まじめな頑張り屋が、自分を追い込むことなく生きるために必要な3つの考え方

「やらなきゃいけないことがあるのに」
誰かのためにがんばろうとして、気づかないうちに、自分を追い込んでいるということはないでしょうか?まじめでがんばり屋な人ほど、自分で自分を追い込んでしまいやすいもの。
・変わらなきゃ…
・働かなきゃ…
・問題を見つけなきゃ…
まじめでがんばり屋な人は、いつも何かをしていないと落ち着かないようなところがあります。自分がやらなきゃいけないことばかりを考えているので、気持ちが疲れやすかったり、不安な気持ちになったりして、自分を追い込んでしまいやすい傾向があるのでしょう。
僕も、以前は自分を追い込みやすいタイプでした。例えば、自分が達成できた仕事には満足できずに、仕事の改善点を探したり、自分の犯した失敗ばかりを気にしたりして。いつも、仕事のプレッシャーに追われているような気持ちで生活をしていました。
仕事に関わらず、何かに追われるようなプレッシャーを感じ続けていると、精神的な不調にもなりますし、生きていくこと自体に楽しみを持てなくなります。実際に、僕は仕事のストレスからうつ病になりました。
うつ病になって、生きていることがつらく感じてからは、死ぬことばかりを考えている日々もありました。
もちろん、精神的に追い込まれたからと言って、誰もが病気になるわけではわりません。ですが、自分を追い込むような考え方をやめることができると、今よりも、気楽に生活ができるようになるでしょう。気持ちに余裕を持つには、どういった考え方をすると良いのでしょうか?
自分を追い込みたくなる理由
そもそも、なぜ、自分を追い込んでしまうのでしょうか?人によって、いろいろな理由が考えられるでしょうが、まじめで頑張り屋の人の場合は、「他人の期待にこたえようとしている」ことが原因であると、僕は考えています。
これまで生きてきた中で、他人のためにがんばることで褒められたり、感謝されたりした経験が多い人ほど、いつでも誰かのため一生懸命になりすぎるもの。だから、気がつくと、他人のためなら自分を犠牲にしてまでがんばることが、習慣になってしまっているのでしょう。
ところが、「他人のため」とは言っても、常にがんばり続けられるものではありません。例えば、20代の頃にはできていたことでも、年齢を重ねて自分のからだが衰えてくれば、できなくなることもあります。
また、家庭環境が変わって、自分が抱えている役割や責任が増えると、ひとつひとつのことに全力を注げなくなるということもありますよね。
自分のがんばりだけでは、他人の期待にこたえられない状況になっているにも関わらず、誰かのためにがんばり続けている。まじめで頑張り屋の人は、そうやって、自分を追い込みやすいところがあるのではないでしょうか?
だから、気持ちに余裕をつくるためには、他人よりも、まずは自分のことを優先して考えることが重要です。
追い込まれるとできなくなること
自分を追い込むことは、必ずしも悪いことばかりではありません。気持ちが追い込まれるからこそ、やる気や集中力などが増してきて、物事に全力を出しやすくなるということもあるでしょう。
ただ、これは自分が「がんばれる状態」に限った話です。精神的な疲労がたまっている時には、どんなに気力をふり絞ってがんばろうとしても、どうしてもからだが動かないということもよくあります。
厚生労働省が、2016年11月1日~2017年10月31日までの期間に、8,674箇所の会社を対象におこなった「労働安全衛生調査(実態調査) 」では、メンタルヘルスの不調によって連続1か月以上の休職をした人は約250人に1人、退職をした人は約300人に1人でした。
休職や退職をしたサラリーマンに病気の診断がついていたかどうかはわかりませんが、調査でも、精神的に体調を崩したことで仕事をがんばることができなくなり、休職や退職をしている人が多くなっているようです。
精神的に追い込まれている時には、頭にネガティブな考えが浮かんできたり、不安な気持ちが湧いてきたりするので、自分がやるべき目の前の物事にも集中できなくなります。
また、精神的に追い込まれている時ほど他人の言動が厳しく感じられ、自分の行動を監視されていたり、批判を受けたりするような被害的な気分にもなる場合もあります。
いずれにしても、精神的に追い込まれていると、やらなければいけないとわかっていてもがんばれないということは誰にでも起こりえます。がんばれない状態の時には、自分を追い込むよりも気持ちに余裕をつくっていかなければ、自分のやりたいことに意識を向けていくことは難しいでしょう。
自分を追い込むことなく生きるための考え方
では、自分を追い込まないように生きるには、どういった考え方をすると良いのでしょうか?僕の場合は、自分のうつ病の経験を通して、次のような考え方を持つようになり、気持ちに余裕を持った生活ができるようになりました。
1. 他人は、自分が思っているほど自分の言動を気にしていない
僕は、個人的にブログやツイッターをおこなっているのですが、情報発信をしていると、他人が思っているほど自分の行動に関心がないことに気づきました。
ブログやツイッターをはじめる前は、インターネット上に自分の考えを書き込むことで、色々な人から批判を浴びる覚悟でいたのですけれど、実際に情報発信をしてみると、誰からも反応が得られないことも多かったのです。
この記事を書いている時点で、僕には、ツイッターのフォロワーが約1,900人います。1度ツイートすれば、少なくとも約1,900人に自分の意見が届くので、多くの方から反響が得られそうなものです。
しかし、約1,900人の中でも、自分の情報発信した内容に関わらず、「いいね」や「リプライ(返信)」、「リツイート」などで反応してくれる方は、合わせても約20人ほどです。
もしかしたら、自分の言葉に興味を持っている人はもっと多いのかもしれませんが、他人が発信した言葉に意見をしてくるまでの人は、実は自分が思っているほど多くはないのです。
これまで、まじめにがんばることで他人に認められてきた経験が多い人であれば、何か行動を起こすたびに他人の評価が気になって、自分のやりたいような行動ができないということも多いかもしれません。
いつでも他人に評価されることを意識していると、プレッシャーから精神的に追い込まれることもあるでしょう。
自分を追い込まないようにするためには、まずは、自分が思っているよりも他人は自分の言動に関心がないことを理解するべきです。
試しに、自分と他人の立場を変えて考えてみてください。おそらく、自分が他人の言動に関心がないように、他人も自分の言動に関心がないことを理解できるはずです。
2. 反対する人もいれば、必ず賛成してくれる人もいる
僕は、ツイッターで情報発信をしたことで、もうひとつ重要なことに気づくことができました。それは、自分の意見に反対してくる人もいれば、必ず、賛成してくれる人もいるということです。
ツイッターで情報発信していると、時々、大きな反響が得られるツイートが出てきます。大きな反響が得られるツイートには、必ずといっていいほど、反対意見と賛成意見がついてくるのが特徴です。
具体的なイメージをしやすように、以下のツイートを見てください。このツイートは、のべ1万2,728人に見てもらうことができ、58回のリツイート、340個のいいねをもらえたツイートになります。
【うつ病が回復してきてから気づいたこと】
・仕事をしていない
→ダメじゃない・稼いでいない
→ダメじゃない・大したことができない
→ダメじゃない・誰の役にもたっていない
→ダメじゃない何かができないからと言って、自分が「ダメ」ということにはならなかった。
— うつ病ブロガー たぐ (@tagweblog) April 22, 2019
僕は、このツイートを自分のフォロワーに向けて、「仕事をしていないからと言って、自分が人間的に価値がないということにはならない」という意味を込めてつぶやきました。
僕のフォロワーには、うつ病などの精神的な病気を患い、働くことができなくなった方が多いので、そういった状況の方に向けて、働けないことで自分に「ダメ人間」のレッテルを貼ってしくないという思いでつぶやいたのです。
ところが、多くの反響があった中で、次のような意見ももらいました。
特に、働いていること自体に価値を置いている人や生きるためには仕事が必須と考えている人からには、僕のツイートは、間違った意見のように受け取られたように思われます。
もちろん、人によって考え方や価値観はさまざまです。ですが、自分の意見を反対されて、相手から自分を批判されたような感じがすると、誰でも自分の言動に自信を失ってしまいやすいものはないでしょうか?自信を失うと、誰でも自分のやりたいようには行動できなくなりがちです。
しかし、一方で、先ほどのツイートに対してはこういった賛成意見もあったのです。
つまり、何か行動を起こそうとする時には、一定数、必ず否定的な意見をしてくる人がいるけれど、必ず自分の言動を肯定的に見てくれる人もいるということです。自分が批判されることばかりを考えると、精神的に追い込まれてからだも動きにくくなるものです。
批判をする人がいる一方で賛成してくれる人が必ずいる。そう思えると、気持ちに余裕を持って、自分らしく行動しやすくなるでしょう。
3. 人によって、努力の仕方には違いがある
自分を追い込まないようにするには、自分と他人を比較しないことも必要です。ここで言う他人には、昔のうまくいっていた頃の自分も含まれます。
精神的に病んでいる時に他人と比較すると、自分のアラを探してしまったり、自分に足りないものばかりを求めてしまったりして、ますます追い込まれていきがちです。
人にはそれぞれ好きこのみがありますし、物事の向き不向きもあります。また、同じ人間であっても、からだのつくりが違えば努力できる程度も違ってきます。つまり、そもそも置かれている状況が違うので、他人と同じようにがんばってみようとしてみてもあまり意味がありません。
他人と比較して精神的に追い込むよりも、自分のからだに合った努力の仕方を探していったほうが、目の前の物事にも意識を向けやすくなるでしょう。
気持ちに余裕ができると、生きることが楽しく感じられる
まじめで頑張り屋な人は、他人の期待にこたえようとするあまり、ついつい無理をしがちです。
他人の期待にこたえられず、がっかりされたり、批判を受けたりすることを考えると、恐怖に感じられるかもしれません。ですが、実際には、自分が思っているほど他人はあなたの行動に関心を持っていませんし、反対されたとしても、自分に賛同してくれる人は必ずいるものです。
自分の考えに従って、誰からも縛られずに好きなことをおこなえると、人生も楽しく感じられてくるでしょう。気持ちに余裕をもって生活するには、他人を意識するよりも、まずは自分の考えを大事に生活することが重要です。
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