治るか不安だったうつ病…発症から2年が経過するまでの心理的葛藤をまとめてみた!
うつ病を発症して2年が経ちました(2020年1月現在)。
現在僕は、自宅で家事・育児と両立しながらwebライターとして働いています。
「働いている」と聞くと、これまで順調に回復してきたかのように思われるかもしれません。
しかしながら、うつ病を発症してからの2年間は、体調が良くなったり悪くなったりのくり返しで、思ったように回復しないもどかしい日々の連続でした。
うつ病で療養していると、このまま回復するのか、不安になることのほうが多いでしょう。
また、本当は頑張りたいのに頑張れない…
自分の理想と現実の差が大きくて、心が折れそうになるということも。
だから、同じような立場にある当事者の経験を知れると、気持ちが軽くなると思うんですよね。
ここでは、うつ病の発症から2年間で経験した心理的葛藤について、お伝えします。
目次
クレームによる精神的ダメージがきっかけで、うつ病を発症
うつ病を発症した当時、僕は、病院で入院患者さんにリハビリを提供する「作業療法士」という仕事をしていました。
僕の場合、うつ病を発症したのは、80代前半の患者さんのクレームによる精神的ダメージがきっかけでした。
ある日、いつものようにリハビリ室で担当患者さんにマッサージをおこなっていると、僕は、その患者さんから「もっともまじめにやれ!」「適当にやるなら(私の体に)触らないでくれ!」といったクレームを言われてしまったんです。
患者さんとしては、マッサージのやり方が気に入らなかったのでしょうか…。
患者さんの心理はわからないのですが、僕は、リハビリが終了した後からひどく落ち込み、そのクレームが頭から離れなくなってしまったんです。
そして、他の患者さんやスタッフからも、「いいかげんな仕事をする人」といった目で見られているような気がして、眠れなくなったり、強い憂うつや不安感を抱いたりするようになったんです。
これが、僕がうつ病を発症したきっかけです。
死ぬことばかり考える、うつ病1年目
うつ病を発症した当初は、死ぬことばかり考えていました。
というのも、ベッドやソファで寝ている生活が中心で、自分が社会復帰できる自信やイメージが持てなかったからです。
僕には、会社員の妻と小学2年生(当時保育園児)の娘がいます。
家族がいることは、自宅療養する上で心の支えになりました。
しかしながら、家族のために働けない現実に向き合うことで、自分が全く価値のない存在にも感じられ、死にたい気持ちにかられました。
毎朝出勤していく妻の姿を見ながら、仕事ができないことに対する罪悪感や自責感をよく抱いたものです。
頑張りたいのにどうしても頑張れない、うつ病2年目
僕の場合は、うつ病を発症して1年経過したくらいから、小遣い稼ぎ程度の仕事ができるようになりました。
webライターとして、在宅ワークをはじめたのがこの頃です。
「仕事ができた」とは言っても、本格的な仕事復帰ができたわけではありません。
まだまだ体調の変動が大きくて、日によっては仕事をする気持ちになれなかったり集中力が続かなかったりすることもあったので、うつ病を発症する前のようには働けなかったんです。
心理的葛藤をもっとも感じたのは仕事を再開してからです。「一生懸命働きたいのに頑張れない」「仕事をしたくても疲れやすく長い時間働けない」「体調を崩すことも怖いからまとまった仕事をする自信がない」といった葛藤する日々に、嫌気がさすこともありました。
うつ病の人は、“甘えている”“怠けている”と揶揄されることもあるので、まわりの人からも自分が「ぐうたらしたいだけの人間」のように見られているように感じて、それがよりつらい気持ちに拍車をかけました。
本当は「頑張りたいのにどうしても頑張れない」
嘆いたところでつらい現状は変わらないとわかっています。
だけど、当事者としては思ったように回復しない心身と変わらない生活に嫌気がさして、問題を投げ出したい気分になる時もありますよね。
1日1日を大事に生きたい
うつ病を発症して1年半が経過すると、ようやく1日に6~8時間ほど仕事ができるようになってきました。
正直、自分では病気が回復してきたから仕事がしやすくなったのか、それとも仕事をしていることが病気の回復につながったのかはわかりません。
・もっと良い療養の仕方があったかもしれない
・違う働き方があるかもしれない
ほかにより良い選択肢があったかもしれませんが、僕の場合は、「自分にできることをできる分だけやるしかない」という結論に至りました。
仕事も私生活も色々と考えはじめると気分が落ち込んだり、自信がなくなったりして思考や行動が制止しやすいものです。
「自分の人生」として考えた時には何を選んでも正解だと思うので、あとは自分にできることをおこないながら1日1日を大事に生きることです。
うつ病は、回復を焦らずあきらめないことが大事
うつ病の症状が安定してきた人の体験談を聞くと、逆に不安な気持ちを抱く人もいるでしょう。
“うまくいってそう”な人と“うまくいってなさそう”な自分の状況を比べれば、誰でもいまの生活に引け目を感じるものです。
ですが、自分と他人の生活を比べることに大して意味はないですし、何かしらの結果を出そうと焦る必要もありません。
僕は、専門家ではないので「うつ病は治る」と気やすく断言できる立場にありませんが、少なくとも自分にできることを続けた先の人生にはいまと違う変化があるでしょう。
ですから、うつ病の回復を焦らずあきらめないことが大切です。