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うつ病を抱えながら再就職|不安を感じる当事者が働く前に知っておくべきこと

2021/08/27
 
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webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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うつ病で離職すると、再就職には悩みがつきものです。

うまく働くことができるか考えると、不安になることも多いでしょう。

無理をして働いても上司や同僚に迷惑をかけたり、うつ病が再発したりしてしまうかもしれません。

体調が完全に戻っていない状態で、どのような点に注意しながら再就職すれば良いのでしょうか?

ここでは、うつ病の当事者に向けて、働き方や再就職のポイントについて紹介します。

再就職の不安が少しでもやわらげば幸いです。

再就職はフルタイムにこだわらない

「就職」というと、正社員のフルタイム勤務をイメージする人もいるでしょう。

特にサラリーマンをしていた人は、発症前のように働きたいと考えていきなりフルタイムを目標にしがちです。

ところが、うつ病になると毎日の長時間労働に耐えられなくなるので、「フルタイムで再就職する」という目標を達成できないことも少なくありません。

うつ病では、次のような理由からフルタイムで働くことが難しくなります。

 

・体調を崩す日が多い

・仕事に自信を失っている

・働く感覚を忘れている

・やる気や集中力が長く続かない

・人間関係に気疲れしやすい

・長時間労働に耐えられる体力がない

 

うつ病の人には、このような問題がつきものです。

もちろん人によって状況は変わってきますが、体調が完全に回復していないとフルタイム勤務が不安に思えて、再就職のハードルが高く感じられてしまうでしょう。

せっかく働きたい意欲が湧いてきたのに、再就職をあきらめてしまっては元も子もありません。

そこで、再就職に不安な時には、いきなりフルタイムを目指すのではなくパート・アルバイトでの仕事復帰を検討してみるのも大切です。

正社員に比べるとパート・アルバイトは給与・待遇が下がる傾向にありますが、うつ病の人が再就職する時には色々なメリットがあります。

例えば、パート・アルバイトなら会社と雇用契約書を交わさなくても良いので、体調を崩して退職をくり返す事態になっても毎回手続きが少ないです。

また、労働時間やシフトに融通が利きやすいので、勤務時間を短くできたり休みもとりやすかったりするでしょう。

ほかにも、責任ある仕事は正社員がおこなってくれるので、パート・アルバイトなら仕事のプレッシャーも感じにくいです。

このように、パート・アルバイトは正社員よりも仕事で拘束されたり、責任を持たされたりすることが少ないのが特徴です。

ですから、パート・アルバイトで仕事復帰を考えると再就職のハードルが低く感じられるでしょうし、仕事に対する不安もやわらぐでしょう。

うつ病で再就職する時には雇用形態にこだわらず、「とりあえず働けること」を目標にしてみてはいかがでしょうか。

うつ病の人に向いている働き方

うつ病で再就職する時には、どのような点に注意して仕事を選べばいいのか。

働き方に悩んでいると、自分に合った仕事を選ぶことができないものです。

そこで、これからの働き方に悩んでいる時には次の4つのポイントを目安に仕事を選んでみると良いでしょう。

勤務時間が短い

勤務時間が短ければ、仕事のプレッシャーやストレスにさらされる時間が少なくなるので翌日まで疲れが残りにくいです。

調子を崩した時にも、勤務時間が短ければ非常事態を切り抜けやすいでしょう。

1日は無理でも、半日だけなら頑張れるということも。

また、うつ病の後遺症で意欲や集中力が長続きしない人にとっては、長い時間仕事と向き合っているだけでも苦痛です。

そのため、再就職をする時には勤務時間が短く残業のない求人を選ぶことをおすすめします。

休憩がとりやすい

しっかりとした休憩がとれると、仕事で溜まった疲れやストレスをリフレッシュすることができます。

休憩時間がとりやすいのはもちろんですが、うつ病の人には意外と休憩場所が大切です。

公園で休めたり、長いすで横になれたりなどすると、気分をリフレッシュしやすいもの。

特に仕事で不安を感じた時には、人の視線がない環境で休憩できたほうが気分を落ち着かせやすいです。

職場を見学したり、採用面接を受けたりする時には、スタッフがどこで休憩をとっているのか採用担当者に聞いてみましょう。

業務内容が単純作業のくり返し

複雑な作業に比べると、単純な作業は集中力や記憶力を必要としません。

また単純作業のくり返しであれば、業務内容に慣れやすいです。

なぜ集中力や記憶力を必要としなかったり、慣れやすかったりする単純作業のほうが良いかというと、うつ病になると頭の働きが鈍くなるからです。

なかでも、集中力や記憶力は寛解期の人でも低下している場合があると言います。

例えば、

・デスクワークでは同じような内容のデータを打ち込む

・軽作業では同じような梱包業務をおこなう

・小売業では裏方で商品管理に徹する

・医療福祉業では清掃やベッドメイクの業務を担当する

など。

「考える作業が少ない」ほど、スムースに業務がおこないやすいです。

仕事復帰直後は、業務内容が単純作業のくり返しである仕事を選んでみてはいかがでしょうか。

通院が続けやすい職場

再就職先を探す時には、通院がしやすい職場を選ぶのもポイントです。

働き慣れてきたり、仕事が忙しくなったりすると通院するのが面倒に感じられる場合があります。

というのも、仕事が中心の生活になる頃にはうつ病の状態もずいぶんと寛解してくるので、再就職時よりも治療や通院の必要性を感じなくなるからです。

しかしながら、仕事ができるようになったからと言ってうつ病が完治したわけではないので、自己判断で服薬や通院をやめてしまうことは危険です。

実際にうつ病の再発率は約60%と言われますし、再発しないためにも主治医が判断するまで治療を続けたいものです。

仕事をしながら無理なく通院を続けるには、自宅や病院の動線上にある職場を選ぶと良いかもしれません。

通勤する「ついで」、帰宅する「ついで」に立ち寄ることができると通院の負担を減らすことができるでしょう。

再就職失敗の確率を下げるポイント

ここからは、再就職失敗の確率を防ぐポイントについてお伝えします。

業務量を減らす

業務量が多くなると、仕事に強いプレッシャーやストレスを感じやすいです。

再就職直後は働く感覚を忘れていたり、慣れない仕事に気疲れたりするので余力が残るくらいに働くことが大切です。

業務量を減らすことができれば、自分のペースで働きながら新しい生活リズムをつくっていきやすいでしょう。

ただし、そうは言っても自分の裁量では業務量を減らすことができないかもしれません。

そのような場合には、業務量を調整してもらえるよう上司に相談することも必要です。

仕事を頑張りすぎない

再就職では、仕事を頑張りすぎてしまうことがよくあります。

うつ病の人は療養期間を「失った時間」と考える傾向があるので、いままでの時間を取り戻そうと一生懸命働こうとするのです。

ところが、再就職直後は思ったように頑張れないものです。

それというのも発症前に比べると体調を崩したり、仕事に必要な能力が落ちていたりするから。

ですから、今の自分のペースに合わせながら無理せず働いていくようにしましょう。

仕事よりも睡眠や休息を優先する

うつ病の人は、睡眠や休息を軽視する傾向があります。

仕事が忙しくなると休息をとらなくなったり、睡眠時間を削ったりすることも多いです。

こうなると、疲れやストレスが溜まってうつ病を再発してしまうことにもつながりません。

疲れやストレスが溜まると、憂うつ感や不安感を感じやすくなるものです。

うつ病の再発を防止するためにも、仕事よりも睡眠や休息を優先したいものです。

自己判断で通院をやめない

通院は抗うつ薬などを処方してもらうために欠かせませんが、再就職すると、主治医に仕事の話をすることでさまざまな変化に気づきやすくなります。

例えば、「以前よりも頭のキレが良くなった」「頑張れる機会が増えた」など。主治医との会話を通じて、うつ病の回復を実感できることも。

再就職を成功させるためには自己判断で通院をやめずに、仕事の様子を含めて主治医に継続的なモニタリングをしてもらえると良いでしょう。

うつ病をオープンにして再就職するか?クローズにするか?

うつ病の人が再就職する時には、病気について職場のスタッフに打ち明けるかどうかも気になるところです。

最後に、オープン・クローズで再就職した時のメリット・デメリットをまとめました。

オープンにするメリット・デメリット

1)メリット

・同僚からのサポートが受けやすい

・体調を崩した時に休みやすい

・上司に業務量や休暇の相談をしやすい

2)デメリット

・書類選考や採用面接で評価が下がる可能性がある

・上司や同僚から気を遣われる機会が多くなる

クローズにするメリット・デメリット

1)メリット

・病気を理由に、上司・同僚から不当な扱いを受けない

・病気を理由に、書類選考や採用面接で評価が下がらない

2)デメリット

・体調を崩しても休みづらい

・体調に配慮して業務量を調整してもらえない

 

うつ病について打ち明けるメリット・デメリットは、会社の方針や職場の雰囲気・上司の人柄などによっても変わってきます。

なお、うつ病の治療中であることを隠した状態で入社しても、「経歴詐称」や「虚偽報告」などで解雇・訴訟に発展する可能性は低いですが、職場との関係のもつれを防ぐには、あらかじめ採用担当者や上司に正確な情報を伝えておいたほうが良いかもしれません。

オープン・クローズのどちらのほうが自分にとって都合が良いかよく検討しながら働き方を選びましょう。

まとめ

うつ病の人が再就職をする時には、今の状態でしっかり仕事ができるか不安になるものです。

働ける状態になったからと言って、すぐに発症前のような仕事ができるとは限りません。

再就職に不安が残るなら、まずはパート・アルバイトなどの働き方を検討してみるのも大切です。

雇用形態にこだわらず「とりあえず働けること」を目標にしてみると、不安な気持ちがやわらぎますし、再就職に自信を持つことができるでしょう。

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