樺沢紫苑著「頑張らなければ、病気は治る」をレビュー!40万人が支持する心が楽になる方法とは?
精神疾患を患っている方のなかには、思ったように体調が良くならずに悩んでいる人も多いでしょう。
自分なりに療養をがんばっているのに、調子が良くならなければ気持ちも疲弊していくものです。
ただ、その「頑張り」は、逆に病気を長引かせる原因になるんだそう。
先日、僕は「頑張らなければ、病気は治る」という本を読みました。
この本を読んだきっかけは、僕自身が体調の波や療養生活に疲れを感じていたからです。
元気な頃に戻りたいという思いから頑張りすぎても、日々の生活に疲弊してしまっては元も子もありませんよね。
「頑張らなければ、病気は治る」は、長い療養生活と気楽に向き合えるようになる一冊です。
病気と闘うことに疲れを感じているとしたら、ぜひ参考にしてみてください。
「頑張らなければ、病気は治る」
この本は、精神科医の樺沢 紫苑(かばさわ しおん)医師が書いた本です。
樺沢医師は、精神科医として約30年のキャリアがあり、現在ではフェイスブックやYoutubeなどを使って、心理学や脳科学に関する知識や情報を発信する活動もおこなっています。
樺沢医師のもとには、何年も通院しているにも関わらず、なかなか病気が良くならない方から多くの相談が寄せられるのだそう。
相談者の共通点は「頑張り続けている」こと。
病気と闘ったり、自分の生き方を反省したりしすぎていることが、結果的には回復を長引かせると言います。
「頑張らなければ、病気は治る」は、頑張っているにも関わらず、体調が良くなっていかない人に向けて、病気と向き合ったり療養に専念したりするための考え方を紹介した本です。
心理学や脳科学的な根拠を使いながらも、わかりやすい言葉で説明されているので、専門的な知識がなくても、読書が好きな方には読みやすいでしょう。
僕は、この本を読んでみて、どうしてもこのブログでシェアしたい3つの内容があったので、感想を含めて書いていきます。
闘病を頑張らない
闘うほどストレスは増え、免疫力も自然治癒力も低下し、病気は悪くなるのです。闘うことでストレスホルモンと呼ばれるアドレナリンやコルチゾールが分泌され、身体に様々な害を引き起こすからです。
素人には、からだの中でどのような作用が起きているかはわかりませんが、たしかに病気のことを考えている時って、イライラしやすいです。
「なぜ病気になったのか」「どうしたら治るのか」などと考えるほど、からだに関する不安や将来に対する焦りを感じやすいものなのでしょう。
逆に楽しい時間を過ごしたり、好きなことに没頭したりしている時は、気がつくと気分が良くなっていることも多いように思います。
僕の場合は、ブログを書くことが好きなんですが、パソコンでキーボードを叩いている作業に没頭している時は、病気のつらさも忘れています。
人によって、没頭できることは違いますが、からだのためには、自分の楽しいことや好きなことをおこなっている時間を増やすと良いのかもしれませんね。
「自分を責めること」を頑張らない
病気になったのは、「あなたの責任」ではありません。仕事をしすぎた。睡眠不足になっていた。食事や生活が不規則だった。そうしたものが、病気の原因として関係していたかもしれません。
ですがそれは、すべて「あなたの行動」です。あなたの「人格」や「人間性」に問題があったわけではない。正すべきは、「あなたの行動」です。
病気になると、症状によるつらさに加え、精神的な悩みもつきものです。
例えば「自責感」。
病気は、色々な原因が重なって発症するのでしょうが、自分の「人格」や「人間性」に原因を追求してしまうことも多いです。
・精神的な弱さがあったのか
・ストレスを溜めやすいところがあるのか
・怠けているだけなのか
といったように、自分のことを否定的に見はじめると、「自責感」が湧いてきてつらくなります。
また、病気になって仕事や家事などが思ったようにできなくなるから、家族や同僚に対する「罪悪感」も湧いてきます。
まわりに迷惑をかけているように感じると、自分がお荷物になっていると思えるでしょう。
僕も、病気になって自分を責めたり、他人から責められたりするような感覚を持つことがよくあったので、樺沢医師の考えを聞いて心が“ホッ”としました。
-あなたの「人格」や「人間性」には、問題がない-
この一言があるだけで、自分の存在を肯定的に見ることができ、気持ちが楽になる人も多いのではないでしょうか。
完全に治そうと頑張らない
「完全に病気を治す」を目標にしてしまうと、いつまで経っても病気は治りません。「今よりよくなる」を目標にすると、病気はどんどん治っていきます。
当事者なら、病気の完治にこだわりたくもなるはず。
ただ、風邪などのような病気と違って、精神的な病気は、回復に時間がかかることのほうが多いとも言われます。
健常な頃を100点とすると、療養生活でいつも100点を目指していたら、疲弊するのも無理がないのかもしれません。
というのも、精神的な病気になると高得点をとれる日のほうが少ないですし、そもそも自分の100点がどういう姿だったのか、判断が尽きにくいこともあるからです。
樺沢医師は、読者に「健常な頃と比べるよりも、病気になった直後の自分と比べたほうが良い」とアドバイスをしています。
これは、発病直後はもっとも体調が悪い状態であるから、その時期といまの状態を比べると、常に変化を感じやすいという理由からです。。
療養生活では、100点を目指し続けるよりも、毎日のちょっとした変化を喜ぶようにしたいものです。
頑張らなくていい
当事者であれば、誰もが病気を治したいと思うものでしょう。
でも、その強い思いが、逆にからだの回復を遅らせている可能性もあるようです。
つらい状態が長引いているのであれば、病気との向き合い方を変えたほうが良いのかもしれません。
頑張らずに、病気や自分の人生と向き合っていきたいものです。