも、自分を低く見る傾向があります。
他人の生活や生き方がうらやましく思え、自分だけが恵まれていなかったり、存在価値がなかったりするように感じがちです。
自分の考えに自信がない
自分の考えに自信がないのも、自己肯定感が低い人の特徴です。
自身がないので、自分の意志で行動したり、発言したりするのが苦手です。
「嫌われたくない」「嫌な気持ちにさせたくない」という気持ちが強いので、まわりの人の顔色を気にしすぎ、自分の思いよりも他人の考えを優先して生きているところがあります。
批判されると落ち込みやすい
勇気を出して、自分の考えで行動したり発言したりしても、他人から批判されると簡単に打ち負かされてしまいます。
厄介なことに、他人から批判されると罪を犯したような気分になり、罪悪感から落ち込んでしまうことも。
また、他人から批判されることが恐く感じると失敗を過度に恐れるようになるため、新たな行動を起こすのが難しくなります。
自己肯定感をあげる方法
では、自己肯定感をあげるにはどうすれば良いのでしょうか?
ここからは、自己肯定感をあげる方法について、お伝えします。
取り組んだ課題の数を数える
自己肯定感をあげるには、些細なことでも、自分が取り組んだ課題の数を数えることです。
そうすることで、「自分は良くやっている」という満足感にひたることができます。
自己肯定感の低い人は、自分のできないところばかりに注目しがちです。
例えば、上司に提出した書類にミスがあった、予定していたタスクをすべて完了できなかった、いつも失敗してばかりだといったように。
これでは、自分が何もできないような人間に思え、気持ちが落ち込んだり、自分を低く見る思考が身についたりしてしまいます。
思った通りの結果でないと自分が頑張ったことにならなければ、いつまでも経っても成功体験を積み重ねることができません。
自分を肯定できるようになるには、成功体験を積み重ね、自分に満足することが大切です。
作業の合間、隙間時間、休憩時間、1日の終わりなど。
自分の頑張りを振りかえり満足感に浸るようにすれば、自己肯定感をあげることができます。
課題を達成した時に自分を褒める
課題を達成した時は、自分で自分を褒めます。
自己肯定感が低い人は、自分の失敗を執拗に責める一方で、自分の成功を認めるのが苦手なところがあります。
失敗すれば自分をとがめ、うまくいっても自分を褒めない…
これでは、自分を肯定できなくなるのも無理ありません。
例えば、仕事で成功した時は、プロジェクトの大小に関わらず、自分に「よく頑張った」と言ってあげましょう。
あるいは、遅刻せず出勤できた、苦手な上司と話ができた、ダイエットのために間食を我慢した、パートナーに料理を振る舞った、落ち込む友人を気遣ったといったように、特別な出来事でなくても事あるごとに褒めてあげると、自分を肯定する思考が養えます。
些細なことでも、課題を達成した時には、自分で自分をねぎらってあげましょう。
課題の成果を他人と比べない
自己肯定感をあげるには、他人と比べないことも必要です。
自己肯定感が低いと、他人と比較することで課題の成果の良し悪しを決めがちです。
こうなると、どんなに頑張って成果をあげても、他人よりも自分が劣っているような気がして、残念な気持ちになったり、落ち込んだりしてしまいます。
逆に、他人と比べなければ、自分の価値基準で成果の良し悪しを決めることができます。
もちろん、「失敗したな」「うまくいかなかったな」と思うことがありますが、自分の価値基準で捉えれば、改善点を考えたり、次また頑張ろうと思えたり、前向きな気持ちで成果を評価できるでしょう。
このように、他人と比べなければ、どのような成果であっても結果を肯定的に捉えられるのです。
自己肯定感をあげて、色々なことにチャレンジする
落ち込んだり、ネガティブな気持ちになったりしやすいと、毎日が生きづらいものです。
自分がダメな人間に思えれば、うんざりすることのほうが多いでしょう。
自己肯定感は、少し意識するだけであげることができます。
自己肯定感があがれば、自分に自信がつき、色々なことにチャレンジできるようになるものです。
日常生活のなかで自己肯定感をあげるために、紹介した方法を試してみてはいかがでしょうか。