『「どうせ無理」と思っている君へ』をレビュー!宇宙開発に携わる筆者の自信のつけ方とは?
「どうしたら自信がつくのだろう?」
自信さえあれば何でも挑戦できるのに。
そうは思っていても、本当に自分は変われるのだろうか。
自信がない自分を変えたいという気持ちと、変われないような気持ちが葛藤することもありますよね。
自分に自信がないとやりたいことにも挑戦できないですし、色々なことをあきらめやすくなりがちです。
僕も自分に自信がないほうの人間だったので、「自分を変えたい」という思いから『「どうせ無理」と思っている君へ』を読んでみることにしました。
この本は、他人の評価・仕事の業績・テストの成績・肩書きなど、そういった見せかけの自信に頼らず、自分の感覚を頼りに生きていくための自信に気づける本でした。
「どうせ無理」 …でも本当は変わりたい。
自分の内側に秘められた自信に気づき、やりたいことに挑戦していきたい人が読んでおくべき一冊だと思います。
「どうせ無理」と思っている君へとは?
この本の著者は、植松電機 代表取締役の植松 努(うえまつ つとむ)さんです。
植松電機は、北海道にある小さな町工場で、社員わずか20人の規模にも関わらず、ロケットや小型の人工衛星の開発などをおこなっている会社です。
植松さんは、ほかにも「あたりまえを疑う勇気」など多くの本を執筆されています。
『「どうせ無理」と思っている君へ』は、読者に自信を失う理由を解説しながら、本当の意味での自信について気づかせてくれる本です。
この本のサブタイトルにある「本当の自信」とは、自分の内側から自然に生まれてくる「自分を信じる力」のことです。
仕事で業績を上げた、上司に良い評価をもらえた、同僚に褒められた、テストで良い点数がとれたなど、そういった他人の評価で築いた自信のことではありません。
仕事や勉強で他人から評価してもらえているにも関わらず、いつまで経っても自分に自信が持てない方にとって、自分の存在そのものに自信が持てる一冊になるでしょう。
まわりの人の意見よりも、自分の感覚が大事
残念なことに世の中には、なんの悪気もなく、君の心を潰す人もいっぱいいるのです。さらに残念なことに、「あなたのためを思って」という愛情から、君の夢を壊す人もいっぱいいるのです。
僕らは自信がないと感じる時、そもそも子どもの頃から自分には自信がなかったと思いがちですが、どうやら自信というものは、大人になる過程の中で失ってきた可能性が高いもののようです。
「どうせ失敗する」
「無理に決まっている」
まわりの人から自分の可能性をつぶす言葉を言われたり、そういったニュアンスの態度をとられたりする中で、物事に挑戦するための自信が失われてきたと、植松さんは言います。
僕自身の人生を振り返ってみると、たしかにまわりの人からの言葉で自信を失ってしまった経験がよくありました。
例えば、僕は現在インターネットを利用して自宅で仕事をしているのですが、会社を退職した時には、まわりの人から「ネットで稼げるの?」「仕事ができる人なんて一部の人でしょ?」と言われ、自分が挑戦したい気持ちをへし折られた記憶が今でも鮮明に残っています。
でも考えてみると「どうせ無理」と意見してくる人のほとんどは、自分がやろうとしている仕事について全く経験したことがありませんでした。
こういった具合に「どうせ無理」と意見する人は、その人自身の常識の範囲内で物事を判断し、他人の可能性を潰している場合も多いのでしょうね。
身近な人に意見をされると、それが真実のように聞こえてしまうことも多いものですが、自信をつけるためには、まずは自分の感覚を信じて物事に挑戦してみることが大事なのだと思います。
「どうせ無理」の言葉からは何も生まれない
冷やかし、からかい、馬鹿にする。「どうせ無理」の呪文を言う人は、頑張る人の夢や努力を潰したり、邪魔をしたりします。
これは、サラリーマンが経験しやすいことではないでしょうか?
「どうせ、この会社は変わらない。」
「いまの上司が変わらない限り、現場は良くならない」
僕が会社で働いている時にも、そういったまわりの士気を下げる人がわりと多くいました。
たしかに会社というものは、社長や上司などの責任者によって働きやすさや雰囲気などが決まってくることも多いですが、「どうせ」と言いはじめると何も変わらないどころかまわりにもネガティブな考えや感情が伝染していき、同僚の自信まですっかり削いでしまうものです。
植松さんによると、まわりの士気を下げようとする人は、自分よりも立場が弱そうな人をターゲットにしやすい傾向があるのだそう。
自分も気づかないうちに自信を失うスパイラルに巻き込まれていないか、注意したほうがいいのかもしれませんね。
そうそう、僕が大学生の時には、こんなアドバイスをしてくれる友人がいました。
「どうせでやるなら、どうせならでやろう」
「どうせ」の言葉からは何も生まれません。やりたいこと、やらなきゃいけないことの中でどうやったらできるのか。
「どうせなら」自分が楽しめる形でやってみることが大切だと思います。
真実は自分の感覚の中にある
本当は頑張りたいし、夢もたくさんある人が、「そんな仕事で食っていけるわけないじゃん」とか、「そんなことをして何の意味がある?」と否定されたときに、自分の心を守ろうとして必死で使う、やらない言い訳なのです。
特に他人の顔色を気にしやすい方は、「お金の話」や「物事の目的」を問われると、自分にやりたいことがあってもあきらめてしまうことが多いのではないでしょうか。
自分に自信がないと他人の言葉が真実に思え、やりたいことがあっても心が折れてしまいます。
ところが他人の心を折ろうとしてくる人の多くは、「本当はがんばりたいのにがんばれなかった」、そんなもどかしさを感じている人が多いのだそうです。
人によって色々な事情があるのでしょうが、僕のまわりの大人も「家族がいるから…」「失敗したら…」など、さまざまな理由で自分を納得させながら、自分のやりたいことをやらないで生きている人が多いです。
何かに挑戦したり何かを変えたりする時には、最初から良い結果が出せないものでしょう。
良い結果が出せていないと、まわりの「どうせ無理」の助言が真実のように思えてしまうこともありますが、自分の人生をどう選択していくかは自分次第です。
自分の感覚の中にある本当の真実に意識を向けて、やりたいことに挑戦していきたいです。