うつ病の再発を予防するには?気になる再発率や予防方法を紹介
うつ病を発症した人からすると、再発の恐怖心はつきもの。
せっかく回復したのにも関わらず、またつらいうつ状態に戻ってしまう可能性を考えると、誰でも不安になるでしょう。
実は、僕自身にはうつ病を再発した経験があります。
再発してからは憂うつ感や不安感などの症状が重く、はじめてうつ病を発症した時よりも仕事や日常生活に支障がありました。
「うつ病の再発を予防するには、どうすれば良いのか?」
ここでは、再発に不安な気持ちを持つ人に向けて、自分の経験を踏まえながら、うつ病の再発率や予防方法について紹介します。
目次
うつ病の再発率は「60%」
日本産業カウンセラー協会が開設したホームページ「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト『こころの耳』」によると、うつ病の再発率は60%と言われています。
うつ病の特徴は、発病をくり返すたびに再発率が高くなっていくことです。
ですから、一度うつ病を発症した人は、できるだけ再発しないように注意しながら生活をしていくことが大切です。
再発した時に見られる症状
再発率が60%ある病気と言っても、再発の兆候を知っていれば、早めに休息をとったり治療したりなどの対応ができます。
自分で再発の兆候に気づけるようになれば、気持ちも楽に保ちやすいでしょう。
東邦大学の名誉教授であり心療内科医の坪井 康次によると、一般的にうつ病を再発する時には、はじめてうつ病を発症した時と同じような症状が見られると言います。
一度うつ病になった人は、同じような状況におちいった時に再発しやすく、また初期症状も同じような形であらわれることが多い。
例えば、うつ病を発症した時に眠れない日が続いたり、イライラした状態が多かったりした人では、再発前後にはそれらの症状が見られるのだそう。
もちろん、人によっては、はじめてうつ病を発症した時とは違った症状が見られることもあります。
いずれにしても、うつ病の再発を疑った時には自己判断をせずに、精神科や心療内科を受診して、専門家の意見を聞くようにしたほうが良いでしょう。
再発を予防するためにできること
では、うつ病の再発を予防するには、どのようなことに注意をすれば良いのでしょうか?
仕事よりも睡眠や休息を優先する
日本うつ病学会が発表している「うつ病治療ガイドライン」によると、うつ病の人のほとんどが睡眠に何らかの問題を持っているようです。
ある研究によると84.7%の人に不眠の症状が見られたのだとか。
また、一般的にうつ病はまじめな性格の人に多く、仕事を一生懸命にがんばりすぎるタイプの人が発症しやすい病気です。
こうしたことを踏まえると、仕事を熱心になりすぎて睡眠や休息の時間を削る人ほど、再発の可能性が高くなりやすいと言えるのではないでしょうか。
つまり、うつ病の再発を予防するには、仕事よりも睡眠や休息を優先した生活リズムが大切です。
うつ病を発症した時の症状と状況を整理する
再発する時には、はじめてうつ病を発症した時と同じような状況で、似たような症状が見られると言われます。
そこで、うつ病を発症した時の状況や症状を整理しておくと、自分で再発の兆候に気づけ、早い段階で適切な対処がしやすくなるでしょう。
例えば、僕の場合は、うつ病を発症した時の状況や症状を次のように整理していました。
・眠れなくなった、眠ってから何度も目が覚めた
・憂うつな考えばかりが頭に浮かんだ
・仕事中に、何をして良いかわからなくなった
・何をしても集中できなくなった
・何をしていても、理由がはっきりしない不安な気持ちにかられた
・職場にいると、同僚から常に監視されているように思えた
・自分が何か悪いことをしているような気持ちになった
など
このような状況や症状が見られたことで、僕はうつ病の再発を疑い、自分の判断で精神科を受診し重症化を防ぐことができました。
人によって、どのような状況や症状で再発するかは変わってきますが、早い段階で適切な対処をするには、うつ病を発症した当時について整理しておくことをおすすめします。
再発を疑った時には受診する
うつ病を経験している方のなかには、症状が見られるにも関わらず、「甘えているだけ」「怠けているだけ」などと考えて、再発を認めたくない人もいるかもしれません。
誰でも、自分のことを健康な状態と思いたいですし、病気が理由でまわりの人たちに迷惑をかけたくないものです。
しかしながら、実際に再発した立場からすると、うつ病の症状が出はじめている段階では、自分ひとりで解決できない問題も多いです。
最近では、書籍やウェブサイトで「うつ病は自分で治す」や「薬を使わずに治す」などといった情報を目にする機会も増えました。
ただ、うつ病の症状によって考えたり、冷静な判断ができなかったりする状態で、治療について自己判断をするのは危険ではないでしょうか。
再発の兆候が見られた時には、受診できる討ちに通院をして、専門家の意見を聞きながら早めに治療と向き合いたいものです。