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セルフモニタリングとは?客観的に思考を整理してストレスをコントロールする方法

 
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たぐ
webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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自分の気持ちを整理するのが苦手な方のなかには、ストレスが溜まりやすいと感じる人も多いはず。他人には的確なアドバイスができるのに、自分のことになると冷静さを失ってしまうことはよくありますよね。

 

自分の気持ちを整理するには、頭のなかにある考えを客観的に観察できることが大切です。思考を客観的に観察できれば、ストレスを溜めすぎないように気持ちをうまくコントロールできるようになるでしょう。

 

ここでは、思考を客観的に観察する方法として「セルフモニタリング」について紹介します。

セルフモニタリングとは?

「セルフモニタリング」とは、自分の行動や考えを客観的に観察・記録することです。

 

身近なところでは、ダイエット中に食事内容や体重を記録したり、日課の散歩をしながら歩数や距離を記録したりすることも、セルフモニタリングです。

 

最近では色々な分野で用いられていますが、心理学のセルフモニタリングとは、自分が置かれている状況を俯瞰(ふかん)しながら、頭のなかの考えを客観的に観察・記録することを言います。

 

実は、頭のなかで物事を考えるだけでは、問題を整理したり、冷静に分析したりできないことも多いです。特に、自分にとって嫌なできごとがあった時には、問題を整理・分析できないことが、大きなストレスにつながってしまうこともよくあります。

 

そこで、頭のなかの問題を整理・分析し、ストレスが溜まらないようにうまく対処する方法がセルフモニタリングなのです。

 

ストレスが溜まりやすい原因

そもそも、どうしてストレスが溜まりやすいのでしょうか?ストレスが溜まりやすい方のなかには、自分のことを「心の弱い人間」と思っている人もいるかもしれませんが、これは大きな間違いです。

 

精神科医であり、作家やYoutuberとしても活動している樺沢 紫苑医師は、著書「人生うまくいく人の感情リセット術」のなかで、ストレスを受けた時のからだの反応について、次のように述べています。

私たちは苦しい状況に陥ると、不安と恐怖に支配され、気分も落ち込みます。しかし、それは生体のストレス反応、つまり条件反射のようなものです。

(引用 樺沢 紫苑(2018):人生うまくいく人の感情リセット術.三笠書房

 

このように誰でもストレスが溜まるもので、そのたびに気分が落ち込んだり、不安な気持ちになったりしていると言います。ですから、自分がストレスの溜まりやすいからと言って、一概に「心の弱い人間」とは限らないのです。

 

人によって、ストレスの受け方は違う

しかしながら、同じようにストレスを受けているにも関わらず、なぜ自分だけが落ち込んだり、不安な気持ちになったりしやすいのでしょうか?その理由は、あなたと他人とではストレスの受け方が違うからです。

 

例えば、何か物事をおこなった際にちょっとしたミスを犯したとしましょう。この時、ミスしたことを反省し、物事をすぐにやり直そうと考える人もいますが、なかには自分が取り返しのつかない失敗をしたような気持ちになり、強い落ち込みや不安を感じる人もいます。

 

このように、同じできごとが起きても、人によって物事の捉え方が違うので、ストレスの受け方も変わってくるのです。

 

当然、自分が都合の悪くなるように物事を捉える人のほうが、何か失敗をした時の気分の落ち込みや不安感は強くなります。ただし、このタイプの人は、しばしば事実とは違った物事の捉え方をしていることに注意が必要です。

 

他人からすると“ちょっとしたミス”しか犯していないにも関わらず、自分では“取り返しのつかない失敗”をしてしまったように思うのは、事実とは違った物事の捉え方をしている時の典型的パターンです。

 

要するに、事実とは違った物事の捉え方をしやすい人は、自分が都合の悪くなるように起こったできごとを解釈するので、気分の落ち込みや不安を感じやすく、ストレスも溜まりやすくなっています。

 

言い換えると、ストレスが溜まらないようにうまく気持ちをコントロールするためには、事実を歪めずに、正確に物事を捉えられるようになることが大切です。

 

正確に物事を捉えるには、客観的な思考の観察が必要

では、どのようにすれば事実を歪めずに正確に物事を捉えられるのかというと、もっとも重要なことは客観的に自分の思考を観察することです。

 

それというのも、ストレスが溜まりやすいタイプの人は、無意識に自分の都合が悪くなるほうへ物事を捉える傾向があるからです。

 

この傾向は、条件反射的で、自分のなかに“クセ”として根づいています。放っておくと、何かあるたびに気分が落ち込んだり、不安な気持ちになったりするほうへ、物事を捉え続けるでしょう。

 

ですから、いつもの“クセ”でストレスを溜めないように、客観的に思考を観察できるようになることが必要なのです。

 

セルフモニタリングのメリットとやり方

客観的に思考を整理するには、「セルフモニタリング」が役立ちます。

 

セルフモニタリングをおこなうことで客観的に自分の思考を観察すると、ストレスが溜まりにくいように気持ちをうまくコントロールできます。セルフモニタリングは、時には、うつ病などの精神的な病気の治療に用いられることも。

 

ここからは、セルフモニタリングをおこなうメリットと具体的なやり方について紹介します。

 

セルフモニタリングのメリット

臨床心理士として、多くのクライアントのカウンセリングをおこなってきた玉井 仁さんは、著書「マンガでやさしくわかる認知行動療法」のなかで、セルフモニタリングのメリットについて、次の2つを挙げています。

 

苦しみから一歩離れられる

ひとつは、苦しみの原因になっているストレスから一歩離れることで、気持ちを落ち着かせられることです。

 

気分が落ち込んだり、不安な気持ちになったりしている時には、誰でも頭のなかでネガティブな思考しか浮かばず、物事を冷静に考えられなくなりがちです。

 

そこで、セルフモニタリングをおこなってみると、ネガティブな思考から一旦離れられることができ、客観的に物事を観察できるようになるのです。

 

状況への対処が自然とできる

もうひとつは、自分が陥っている状況を理解することで、苦しい状況に対処する考え方が自然とできること。

 

例えば、上司から書類のミスを指摘されて不安な気持ちになった場合でも、自分が「不安になりすぎている」ことに気づくことができれば、不安感が軽くなるものです。あるいは、パートナーから家事のやり方について文句を言われて落ち込んでしまっても、「落ち込みすぎている」状況に気づけると、気分を自然と立ち直らせることができます。

 

以上のように、客観的な視点で、自分が置かれている状況を理解できることがセルフモニタリングのメリットです。

 

気分が落ち込んだり、不安な気持ちになったりした時に、ネガティブな思考に圧倒されて身動きできなくなる傾向にある人は、自分の置かれた状況を客観的に観察できることが重要です。

 

セルフモニタリングのやり方

セルフモニタリングは、次の5つの手順でおこなうことができます。

 

(1) 起こったできごとを書く
まずは、気分の落ち込みや不安感の原因になったできごとを書きます。

(2) 思ったこと(心のなかの気持ち)を書く
次に、起こったできごとに対する心のなかの気持ちを書きます。気持ちを書く時には、「うつっぽい」「イライラする」「不安で仕方がない」「疲れた」「頭がぐるぐるする」など、できるだけ思った通りのまま表現してみましょう。

(3) 頭のなかで考えたことを書く
それから、頭のなかで考えていることを書きます。例えば、「ミスをするなんて使えないヤツだ」「何もできないダメな人間だ」「大人なんだからしっかりすべきだ」「他人を罵倒するなんて、あの人は人間失格だ」など、心のなかの気持ちの背景にある自分の思考を書き出します。

(4) 書き出した考えが妥当かどうかチェックする
頭のなかの思考を書き出したら、自分の考えが妥当かどうかチェックします。

例えば、「ミスはしたけれど、誰でも失敗はするものだ」「自分にはできないこともあるけれど、できたこともたしかにある」「大人だからと言って、しっかりできないこともある」「他人を罵倒するなんて、あの人は気持ちに余裕がないのか?」など。

ほとんどの場合、妥当性をチェックしてみると、自分の偏った考え方が原因で気分の落ち込みや不安に陥っていたことに気づけるでしょう。

(5)対処の仕方を書く

最後に、気分の落ち込みや不安感への対処の仕方を書きます。対処の仕方を書くことで、ネガティブな思考から抜け出し、気持ちを楽に保ったり、自分の思ったような行動をとったりすることができます。

ここで言う対処の仕方とは、次のような考え方や行動のことです。

「誰でも失敗はするから、少々のミスは気にせずやっていこう」

「できないことではなく、できたことを数えるようにしていこう」

「しっかりできないということは、自分にも学ぶ余地があるということだ」

「あの人とは違う人間だから、一方的に罵倒されても同じようにはできないし、する必要もない」

 

以上のように、セルフモニタリングをおこなうと、自分が陥っている状況を整理して、思考を客観的に観察することができます

 

事実を歪めずに、物事を正確に捉えることができるようになると、気分の落ち込みや不安感に悩まされることが減り、ストレスも溜まりづらくなるでしょう。

 

ストレスが溜まりやすい方は、セルフモニタリングをくり返しおこない、自分の気持ちを整理する習慣を身につけてみてはいかがでしょうか。

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