「魔法のコンパス」をレビュー!キンコン西野がクリエイターに伝えたいおもしろい生き方とは?
クリエイターとして自信が持てないと、自分の進んでいる道が間違っているように思えるもの。
まわりの人とは違った生き方を選ぶと、共感したりアドバイスをもらったりできないので、自分の生き方に迷うこともあるでしょう。
「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」は、人とはちょっと違った生き方を選んだ人が、自分が選んだ道を進んでいくことに自信が持てるようになる本でした。
実は、僕も会社勤めで体調を崩してからサラリーマンを辞めて、ブロガーやwebライター、主夫として生活するようになりました。
この本は、僕のようにいわゆる「普通の会社員」でない生き方を選んだ人の参考になると思ったので、本の紹介と感想を書いていきます。
「魔法のコンパス」とは?
「魔法のコンパス」の著者は、西野 亮廣(にしの あきひろ)さん。
言わずと知れたお笑い芸人で、「えんとつ町のプペル」なども手がける絵本作家です。
クリエイターのイメージが強いですけれど、『大人の学校「サーカス」』の運営をしたり、クラウドファンディングでフィリピンの子ども達に絵本をプレゼントしたりするなど、さまざまな活動もおこなっています。
その活動の多くが、まだ誰も取り組んだことがない分野への挑戦であり、西野さんについて知れば知るほど、まさに「道なき道の歩き方」というタイトルにぴったりな人です。
「魔法のコンパス」には、そんな西野さんが考える芸人-おもしろい生き方を提案したり、正解がわからないことに挑戦したりしている人-としての生き様が書かれていました。
他の多くの人とは違った生き方をしていると、時には心細くなるもの。
自分の身近な人とは違った生き方を選んだのはいいが、自分のやり方に自信が持てない。
「魔法のコンパス」は、そんな人におすすめです。
ブロガー、ライター、イラストレーター、Youtuber…など。クリエイティブなことを仕事にしている人なら、ぜひ読んでおきたい一冊です。
生きづらさは「問い」を見つけるヒント
人生を賭けるほどの「問い」を見つけるには、居心地の悪い場所に立つ必要がある、というか居心地の悪い場所に立ったほうが「問い」が見つかりやすい。
ときどき「生きづらい世の中だ」と嘆いている人を見ると、羨ましくて仕方がない。「何故、生きづらいのか?」「それを改善するためにはどうすればいいのか?」といった「問い」に囲まれているわけだ。天然でボーナスステージに立ってんじゃん。
西野さんが考えるには、新しい発見をするには物事に対して「問い」を持つ必要があり、「問い」を持つには自分の居心地が悪い場所に身を置いたほうが良いのだそうです。
例えば、3キロのダイエットおこない、痩せた状態を維持し続けると仮定してみます。
すると、痩せた状態を維持するために食べ物のカロリーを気にしたり、歩くことで普段は気づかないお店の存在に気づいたり。
居心地の悪い環境に身を置いたからこそ、気づくこともあるでしょう。
こういった居心地の悪さは、自分の行動を変化させるきっかけになって、新たな発見をしやすい状況にあると言います。
他人とは違った感性を持ったことで、他人と理解し合えなかったり社会の常識が息苦しく感じたりすると、人生が生きづらく感じられやすいです。
僕も、今までは自分の人生の生きづらさを嘆くことがよくありました。
ですが、「生きづらさを分析して、それを解消するための新しい発見をしていく」という視点を知ったことで、自分の生きづらさをおもしろいアイディアの宝庫と捉えられるようになりました。
人と違った「生きづらい環境」を、「アイディアに気づきやすい環境」と考えたみたほうが新しい発見ができるかもしれませんね。
良いことも悪いことも「推進力」
僕は常に“ヨットのように進む”ことを心掛けている。
「向かい風も追い風」という感覚は常に持っておいたほうがいいと思う。それだれで、自分がどこに力を入れたらよいか、が明確になってくる。
自分にとって悪いことが起きると、向かい風を強く感じて心が折れそうになりますけれど、向かい風も上手く使えば自分が成長するきっかけが見つかります。
大事なことは、追い風や向かい風を感じながら進み続けること、それと風の使い方。
西野さんは、これらのことについて「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」の中で、ハロウィン翌日の渋谷でおこなった清掃活動を具体例に挙げています。
テレビでも報道されているように、ハロウィンがおこなわれた翌日の渋谷は、イベントの参加者が残していったゴミで街中が散らかり放題です。
普通なら、「ゴミを持ち帰れ!」と言いたいこの向かい風の中、西野さんが考え出したアイディアは、ツイッターでゴミ拾いの参加者を募集し、集めたゴミでアート作品展を開催することでした。
この活動が功を奏し、渋谷の街中からはゴミがなくなるだけではなく、さらに清掃のボランティアが増えたり、アート作品展が話題になったりなどしたそうです。
つまり、自分にとって良いことも悪いことも使い方次第では、前に進むための力になるということ。
そう考えると、どんな風向きであっても人生を楽しんでいけるのではないでしょうか。
クリエイターの仕事は「人を楽しませる」こと
マネタイズするためにクリエイターがやらなきゃいけないのは、信用を積み重ねること。
クリエイターの信用とは何か?相手を楽しませることだ。
クリエイターの仕事をしていると、仕事が順調な時には夢中になれるのですが、うまくいっていない時ほどお金のことばかりを考えがちです。
サラリーマンのように毎月の給料が保障されているわけではないので、どのようにマネタイズしていくか、お金のことを気にしやすくなるでしょう。
もちろん、西野さんも「お金が不要」とは言っていません。「クリエイターは、お金よりも夢だ!」といった理想論も押しつけてはきません。
むしろ、クリエイターだからこそ、お金に対する考え方を変える必要性があると言っています。
僕は、以前会社で働いていたのですが、サラリーマンの時は待っていても仕事がありましたし、与えられた仕事をするだけでも給料が発生していました。
一方でクリエイターは、お客さんに信用してもらえないとそもそも仕事がもらえないですし、仕事が減れば当然収入も減りました。
こうした現状を踏まえても、クリエイターはお金を稼ぐこと以上に、お客さんの信用を得られることがもっとも重要と考えたほうがいいのかもしれません。
ブログを書くのも、ウェブサイトの記事を寄稿するのも、イラストを描くのも、動画を投稿するのも…。
「クリエイターの仕事は、まずはお客さんを楽しませること」
「魔法のコンパス」を読んで、クリエイターとして新しい生き方に挑戦する「道なき道の歩き方」を教えてもらえました。