うつ病の「焦る」気持ちと付き合っていく3つの方法とは?
「気持ちが焦って、何も手につかない…」
うつ病では、気持ちの焦りから物事に集中しづらくなることも。集中できずに物事に取り組めなかったり、効率が落ちたりすることが多いのではないでしょうか?
僕も、うつ病になってからというものの、気持ちの焦りから集中できないことがよくありました。「あれも、これもしなきゃ」と、次々に色々な考えが浮かんでくるのに、何からはじめていいか決められず、取り組めたところで長く続けられないということもあったんです。
「焦る」気持ちと付き合っていくには、どういったことが必要になるのでしょうか?ここでは、僕が気持ちを焦らないようにおこなっている3つの対処方法を紹介します。焦る気持ちを少しでもコントロールできると、自分がやりたいことを行動に移したり、続けやすくなったりするでしょう。
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気持ちが焦る原因とは?
そもそも、うつ病になって気持ちが焦る原因は、どのようなところからきているのでしょうか?うつ病の本を読んでみると、病気の症状として焦燥感というものがあります。
焦燥感とは、「焦ったり、イライラしたりする気持ち」のこと。うつ病では、よく起こる代表的な症状のようです。
ただ、うつ病の当事者からすると、焦りやすい原因には、病気の症状以外にも色々あるように思えて仕方がありません。例えば…
・ 病気の前のように動けない
・ できないことが多すぎる
・ 思ったように病気が回復しない
・ 家族に申し訳なさを感じる
・ 経済的な心配がある
・ 自分の生活だけがうまくいっていないように思える
・ 仕事復帰できるか不安
など
うつ病の当事者からすると、気持ちが焦るのは、自分の置かれている環境を考えたら当然ではないでしょうか?だから、うつ病の療養をする時には、自分の「焦る」気持ちとうまく付き合っていく方法が必要になると思うんです。
「焦る」気持ちと付き合っていく3つの方法
具体的に、「焦る」気持ちと付き合っていくための方法を見ていきましょう。僕の場合は、3つの方法を使って、「焦る」気持ちをコントロールするようにしています。もちろん、どのような方法でも、全く焦らなくなるということはありませんが、これらの方法を試してみると、物事が手につかない状態よりはやりたいことに集中しやすくなるかもしれません。
1. 頭で考えない
2. ひとつのことだけ考える
3. リラクセーション法を取り入れる
1. 頭で考えない
まずは、頭の中だけで、物事を考えないようにします。というのも、うつ病になると、病気の症状そのもので、集中力や記憶力が落ちている可能性があるからです。
うつ病患者では、抑うつ症状が寛解した状態でも、注意力の低下など、一定の認知機能の低下が残ることが報告されている。したがって、集中困難・うっかりミス・忘れやすさが 見られやすい。参考:日本うつ病学会治療ガイドライン
うつ病は、気分の落ち込みややる気のなさといった症状に注目されがちですが、僕は集中力や記憶力の低下に悩まされることがよくありました。例えば、洗い物をしていると食器を落としたり、妻からの頼まれごとを忘れたり。うつ病になる前は、ほとんどなかった日常生活上の問題がよく起こるようになったんです。ミスを少なくするには、頭だけで考えるのではなく別の手段も必要になるでしょう。
僕のおすすめは、何か考えが浮かんできた時に、ノートやスマートフォンなどで文字に起こしながら考えることです。文字に起こしてみると、考えにずっと意識を向けていたり、頭で覚えていたりする必要がなくなるので、今やろうとしていること、取り組んでいることに集中しやすくなります。僕は、ノートやスマートフォンにメモをするようになってから、日常生活での「うっかりミス」が減りました。
集中力や記憶力が低下している頭で考えても、情報が処理ができないと、気持ちばかりが焦るもの。頭だけで考えることをやめて、文字に起こしながら考えるようにしてみてはいかがでしょうか?
2. ひとつのことだけ考える
焦る気持ちが強いほど、物事が手につかなくなります。僕の場合も、気持ちが焦って集中できなかったことから、何から手をつけはじめて良いのか判断できず、1日に限られたことしかできない状態がよくありました。
そこで、一度に色々なことをやとうとせずに、ひとつだけを考えて、実行に移すようにしてみたんです。例えば、「朝起きたら食事のことだけ考える」「食事が終わったら着替えることだけ考える」「着替えが終わったら洗い物のことだけ」「洗い物が終わったら仕事をすることだけ」といったように。
ひとつのことだけ考えて、確実に実行していったほうが、1日を振り返った時には、結果的にできることが多かったことに気づきました。他のことは考えずに、「今やるべきひとつのことに集中してみる」と、気持ちを焦らさずに、行動に移しやすいでしょう。
1つやったら、次の1つをやる。
次の1つが終わったら、また1つやる。
また1つやったら、その次の1つを。
他のことは考えない。
考えたくなるけど、考えない。一度に色々やろうとするよりも、
1つずつやってみた方が、
たくさんのことができるよ。— うつ病ブロガー たぐ (@tagweblog) 2019年1月10日
色々やろうと考えると、「あれもこれもしなきゃ」と焦ってくる。
焦ると、集中できなくなるから、結局、何もできないことが多い。
1つやっている時は、1つに集中すると良い。
「0」よりも、「1」
「10」よりも、「1」1つにとりかかることが大事だよ。
— うつ病ブロガー たぐ (@tagweblog) 2019年1月10日
3. リラクセーション法を取り入れる
リラクセーション法を行うのも、気持ちを落ち着けるためにおすすめです。「リラクセーション法」と聞くと、何か特殊な方法に感じるかもしれませんが、うつ病の患者向け本でも、たいてい後ろのほうのページで紹介されています。
僕が行ってみて良かったリラクセーション法には、「呼吸法」と「瞑想(めいそう)」があります。
「呼吸法」とは、焦ったり、緊張したりしている時に、浅くなりやすい呼吸を深い呼吸へと整え、からだをリラックスさせる方法です。畳やフローリングなどに横になりながら、目をつぶって行えます。そのため、からだが疲れていたり、座っていられなかったりする時にもできるのがポイント。呼吸法のやり方については、以下の記事に書いているので、良かったら参考にしてみてください。
● 呼吸法のやり方について見る
⇒ うつ病でも、自分でできる呼吸法とは?
また、「瞑想(めいそう)」とは、色々な考えで散らかっている頭の中を整理する方法です。気持ちが焦っている時ほど、「あれこれ」やらなきゃいけないことで、頭がいっぱいになっていやすいもの。考える余裕のない頭では、思考がまとまらずに、余計に気持ちが焦ってしまうということもあるでしょう。
そういった時には、一度、自分がどういったことを考えているのか、思考を整理してみると良いです。自分で考えていることが整理できると、冷静になって考えやすいですし、気持ちの落ち着いてきます。頭の中がごちゃごちゃしているような状態の時には、「瞑想」を取り入れて、思考の整理してみるのも良いかもしれません。瞑想の方法についても、別の記事に書いてあるので、気になる方は以下の記事を読んでみてください。
● 「瞑想」のやり方を見てみる
⇒ うつ病者が「瞑想」をやってみて、実感できた効果とは?
「焦る」気持ちをコントロールすると、できることが増える
うつ病では、気持ちが焦りやすくなる「焦燥感」という症状が出ます。さらに、僕は自分のうつ病の体験から、うつ病者が置かれている環境からも気持ちが焦りやすくなる影響を受けていると考えています。
気持ちが焦りやすくなっている状態では、全く工夫をしないと、できることも減ってしまうかもしれません。そこで、この記事では、僕が行って良かった「焦る」気持ちをコントロールする方法を3つ紹介しました。
① 頭で考えることをやめる
② 1つのことだけ考える
③ リラクセーション法を行う
気持ちが焦ると、考えがまとまりにくくなったり、物事が手につかなくなったり、色々な不自由さが出ると思います。また、病気の影響で、できることが少なくなると、挫折感から気分も落ち込みやすいでしょう。
「焦る」気持ちを少しでもコントロールできれば、できることも増えて、1日の終わりの満足感や達成感も変わります。参考になることがあったら、ぜひ試してみてくださいね。
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