うつ病で死にたくなる「シンプルな理由」とは?頑張って生きようとしている人へ
死にたい…
うつ病になると、何かにつけて死にたい気持ちにかられますよね。
「死ぬなんて考えてはいけない」と自分の気持ちをおさえながら、頑張って生きようとしている人もいるでしょう。
僕は、うつ病の当事者です。
現在、発症後4年が経過し、働けるまでに体調が回復しました。
これまで何度も「死にたい」と思ったり、訴えたりしてきましたが、いま振り返ってみると、その理由はとてもシンプルなものでした。
ここでは、うつ病の人が死にたくなる理由を説明するとともに、当事者がとるべき解決策を紹介します。
うつ病の人が死にたくなる理由
うつ病の人が死にたくなるのは、病気の症状により、思考がうまく働かないからです。
この状態を、専門用語で「思考制止(または思考抑制)」と言います。
思考制止の症状があると、頭がぼーっとしたり、同じことばかりを考えたりします。
この状態が進むと、自分が価値のない人間に思え、罪悪感や自責感といった自己否定的な気持ちが湧いてきます。
その結果、「死にたい」「死ぬしかない」となるのです。
自分は価値のなに人間だ、という無価値感や罪責感が強くなると、「死にたい」「死んだほうがましだ」「自分などいないほうがよい」という気持ちが生まれ(自殺念慮)、実際に自殺を企てることがあります(自殺企図)
(引用 坪井 康一(2017):患者のための最新医学 うつ病.高橋書店)
うつ病の当事者がとるべき解決策は?
「死にたい」「死ぬしかない」という思いが湧いた時、うつ病の当事者がとるべき行動は、とにかく休むことです。
うつ病の治療というと、薬の服用やカウンセリングなど、専門医や専門家にすべてを委ねるものと思われがちです。しかし、実は患者さん自身が意識してやらなければならない大切なことがもう1つあります。それは、「十分な休養をとること」です。うつ病の患者さんは、いわば心のエネルギーが枯れ果ててしまった状態。エネルギーを充電する期間が必要なのです。
(引用 野村 総一郎(2015):うつ病の正しい理解と治療法(2)治療と予防編.株式会社インプレス)
うつ病の人は、考えがまとまらなかったり、自分の気持ちが整理できなかったりするなかでも、何とか現状を変えようと考えがちです。
しかしながら、うつ病になると、どうしても頑張る気持ちが湧かず、思ったような行動ができないものです。
これが、「心のエネルギーが枯れた状態」です。
むしろ、頑張ろうとするほど、何も行動に移せない自分がみじめに思えるでしょう。
「死にたい」と思った時は、とにかく休んで、疲れきった心身をいたわることが大切です。
「休む」とは、自分の好きなように時間を過ごすこと
うつ病を発症した直後は、ベッドや布団で寝ていることしかできないでしょう。
この時期は、とにかくゴロゴロして鋭気を養う必要があります。
一方で、動けるようになってきたうつ病の人は、自分の好きなように時間を過ごすことが休む方法です。
例えば、気晴らしに散歩をしたり、ゲームをしたり、カフェに行ったりなど。
自分の好きなように時間を過ごすことで、枯渇した心のエネルギーを充電することができます。
ツイッターを使った独自調査では、「死にたい」気持ちにかられた時、人によりさまざまな活動をおこなっていることがわかりました。
自殺願望(希死念慮)をうまくやり過ごす方法がわからない方は、以下の記事も参考にしてください。
死にたい時は、とにかく「休む」
「死にたい」「死ぬしかない」と思える時は、思考がうまく働いていない状態です。
心のエネルギーの充電が必要です。
これ以上、無理して頑張ろうとせず、とにかく休みましょう。