うつから抜け出すには?当事者がやってみて良かった方法
薬を飲んでいれば、うつから抜け出すことができるのだろうか?
うつ病から回復したいと思った時、服薬以外に、自分でできることはないか考えますよね。僕は、うつ病になって10ヶ月、うつから抜け出すために、色々なことをやってきました。
「うつ病が治った!」わけではありませんが、現在は、家事や仕事をしたり、趣味を楽しんだり、自分の日常が楽しいと思えるようになりました。そこで、うつから抜け出すために、自分でやってみて良かった方法を紹介します。
「うつから抜け出した」状態とは?
そもそも、うつから抜け出した状態とは、どういうことでしょうか?
一見病気が治ったかのように思える状態を、医学的には「寛解」といいます(寛解は、うつ病の症状や兆候が2ヶ月間認められない状態)。
引用:坪井 康次(2017).うつ病 患者のための最新医学 高橋書店
僕の場合、家事や仕事をしたり、趣味を楽しんだりできるようになった今でも、時々、調子が良くない日があります。例えば…
うつで、調子が良くないと思うとき。
考えがまとまらない
1つのことに集中できない
何をやっても、満足感がない
何かに焦らされている気になる
すぐに疲れる行動できるようになっても、思考が働かない。
— うつ病ブロガー たぐ (@tagweblog) 2018年12月14日
ただ、調子が良くないとは言っても、頭のキレが悪かったり、集中力が続かなかったりする状態で、全く行動できないという日はありません。医学的な「寛解」まではいかないでしょうが、うつうつした気分や不安感がなくなってくると、ずいぶんと生活が楽しく感じられるものです。
そのため、うつうつした気分や不安感がなくなってきて、全く行動できない日がなくなったら、「とりあえず、うつから抜け出した」と考えています。
うつから抜け出すのに、良かった方法
僕が、うつから抜け出すのに、良かった方法を紹介します。「これらをやったら、すぐに良くなる」とは思っていません。そんな方法があったら、全てのうつ病者がやっています。
ここで紹介する方法は、自分で試してみて、うつ病になってからの10ヶ月間を振り返ってみた時に、良かったなと思える方法です。
うつ病になって、うつうつした気分を解消するには、薬が良かった。
不安を軽くするには、呼吸法や瞑想などのリラクセーション法が良かった。
人生を生きやすくするには、認知行動療法が良かった。
自信をつけるには、家事、ブログ、ちょっとした仕事が良かった。
— うつ病ブロガー たぐ (@tagweblog) 2018年12月13日
① 服薬と休息
服薬と休息は、うつうつした気分を解消するために、良かったです。そもそも、うつ状態の時は、薬を飲んだり、休んだりすることしかできないかもしれませんが。
服薬と休息を続けていると、「動きたいな」「何かやってみたいな」という欲が出てきます。こういうのを「意欲」と言うんでしょうね?まさに、意欲が湧いてくると、日常でやりたいことが増えてきました。
特に休むことは、家族に気がねしてしまうかもしれません。僕の場合は、妻が仕事から帰ってくると、「何かやっていなきゃいけない気分」に捕らわれることが多かったです。仕事をしていないと、それだけで引け目を感じますからね。
でも、家族に遠慮せず、好きなことだけしていた方が、結果的に、からだの調子が良くなる気がしますよ。
② リラクセーション法
リラクセーション法は、不安感を軽くする時に、良かったです。
家事や散歩など、自分のやりたい行動ができるようになったのに、不安感が残っている。「何が?」といった対象は不明でしょうが、不安感があると、落ち着かなかったり、ひとつのことに集中できなかったりします。
僕は、不安感をコントロールするために、リラクセーション法を取り入れてみました。不安感で行動できなくなると、余計に気分が悪くなるので、自分で、その不安感をコントロールしたかったんです。
自分で取り入れてみたリラクセーション法は、呼吸法と瞑想(めいそう)。どちらも聞き慣れないと、特殊な方法に思えるでしょうが、うつ病の本を開くと、後ろの方のページで、紹介されていることが多いですよ。
不安な気分になった時に、リラクセーション法を行ってみると、ドキドキ・そわそわした気分が軽くなります。
リラクセーション法は、仕事ができるようになってからも、役に立つと思います。仕事のストレスで調子が悪くなった時には、リラクセーション法をすることで、調子を立て直せることがあるからです。
③ 認知行動療法
僕は、認知行動療法を知ってから、人生が生きやすくなりました。認知行動療法は、自分の考え方の癖を知って、考え方を変えることで、ネガティブな気分にならないようにする方法です。うつ病をはじめ、色々な精神疾患の治療に使われています。
うつうつした気分や不安な気持ちになった時に、認知行動療法を行うと、自分で自分を立て直すことができます。認知行動療法を知れば、日常生活、対人関係、仕事からくるあらゆるストレスを軽く受け流せるようになりますよ。
ただ、認知行動療法の専門書は、自分ひとりで読み込むのが難しいかもしれません。文字数が多いですし、人によっては、表現が難しく感じられるからです。
先日、ツイッターを眺めていたら、マンガで学べる認知行動療法の本が紹介されていました。文字を読むのがきついという場合は、マンガを読んで、一度、認知行動療法を知ってみてもいいかもしれません。
1番面白かった漫画&1番役に立った漫画をブログに書きました!
今年2000冊読んだ中で一番面白かった漫画&一番役に立った漫画 – 鳥本明のブログhttps://t.co/GJYNPWgOR3— 鳥本明@うつ病ブログ飯🍙 (@akiratorimoto) 2018年12月13日
“変な感じで認知のゆがみがあったときに、秒で気づけるようになった”
頭に無意識で湧いてくる考えを「自動思考」と言うんだけれど、ネガティブな自動思考から、自分を守り、気分の落ち込みを防げたわかりやすい表現がこれ。
認知行動療法を知ると、ネガティブな考えから、自力で立ち直れるよ。 https://t.co/KgrzmAkXx9
— うつ病ブロガー たぐ (@tagweblog) 2018年12月13日
④ 家事、ブログ、ちょっとした仕事
家事・ブログ・ちょっとした仕事は、失った自信を回復させるために良かったです。
うつ病になると、「自分には、何もできない」と思う毎日を過ごしますよね。だから、うつ病が回復してきているのに、自分の行動に自信が持てなかったり、思った通りの行動に踏み出せなかったりしやすい。
僕は、仕事をすることが好きだったので、何とか仕事をできる自信をつけたかったんです。ただ、いきなり仕事を再開したら、ストレスで、うつ状態に逆戻りする予感しかしませんでした。
そこで、失った自信を回復するために役に立ったことが、家事・ブログ・ちょっとした仕事です。
レシピサイトを見ながら家族のために夕飯を工夫してみたり、ブログを通して自己表現したりした経験は、「自分にも、できることがある」という自信につながりました。
また、インターネット(クラウドソーシングサービス)を使って、他人のウェブサイトやブログ用の記事を寄稿するなど、ちょっとした仕事をしたことも、本格的に仕事を再開するための自信に繋がったと感じています。
自信が回復すると、他人と関わったり、他人に批判されたりなど、人間関係の恐怖心がなくなります。人間関係の恐怖心がなくなってくれば、仕事を再開する恐怖心も、ずいぶんと軽くなりますよ。
まとめ
うつから抜け出すことができた経験から、試してよかったことを紹介しました。目的ごとに、良かった方法をまとめると…
⇒ 服薬と休息
■ 不安を軽くする
⇒ 呼吸法や瞑想
■ 人生が生きやすくなる
⇒ 認知行動療法
■ 自信を回復する
⇒ 家事・ブログ・ちょっとした仕事
どういった方法が、自分に合うかは、やってみないとわかりません。重要なことは、気になったら試してみることだと思いますよ。