デイル・ドーテン著「仕事は楽しいかね?」米国コラムニストがビジネスマンに伝える働き方とは?
「仕事が楽しくない…」
「だけど、自分ではどうすることもできない」
仕事がマンネリ化して、人生に迷っている人も多いのではないでしょうか?
会社に行けばいつも通りの仕事をして、それなりの給料をもらい、家に帰れば家族もいる。
本当は幸せなはずなのに、そんな平凡な毎日がしっくりせず、どこか自分の働き方に満足感が得られないということもあるでしょう。
ちまたに溢れる「仕事で成功するため」のビジネス書を参考にしてはみても、思ったように成果があがらない。
もしかしたらあなたに必要なのは付け焼き刃のノウハウではなく、「自分が考えたアイディアに基づいて新しい仕事に挑戦する気持ち」なのかもしれません。
実は僕も日々の仕事に満足感を持てず、マンネリを感じていました。どんな仕事をおこなっても「これじゃない」といった具合に。
そんな仕事のマンネリ感をある一冊の本が解決してくれました。
目次
デイル・ドーテン著「仕事は楽しいかね?」
著者は、アメリカの実業家でコラムニストのデイル・ドーテンさん。
「仕事は楽しいかね?」の特徴は、他のありふれたビジネス書や自己啓発本とは違い、小説のような切り口で、読者に仕事で成功をおさめたり成長したりする方法を説明しているところです。
作品の主な登場人物は、マックスと名乗る「老人」とひとりの「男」。物語はある雪の吹き荒れる日に、吹雪で閉鎖された空港の中で老人と男が出会うところから始まります。
男は平凡な会社で働く、どこにでもいるような平社員。働いてお金を稼ぐこと自体には困っていないが、どこか仕事にマンネリ感を持っているビジネスマン。
一方で老人の正体は、多くの政治家や実業家、企業のトップなどからもアドバイスを求められるくらい仕事で成功をおさめた人物。
この物語は、老人が男に仕事の本質に気づかせながら、仕事の成功や楽しさを悟していくストーリーです。
物語の読者としては、このどこにでもいそうな男と自分とを置き換えることで、ストーリーに入り込みながら、老人から仕事の本質、成功、楽しさについて悟らされいるような気持ちになるでしょう。
例えば、老人はこんなことを言います。
毎日毎日、違う自分になること
何度となく“表”を出すコインの投げ手は、何度となく投げているのだということを。そして、チャンスの数が十分にあれば、チャンスは君の友人になるのだということを。
「あの人は特別だから。」
仕事で成功している人を見た時、他人の成功を才能や運のおかげだと思ってしまうことはないでしょうか?
老人は言います。
成功している人は特別なのではなく、成功していない人に比べて圧倒的に挑戦している回数が多いのだと。
実は僕にも、他人の成功の裏側にある膨大な努力を無視して、成功を才能や運のせいだと決めつけているところがありました。
だって、他人の成功を才能や運のせいにしていれば、努力をしていない自分と向き合わなくて済みますからね。
また努力をしないことは毎日に特別な変化はないですけれど、リスクをおかさなくて良い分、安心感も大きかったのでしょう。
ですが、今の社会は毎日のように何かしらの変化がありますよね。
新しい商品、ニュース、アイディアなど…。自分が変わらなくても、自分を取り巻く環境はどんどん変化しています。
変化の早い社会の中では、ひょっとしたら変わらないことのほうがリスクなのかもしれません。
特に仕事であれば、他に新しい物やアイディアが出てくれば、自分が昔から変わらずくり返しおこなっている仕事も、以前のような価値はなくなるでしょう。
社会が変化しているのだから、「変わらない」という価値観は捨てたほうがいい。
僕は老人の話を聞いて、まずは仕事で新しいことに挑戦する回数を増やしていきたいと思いました。
さらに老人は、こうも言います。
きみたちの事業は、試してみた結果失敗に終わったんじゃない。試すこと自体が欠落してたんだ。
この言葉は、老人が事業に失敗した男に向けて話した言葉です。
物語の中で、男はある事業をはじめました。
男がはじめた事業は、はじめた頃こそ順調に進んでいたのですが、途中から上手く収益が出せなくなり、結果的に廃業してしまいました。
廃業した理由は、事業が進むにつれて同じような事業をおこなうライバル企業が増えてきたからです。
自分と同じような事業をおこなうライバル企業が次々と出てきたのに、男は何もしなかった。事業をはじめた頃と全く同じ方法で、仕事を続けていたのです。
老人は、そういった新しいことに挑戦したり、仕事に変化をつけたりしない男のやり方が、事業の失敗につながったと言いました。
自分は同じ仕事を一生懸命に頑張っていても、同じような仕事をする人は表われるし、次々と環境は変わっていきます。
要するに老人が伝えたいことは、同じことをくり返すだけでは、仕事の成功には繋がらないということなのでしょう。
この物語の中では、個人が立ち上げた事業の失敗にフォーカスしていますが、会社で働くビジネスマンにも同じことが言えるのではないでしょうか?
上司から与えられた仕事をする人は、自分の職場にはいくらでもいます。
そんな環境で自分の仕事を成功させたり楽しんだりするには、自分なりに新しいアイディアを試行したり挑戦したりし続けていくことが重要なんだと思います。
それで、さらに老人は続けます。
新しいアイデアというのは、新しい場所に置かれた古いアイデアなんだ。
(引用 デイル・ドーテン(2001):仕事は楽しいかね?.きのこ書房)
仕事で新しいアイディアを試行・挑戦するといっても、なかなか難しいものです。
というのも、やっぱり平凡な人間には、そもそもアイディアを発想することが難しいでしょうから。
しかし僕はこの物語の中で、老人からとても実用的なアイディアの発想方法を学びました。
それは、自分の中にある古いアイディア同士をくっつけて、新しいアイディアをつくるという方法です。
例えば僕には、以前から「読書が好き」「自分で何かしらの店を持ちたい」というアイディアがありました。
ただまわりを見渡せば「読書が好き」という人はたくさんいます。
「店を持っている人」も多いですし、何よりコストがかかりすぎるのです。
そこで、僕は「読書が好き」と「店を持つ」を掛け合わせてみることにしました。
そうすると僕の中には、このブログの中で自分が読んだ本のレビューをまとめ、自分のブログ上に「本屋」みたいな場所を作ってみようという考えが浮かんできたんです。
自分のブログの中で本屋を開けばコストは安いですし、ブログの中で本屋を運営している人なら、ずいぶんとライバルが減るでしょう。
このように自分の中にあるアイディアを集めて、それを組み合わせてみると無限にアイディアが作り出せることに気づきました。
これは、僕が老人から教わったもっとも仕事に役立つノウハウです。
物語の中で老人は、仕事をする上でとても重要なことを長々と述べているにも関わらず、その話はどれも興味深く、約2時間ほどで話を聞き終えることができました。
いま仕事に行き詰まり、自分の仕事にマンネリを感じているのなら、一度老人の話を聞きにいってみてはいかがでしょうか。