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「仕事休んでうつ地獄に行ってきた」をレビュー!元日テレキャスターがうつ病から学んだこととは?

2021/10/08
 
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webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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先日、元日本テレビニュースキャスターの丸岡いずみさんが執筆された著書「仕事休んでうつ地獄に行ってきた」を読みました。

僕がこの本を読んだきっかけは、うつ病を患った方の体験談やその後の人生について知りたかったからです。

この本には、うつ病の当事者が共感できるつらさや病気をきっかけに変化した人生観などについて書かれていました

当事者にしかわかりにくい療養の苦悩や社会復帰への考え方が述べられており、参考になる部分が多かったです。

この記事では「仕事休んでうつ地獄に行ってきた」から学ぶことができた3つの教えを書いていきます。

仕事休んでうつ地獄に行ってきた

まず最初に、筆者の丸岡いずみさんについて紹介します。

この本に出会うまで、僕は丸岡いずみさんのことをほとんど知りませんでした。

本書の前半では、丸岡いずみさんの人柄や仕事の経験が書かれています。

筆者の働きぶりがわかったほうが「仕事休んで」のイメージもしやすいと思うので、以下に前半部分の見出しを書き出してみました。

・家電営業職のつもりが地方局でアナウンサーに ー 北海道で“アイドルアナ”になる
・ひきこもりの女の子を2年半にわたって取材 ー ライフワークにしたいテーマと出会う
・フリーキャスターとして東京へ ー その後、29歳で日本テレビの報道記者に
・どうして私が警視庁捜査一課の担当に ー 夜討ち朝駆けに明け暮れる日々が始まった
・黒ずくめの服装にノーメイクで刑事に聞き込み ー いつ寝るかいつ食べるか、それが問題だ!
・凶悪事件の現場も根性で取材 ー 特ダネを取ると達成感に満たされた
・ディレクターからアシスタントプロデューサーに ー 多忙な中、早稲田大学大学院に通い始める
・予算管理ができなくて、更迭!4番組かけもちの後、花形看板キャスターに

(引用 丸岡いずみ(2013):仕事休んでうつ地獄に行ってきた.主婦と生活社

うつ病になるタイプはまじめな性格の人が多いと言われていますが、仕事の経験を見るだけでも、丸岡いずみさんが一生懸命にがんばる人だったことが伝わってきます。

エネルギッシュな働きに加え、さらに向上心を持って大学院へ進学されている経験には驚かされます。

本のタイトルに「仕事休んで」と付けているのも、丸岡いずみさんがそれだけ仕事に価値を置いてがんばってきたからなのかもしれません。

どんなにエネルギッシュに働けていた人でもがんばりすぎればうつ病になってしまう。

うつ病になると病気になった自分を責めてしまうこともありますが、活躍されていた著名人の体験談を聞くと勇気がもらえますよね。

他人の目を気にせずに自分の人生を楽しむ

よくよく考えてみると、他人から「順風満帆な思い通りの人生を歩んでいる人」と、羨望の眼差しで見られていることを、かなり意識していたのですね。

「丸岡さんって、本当に幸せな人だよね。羨ましい」と思われることに、重きを置いていたところがあったのですよ。

…中略…

今は、他人から「幸せな人ね」と羨ましがられるより、自分が幸せと感じるほうを向いて歩いています。

(引用 丸岡いずみ(2013):仕事休んでうつ地獄に行ってきた.主婦と生活社

僕も他人の目を気にして生きてきた感覚には、とても共感できるんですよね。

うつ病はまじめな人がなりやすいと言われますけれど、まじめな人は子どもの頃から他人の模範になるような生活をしてきた傾向があるように思います。

丸岡いずみさんも学生時代は学級委員、社会人になってからは仕事の責任を全うする中で他人の目を気にする傾向があったそうです。

他人の目を気にしていると、いつの間にか自分の能力を超えてがんばりすぎてしまうことが多く、無理をしすぎたり疲れきったりしてしまうことも多いです。

でも結局のところ「幸せ」って自分で決めることですから、他人の目を気にしていたところで本当の幸せを感じることはできないんですよね。

「他人の目を気にしてまでがんばらない」と思えたことは、うつ病の回復だけではなく、自分の人生を楽しむにも重要な視点だと思います。

自分で腹をくくるしかない

血液検査で、「○○の数値が高いから、あなたはうつ病です」と、はっきりと説明されるのならすごく分かりやすいけれど、そういうわけにもいかないので、自分で腹をくくるしかありません。

受け入れたら病気と向き合えるし、それこそが回復に向かう第一歩なのではないでしょうか。

(引用 丸岡いずみ(2013):仕事休んでうつ地獄に行ってきた.主婦と生活社

睡眠や食事などが満足にとれなくなり仕事もできない状態になれば、休みの必要性を実感して療養に専念しようと思えるでしょう。

ところがうつ病が回復してきてからだが動けるようになると、「もう大丈夫」と思ってがんばりすぎてしまうことも多いんですよね。

だって、寝たきりだった時間を取り戻したいし、まわりの人に迷惑をかけたくないし、迷惑をかけた分の恩返しがしたいし…。

でもうつ病が治っていないと、思ったようには動けません。

がんばりたいのにがんばれないもどかしさがあると、自分のうつ病はやっぱり「病気」ではなく「甘え・怠慢」と思えてくるから困ったものです。

からだは動くのに仕事もプライベートもがんばれない。うつ病が完全に回復するまでには、そういったもどかしさを感じることも多いです。

自分で腹をくくるしかない

休んでいると世間体などが気になって仕方がない時もありますが、肝心なことは自分がどう感じているのかなのかもしれません。

自分で休みが必要と感じているのなら、それは「いまは焦らず療養しろ」というからだからのメッセージなのではないでしょうか?

先入観や素人アドバイスは捨てる

精神科の先生から聞いたのですが、たとえば近所のおばさんに、「そんなね、お薬じゃなくて、旅行にでも行ってみるとか。ぱっとカラオケで歌ってくるとか。そういうのが大事なのよ、息抜きが。」なんて言われると、途端に薬を飲むことをやめてしまう患者さんがすごく多いのですって。

(引用 丸岡いずみ(2013):仕事休んでうつ地獄に行ってきた.主婦と生活社

こういった先入観や素人アドバイスは、僕にも経験があります。

僕の場合は仕事で付き合いのある医療関係の方から、「うつ病は薬では治らない」と言われました。

その時は、根拠のない理屈が真実のようにも思えたんです。

というのも、うつ病は薬を飲んだからといってすぐに治る病気ではないですし、回復を感じにくい時期も長いので薬の効果を疑ってしまうこともあったからです。

自分が治療に対して疑心暗鬼になっていると、薬不要論が真実に思えてしまうこともあるでしょう。

でも以前に精神科医の本にも書いてあったのです、うつ病がよくならない人の多くは薬を勝手にやめてしまっていることが多いのだそうです。

抗うつ薬がからだに合う合わないはあるかもしれませんが、服薬治療は多くの良い結果が出ているからこそ標準的な方法になっているのだと思います。

いまは副作用や依存性が少ないように薬も進歩しているので、先入観や素人アドバイスで自分勝手に減薬や断薬をすることが良いとは思えません。

これは本当に気をつけるべきことです。

丸岡いずみさんの本から学べた3つの教え

「仕事休んでうつ地獄に行ってきた」を読んで、僕が学べた3つの教えをまとめます。

① 他人の目を気にせずに自分の人生を楽しむ

② 自分で腹をくくる

③ 先入観や素人アドバイスは捨てる

この記事を読んでいる方のなかには、うつ病のつらさを共感できなかったり身近な人に相談できなかったりして、ひとりで悩みを抱えている方も多いでしょう。

うつ病はまわりと共感や相談がしにくいことから心理的・物理的孤独感を持ちやすいので、より病気のつらさを感じやすいという特徴がありますよね。

この本は、ひとりでつらい気持ちを抱えている当事者の方におすすめしたいです。

同じうつ病だからといって症状や環境などは違うことも多いでしょうが、当事者にしかわからない気持ちもあるので、励ましや勇気をもらる体験談になると思いますよ。

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