「俺か、俺以外か。」をレビュー!カリスマホスト-ローランドの名言に学ぶ自分中心の生き方とは?
「俺か、俺以外か。」
このタイトルが気になったのだとしら、いま自分に自信がなく、自分の気持ちを押し殺しながら毎日を生きているのでしょう。
ローランド著「俺か、俺以外か。」は、自信と自己愛にあふれた歌舞伎町のカリスマホストの生きざまから、自分を大切にした生き方を学べる本でした。
傲慢、高飛車、自己中。
そんなぶっとんだ内容なのかと思いきや、しっかりとした自分の信念や哲学が伝わってくる一冊でした。
そもそもローランドとはどんな人?
著者のローランドさんは、月間最高6000万円以上を売り上げた歌舞伎町のカリスマホスト。
現在は、歌舞伎町のホストクラブのオーナー業を中心に、実業家として活動しています。
と聞くと、自分とはどこか遠い存在に感じますが、実は「4人兄弟の長男」と聞けば親近感が湧くのではないでしょうか?
また、年齢は27歳。
「美少女戦士セーラームーン」の放送が開始された1992年生まれであることを知ると、異世界で生活している人から、より自分の身近に存在する人に感じられるかもしれません。
「俺か、俺以外か。」は、編集者が選んだローランドさんの言葉を本人が掘り下げて解説するという、言わば「ローランド語録」をまとめた書。
メディアを見ていると、どうしてもローランドさんの言葉じりや容姿だけが目立つので、この本も熱狂的なファン向けの本のように思えてしまっているかもしれませんが、個人的にはファン以外の人が読んでみるほうがおもしろい!
ファンが読めば「ローランド様のお言葉」で終わってしまうような気もしますが、ローランドさんをよく知らない人が読むと、自信や自己愛にあふれたひとりの人間の生き方や考え方に触れることができるでしょう。
自分に自信がない。自己主張が苦手で自分を押し殺して生きている。
でも、心のどこかでは、自分の気持ちを表に出せるような人間になりたいと思っている人におすすめの一冊です。
らしく生きるための「自分の哲学」
俺自身、自分の考えを示すことはあっても、強要することなど絶対にない。
世の中には、俺のように自己愛を前面に出し、傲慢なほど自分中心に生きることを美徳として生きる人間もいれば、主張しない奥ゆかしさに美徳を感じる人もいる。
みんな、それぞれの考えがあっていい。自分なりの哲学を大切に、そして、自分のことを大切に。
実のところ、僕はこの本を読むまで、ローランドのことを自己愛や自己主張が強いだけの人という印象を持っていました。
というのも、「俺か、俺以外か。」なんて本のタイトルをつけているくらいですから。
でも本を読んでみると、ローランドさんは、世の中には色々な生き方の人がいるとわかった上で、自分の哲学を持って生きている人だということを知りました。
「俺か、俺以外か。」と考える傲慢な生き方の人もいれば、自分の気持ちを内側に秘めながら毎日を生きている人もいる。
ローランドさんが大切にしていることは、自分がどういう哲学を持って人生を生きるかということなのでしょう。
ただ「自分の哲学」と言われると、多くの人は、はっきりと答えることが難しいような気がします。
仕事にしても、友人にしても、テレビにしても、SNSにしても。他人を気にしたり他人に干渉したりすることは得意なのに、自分のことになると、わからなくなってしまいますよね。
ローランドさんが言うところの「俺」。「自分の哲学」を持って、自分らしい人生を歩んでいきたいものです。
自信が持てるのは「俺だから」
「100人が100人ダメと言っても、その100人全員が間違えているかもしれないじゃないか」 ~中略~ 自分が信じた道を、仮に全員が反対と言うのならば、その全員が間違っていたのだということを証明すればいいだけの話。
これは、とても納得のいく考え方でした。
一方で、誰かに反対されながらも自分が信じた道を進めたのは、ローランドさんに反対を押し抜けるための自信があったからなのでしょう。
多くの人は、他人の反対を押し抜けるだけの自信がないから、自分の信じた道を進むことができずに悩むのかもしれません。
ローランドさんの場合は、昔から自分の考えることには何でも自信があったんだそう。
でも、「なぜ、その自信が培われたのか?」は、本書を読んでいてもいまひとつわかりませんでした。
圧倒的な自信が、ローランドというオリジナル生き方を支えていることはたしかなんですが、「俺以外」の人からすると、生き方の原動力になっている自信がついた理由を掘り下げて聞きたかったです。
まぁ、ローランドさん的に言えば、自信があるのは「俺だから」になるのかもしれませんが。
「形から入る自信」もある
「自信を持てとは言わない。自信のあるフリをしてみな!」 ~中略~ 心理状態は変えられなくても、仕草ならその瞬間から変えられる。
自信のあるフリをしていて、たまたま話が少しウケて流れを掴んできて、「あれ?そういえば、気づいたらいつのまにか自信満々でしゃべれているじゃん!」ということになったことが多々ある。
本を読んでいると、ローランドさんはひょっとすると本当は自信がなかった人なのかも?と思えてくるところもあります。
というのも、この本には読者に寒がられるか、あるいは滑るかする可能性が高そうな「くさいセリフ」を発する時に、必ずと言っていいほどある言葉を書いているからです。
それは、「(笑)」です。
例えば、ローランドさんは、こういった具合に「くさいセリフ」を発します。
ま、俺クラスになると、常に鏡とジャンケンしても勝てるぐらいの自信が備わっているのだけど!(笑)
自分が文章に「(笑)」を付ける時を思い返してみると、実際に楽しくて笑っている時もあれば、自分の言葉に自信が持てない時に、場を和ませようとしている時も多いような気がします。
ローランドさんの本心はわかりませんが、本当は自分に自信が持てない時も多いのかもしれません。
つまり何が言いたいのかというと、形だけでも自分に自信を持つように心がけていることで、自然と自信が湧いてくるような良いサイクルにもなっている可能性があるということです。
とりあえず形から入り、あとから付いてくる自信もあるのでしょう。
正直「俺か、俺以外か。」を読みはじめた時は、「ローランドだからできるんだよ!」と思うことも多かったです。
ですが、本当は心の中に劣等感も抱えており、それとうまく付き合いながら自分の中の自信や自己愛を作り上げていっている様子も垣間見えたところに、とても人間味を感じました。
自分に自信がなく、自分の気持ちを押し殺しながら生きているのだとしたら、この本を読んで、自分の中の「俺」について考えてみても良いかもしれませんね。