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うつ病の僕が植物を育ててみて感じたメリットとおすすめの育て方

2021/10/07
 
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webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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「植物を育てることは、うつ病にどうなのか」。自然と触れあうことは、経験的には精神的にいい効果がある印象がありますが、実際のところはどうなんでしょう?

 

 

 

 

僕はうつ病になってから植物を育てはじめたんですけれど、植物を育てることでうつや不安の症状が軽くなったり、からだを動かす機会になったりと。うつ病のからだには、色々な良い影響があるそうなんです。

 

 

 

 

ただ、からだに良い影響があるとわかったところで、どういった方法で育てればいいか?何か特殊な方法があるものなのか?など。実際に植物を育てるイメージはつかないかもしれません。

 

 

 

 

そこで、うつ病の僕でもはじめることができた方法や体験を紹介します。「園芸」や「ガーデニング」のように、立派なものでなくても大丈夫です。この記事を読んでもらえれば、うつ病の時に植物を育てるメリットであったり、自分で植物を育てるイメージが持てたりするでしょう

 

植物を育てることは、精神的健康にいい影響がある

まず、そもそも植物を育てることには、どういった良い影響があるのかということですが、ある研究では、うつや不安症状などの改善に効果があるという結果が得られたそうです。

 

ガーデニングは、うつ・不安症状、ストレスの低下など、心身の健康の向上に役立つことがわかりました。特に、身体的な健康に比べると、精神的な健康の方がよりガーデニングと強い関係があることが示されました

曽我ら(2016):ガーデニングは健康に資する:メタ解析による検証.Preventive Medicine Reports(電子版)

 

 

また、通院治療では、植物を使うことはなかなかないでしょうが、植物を育てることは「園芸療法」・「作業療法」などといった形で、うつ病の入院治療やデイケアなどの活動によく利用されています。

 

 

 

自分で植物を育てる時には、「精神的に何かしらいい影響があるんだな。」といった認識で大丈夫です。というのも、難しく理解しようとするよりも、実際にやってみた時には自分で体感できることが多いと思います。

 

植物を育ててみて感じた4つのメリット

僕の場合は植物を育ててみて、4つのメリットを感じました。体験することで感じるメリットを知れた方が、植物を育てる良さが伝わると思うのでここで紹介します。

 

① 活動する機会が増える

まず、植物を育てはじめると活動する機会が増えます。植物を育てる工程をざっと挙げてみても…

 

 

● 何を育てようか計画する
● お店に買い物に行く
● 道具を買う
● 植物を植える
● 水やりをする
● 雑草をとる など

 

 

色々な活動が必要です。とはいっても、初心者向けの育てやすい植物を選べば複雑な作業は必要ありません。うつ病の場合、頭の中で考えがまとまらず複雑な作業が行いにくくなる症状が出ますが、そういった症状があっても植物は育てやすかったです。

 

 

② 生きている実感が湧く

植物を育て始めると、太陽にあたる時間やからだを動かして汗をかく機会が増えます。やや大げさに聞こえるかもしれないですが、死ぬことばかり考えていたうつ病人にとっては、自然の中で感じるそういった刺激が、生きている実感であったり、充実感であったりを感じさせてくれている気がしました

 

 

 

 

また、どんな植物も1日で育つことはまずありません。育てている植物がどんな状態になっているのか?次の日に楽しみが増えることも、植物を育てる良さではないでしょうか。

たぐ
少しだけ、心配事も増えますけどね。

 

 

③ 自己満足ができる機会になる

植物を育ててみて気づいたことは、育てること自体では誰も喜ばないのにも関わらず、自分だけは喜び、充実感を感じられることでした。「圧倒的な自己満足」、個人的にはこれがうつ病の時に植物を育てる最大のメリットだと思います

 

 

 

 

自分を棚にあげるようですが、うつ病になるようなまじめで一生懸命なタイプの人は、いつも「誰かのために何かをしなきゃいけない」気持ちでいることが多いです。だからうつ病になって仕事をしたり、お金を稼いだりできなくなると、家庭や社会に貢献できていない自分に、罪悪感や自己嫌悪感を感じやすいんでしょう。苦しいですよね。

 

 

 

 

でも、そういった「誰かのために何かをしていなきゃいけない」価値観を変えないと、うつ病が回復してきたところでも、すぐに無理をして調子を崩すと思うんです。

 

 

植物を育てることは、誰かの評価がなくても自己満足だけで幸せを感じられる練習になりましたよ。

 

 

④ 失敗しても気分が落ち込まない

植物を育てることは、家事や他の趣味に比べると失敗した時に気分が落ち込みにくいです。というのも、そもそも植物を育てた経験がなければ何が失敗なのかいまいちわかりませんし、失敗に感じても「やったことがないからしょうがない」と割りきれます

 

 

 

 

些細な失敗をしたことで、からだを動かせなくなるくらい気分が落ち込む状態がうつ病です。ですから失敗を怖がらずに、自分の好みで行いやすい活動だと思うので、「植物を育ててみたい」、あるいは「何もやることがない」という人にはおすすめします。

 

 

 

ちなみにデメリットは、雑草の管理や害虫、それとちょっとだけ費用がかかることなどがあげられますが、植物が嫌いでなければいずれも気にならないでしょう。

 

育てるなら「初心者向きの植物」がおすすめ

植物には色々な種類があるようです。例えば、種をまきさえすれば育つものであったり、温度や害虫の丁寧な管理などが必要なものであったり。植物によっては、考えただけで育てる作業が億劫に感じてしまうかもしれません。

 

 

 

 

そこで、育てるなら「初心者向きの植物」がおすすめです。どういった植物が初心者向きかという定義はわかりませんが、次のような作業だけで育つ植物であれば、うつ病の時でも気軽に始めやすいし、育てやすいと思います。

 

 

● プランターに土をいれる

● 種をまく

● 水をあげる

● 勝手に育っていく

たぐ
この作業だけで育つ植物は、からだが動くようになってくれば、うつ病の時にも育てやすいです。

 

 

 

季節によって育てられる植物は違ってくるので、どのような植物が育てられるか知るためには、インターネットの検索窓に「○月 野菜」または「○月 花」と入力してみてください。検索で出てきたいくつかのサイトを見て、自分が興味を持てた育てやすい植物を選んでみると良いですよ。

 

植物を育てるには?-僕がやってみたこと-

ここからは実際に、僕が植物を育てる様子を紹介します。写真で見た方が、自分で育てるイメージも湧くと思うので、気楽な気持ちで参考にしてみてください。

 

 

【作業1 育てる植物を決めた】

まずはインターネットで検索して、自分で育てる植物を決めました。僕が植物を育てようと思ったのは3月だったので、調べてみると「葉物野菜」の種まきに向いている時期であるとわかったんですね。そこで、100円均一で種が売っていた「ベビーリーフ(レタスのような野菜)」を選びました。

 

 

 

 

僕は性格がせっかちなところがあるので、種をまいてから収穫までに期間が少ない野菜が良いと思ったんです。収穫までの期間が長いと、根気が続かないかもしれません。「ベビーリーフ」であればほとんど種をまくだけで育ち、種まきから1ヶ月くらいで収穫が可能です。

 

 

 

 

下の写真は、種をまいた時と種まきから2週間くらい経った時の写真を比較したものになるのですが、素人の僕が育てても簡単に芽が出ました。

 

 

たぐ
少しでも自分で手がけた植物なので、芽が出た時には、「おぉ~!?出た!!」と感動できました。ちょっとしたことですが、自分でやれたことを考えると、達成感や自信が湧いてくるような気がしています。

 

 

【作業2 道具をそろえた】

植物を育てるためには、最低限、次の道具が必要です。

● 土

● プランター

● 種

 

いずれの道具も100円均一で売られていますが、土だけはホームセンターなどで購入した方が良いかもしれません。100円均一で売られている土は、プランターの種類によっては量が少ないです。

 

 

 

 

また、土には色々な種類がありますが、おすすめは「培養土(ばいようど)」です。袋に「培養土」と書かれた土であれば、肥料や有機物などの植物を育てるために必要な成分が含まれているので、これひとつがあれば植物を育てられますよ。

 

 

 

 

うつ病の時は、物事を始める前から不安や心配事を考えてしまうことが多いので、できるだけ簡単に、少ない作業で始められることが重要です

 

 

 

【作業3 育てる環境をつくる】

といっても、適度に日のあたる場所に、買ってきたプランターを置き土を入れて種をまくだけです。初心者向けの植物であれば、その後は水をあげたり、雑草をとったりしていけば勝手に育ちます。このあたりの手軽さも、植物を育てる良さかもしれません。

 

 

 

 

育てる手間が少なくても、毎朝水をあげたり、成長の様子を見たりするような日課が増えました。うつ病で療養していると、できることが少なくなるでしょうから、こういったちょっとしたことでも、自分の役割ができたように思えると嬉しいです

 

まとめ

一般的には、植物を育てることにはうつや不安症状が軽くする効果があると言われていますが、自分で育ててみて一番よかったことは、「誰かのために何かをしていなくても幸せを感じられる」といった価値観に気づけたことです。

 

 

 

 

仕事や家事など、誰かのためにがんばろうとしている限り、早く仕事に戻らなきゃと気持ちが焦ったり、無理をしてがんばり過ぎたりするものでしょう。植物を育てることには、そういった自己を犠牲にしやすい価値観を変えられる効果もあるように思いました。

 

 

 

 

うつ病が回復してきて、暇を感じてきたり、何かをしてみたいと思えてきたりしていたら、植物を育ててみてはいかがでしょうか。

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