うつ病になってからの貧困と僕らはどうやって戦えばいいのか?
「健康でさえいれば、何とかなる」
最近では、この言葉をよく聞くようになりました。僕もその通りだと思うんですが、いつになったら健康な状態に戻るのかがわからない。それがうつ病という病気だと思うんです。
どんな病気も、治療する時にはからだを休ませる必要があります。でも、からだを休めるのにもお金はかかるし、生活をしていれば色々な出費が必要になってきますよね。
「うつ病なんだから、まずはからだを休めなきゃ!」そんな言葉を聞くと、「たしかにそうだなと思う自分」と「いつまでも休んでられないと思う自分」がいます。みなさんは、どうなんでしょうか?お金の問題を抱えながら、うまく精神を安定させるのは難しいです。
この記事には、貧困の問題を解決する方法は書いていません。むしろ、当てどころがない今の気持ちを共感してほしいと思っています。
うつ病で会社を退職、貧困生活に
僕はうつ病になって会社を退職しました。務めていた会社は転職してから半年も経っていなかったので、休職できる期間が3ヶ月と決まっていたんです。しかし結局、その3ヶ月では体調がよくならず、退職することに決めざるをえませんでした。
よく言えば堅実。悪く言えばつまらない男。趣味にお金のかからない生活をしていたので、会社を退職してからも、しばらく暮らせるだけの貯金はありました。また、妻も正社員で働いていたので、世帯で見ればとりあえず無収入にはならなかったです。
でも、無職の生活をしてみて、「人って生きているだけでお金がかかる」ことを身をもって知りました。住宅ローン、光熱費、食費、子どもの教育費、交際費、その他もろもろ。どんなに節約をしたところで僕の収入がなくなったことは家計を圧迫し、段々と貯金も底をついてききたんです。
5桁の口座残高。カード払いの延滞明細。自分でお金を稼げないし貯金がなくなってくると、僕はお金を使うことがすっかり怖くなりました。本当の貧困とは、生活していく家や食べ物が全くない状態のことを言うのでしょう。ですが、毎日お金のことに迫られ、気持ちに余裕のない生活には、貧しさを感じずにはいられませんでした。
とりあえず、働けるようにはなったが
最近では少し働けるようになって、フリーのwebライターをやるようになったんですけど、収入はサラリーマン時代の10分の1。仕事の内容によっては、時給換算で高校生のアルバイトよりも低いことがあって、自分でも「何しているんだろう?」と自己嫌悪に陥ることがよくあります。
うつ状態の頃に比べれば、働けるだけで素晴らしい。そう思えている反面でお金という現実的な問題を前にすると、夫として、父親として、家族に対してやるせない気持ちでいっぱいになるんです。きっと、うつ病になったお父さんは、同じような気持ちになっているのではないでしょうか?
現在の我が家は、僕が主夫業の多くを行っています。だから、収入の悩みが浮かんだ時には「僕は主夫業もしてる!」と自分を励ましてみるんですが、どこか自分の気持ちを装っているような気がして。本当のところは、自分の稼いだお金で家族に何もしてやれないことが歯がゆいんでしょうね。
思ったように働けない
うつ病になって知ったことは、「動ける」と「働ける」は違うということです。病気が回復している実感があっても、思ったように働くことはできませんでした。
仕事をしてみても集中力が続かない、すぐに疲れてしまう。うつ病が回復してきたとは言え体調には波があって、調子が良いと言える日はたまにしかありません。調子が悪くて、報酬が良い仕事を断ったことが何度もあります。
何でもかんでも病気のせいにするのはよくないかもしれませんが、実際にうつ病になってからは、仕事量をこなしていけるだけの集中力も、精神力もなくなってしまいました。
ただ、そんなことを嘆いたところで誰かが助けてくれるわけではありません。自分の体調と付き合いながら、今の自分に合った仕事のやり方を見つけていくしかないんですよね。
働きたい気持ちがあっても、思ったように働けない。うつ病の診断を受けて1年が経ち、死にたい気持ちはすっかりなくなりましたが、どこか日々の生活に虚しさを感じます。
うつ病になると貧困から抜け出しにくい
会社に比べたら自宅の方がずっと仕事がしやすいと思っていましたが、環境を変えても病気の影響は強く残っていました。
自宅の環境では休みたい時に休めるし、自分のペースで働くことができるので、たしかに働くこと自体は楽になったんです。ですが「生活をしていくための収入」と考えると、仕事量をこなしていくだけの働きがなかなかできません。そうは言っても待ってくれないのが支払いです。
うつ病になるとお金の問題に焦りを感じながら、そしてそれをごまかしながら自分の体調にあわせて仕事をしていくことが求められている。そう思うのは僕だけでしょうか。
僕らはどうやって戦えばいいのか?
この答えは今の僕にはわかりませんし、そもそも答えなんかなくて、色々なアイディアを知りながら自分に合うものを作っていくものなのかもしれません。
同じ病気であっても、抱えている背景は色々だと思います。どのくらいの生活に、困窮さを感じるかも違うでしょう。ですが、「同じような人もいる」ことを知ることで、共感や安心感に繋がればと思うんです。
とりあえず、いま思うところを書いてみました。