全部自分のせいにしてしまう心理とは?ついつい責任を背負い込んでしまう原因と解決方法を紹介
トラブルの責任が、いつも自分にあるように思えてしまうと、気持ちがつらくなりますよね。
「うまくいかないことは、全部自分のせい…」
自分がトラブルを起こしたわけではないのについつい責任を背負ってしまっている、という人もいるでしょう。
余計な責任を背負いこまなければ、もっと人間関係が楽になるはず。
どうして、なんでも自分のせいに思えてしまうのでしょうか?
ここでは、自分で責任を背負い込んでしまう原因を説明するとともに、人間関係を楽にする方法をお伝えします。
全部自分のせいにしてしまう心理
なんでも自分で責任を背負い込んでしまう人は、人間関係がうまくいかない時に、トラブルの原因を「全部自分のせい」と思いがちです。
例えば、上司が不機嫌にしていると何か悪いことをした気分になったり、友人が怒っている時には自分が怒る原因をつくったように感じたり。
他人のネガティブな感情を察すると、自分に責任があるような気がしてならないので、申し訳ない気持ちになるのです。
他人に対して「すみません」といった謝罪の言葉が口癖になっているのも、気まずい状況をいち早く切り抜けたり、トラブルを最小限に防いだりするためです。
責任を背負い込んでしまう原因
他人のネガティブな感情を察し申し訳ない気持ちになってしまうのは、その瞬間に、「全部自分のせいだ」という考えが頭のなかに浮かんでいるからです。
心理学では、このような考えを「個人化」と言います。
【個人化】
何か良くないことが起こった時、自分に責任がないような場合にも自分のせいにしてしまう
(引用 デイビッド・D・バーンズ(2013):いやな気分よ さようなら コンパクト版.星和書店)
期待された通りの結果が出せず上司ががっかりしている時、困っている同僚に何のサポートもできなかった時、自分が企画した食事会を同僚がつまらなさそうにしている時、一緒にいる友達が退屈そうにしている時など。
自分のせいでなくても責任を背負い込んでしまう原因は、「個人化」という精神状態に陥っているからです。
他人に対する「影響」と「操作」を混同している
個人化に陥ることで申し訳ない気持ちになってしまうのは、他人に対する「影響」と「操作」を混同してしまうからです。
人は、自分の言動で他人の感情に影響を与えることはできても、他人の感情を自由に操作することはできません。
上司ががっかりするのも、同僚が困ったりつまらなそうにしたりするのも、友達が退屈そうにしているのも。
自分ではきっかけをつくれても、そのような感情になるように上司や同僚・友達を操作することはできないのです。
食事会であれば、つまらなそうにしている同僚がいる一方で、楽しそうにしている同僚もいますよね。
目の前の物事に対してどのような感情になるか、受け取り方は他人が決めることです。
都合が悪いことが「全部自分のせい」に思えてしまうのは、他人の感情に「影響」を与えているだけなのに、他人の感情を「操作」していると考えてしまっているからなのです。
人間関係を楽にする方法
余計な責任を背負いこまず人間関係を楽にするには、自分と他人の責任を区別することです。
良いことも悪いことも、目の前の物事をどう受け取るかは他人の問題です。
自分が目の前の物事をどう受け取るかと一緒で、他人が物事をどう受け取り、何を感じるかはその人自身が決めることなのです。
仮に、あなたは仕事でミスをし、上司を怒らせてしまったとしましょう。
この時、怒るかどうかは上司次第です。
怒りをコントロールできないタイプの上司であれば、部下のあなたにイライラした態度を見せ、仕事のミスや人格を罵倒する言葉をかけてきます。
これが、怒りをコントロールし平常心を保てるタイプの上司であれば、仕事のミスをとがめず、部下のあなたをフォローするような声かけをするでしょう。
つまり、仕事でミスをしたのはあなたですが、それについて、どのような感情を抱くかは上司(相手)の問題なのです。
このように、「全部自分のせい」と責任を背負い込まないためには、他人の感情に対して勝手に責任をとろうとしないことです。
自分と他人の責任を区別するように考えれば、何かにつけて責任を背負い込む必要がなくなるため、いまよりも人間関係が楽になるでしょう。
他人の責任を勝手に背負い込まない
トラブルの責任が「全部自分のせい」に思えるのは、他人に対する「影響」と「操作」を混同してしまっているからです。
自分では、トラブルのきっかけはつくれても、他人の感情を決めることはできません。
意図して傷つけたり迷惑をかけたりしようとしていないなら、自分の言動をどう受け取ったか、あとは他人の問題です。
人間関係を楽にするためには、他人の責任を勝手に背負い込む癖をやめましょう。