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うつ病の食事で気をつけたいこと|からだに必要な3つの栄養素

2021/10/07
 
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webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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うつ病の治療をしていると、主治医からバランスの良い食事をするように言われます。

 

からだを良くするためには、栄養バランスが大事。ただ、食事を見直す必要性を理解しても、通院治療中の患者には栄養を指導してくれる専門家がいませんし、どういった食事が良いのか自分ひとりで悩むことも多いです。

 

僕も、昔から、菓子パンなどの高カロリーな食べ物やコーヒーなどの嗜好品が好きで、うつ病になってからも、そういった食品で食事を済ませては栄養を摂取した気持ちで満足していました。

 

ところが、こういった栄養バランスが偏った生活では、抗うつ薬を服用していてもからだの調子が良くならず、やる気の出づらさや疲れやすさなどの状態がなかなか改善しなかったのです。

 

一方で、食習慣を見直し、バランスの良い食事を意識してみると、体調不良に悩まされることも少なくなり、仕事や家事などができる時間が増えました。

 

うつ病の治療では、休息や服薬が重要と言われますが、同時に「食習慣や栄養バランスの改善」もおこなっていかなければならないのかもしれません

 

僕は、栄養バランスを考えた食事の大切さに気づいてから、栄養について勉強したり、色々な料理の工夫をしてみたりしました。そこで、うつ病で必要になる栄養素や食事の工夫について紹介します。うつ病になって、やる気の出づらさや疲れやすさなどの体調不良に悩んでいる方の参考になればと思います。

食事を見直す必要性

そもそも、からだは、食べ物や飲み物から摂取する栄養でできています。うつ病になる前から乱れた食生活をしていると、この当たり前の事実を見過してしまっていることも多いです。

 

うつ病になりやすい人は、日常生活の中で仕事を重視して、「睡眠」「食事」「休息」を軽視する傾向があると言われています。会社や家族のために仕事をがんばっている一方で、自分の健康を後まわしにしやすい傾向があるのでしょう。とはいえ、体調を良くしていくには、まずは自分のことを考え、からだづくりの基本である食事を見直すことが重要です。

 

実は、僕もうつ病になるまで、褒められたような食習慣をしてきませんでした。麺類や菓子パンだけの食事、肉料理中心の食事、野菜不足など、うつ病になる前から偏った食習慣になっていたんです。そのため、うつ病の治療の一環として「バランスの良い食事」と言われても、どういった食品を食事で摂取したら良いのかわかりませんでした。

 

栄養素の中には、からだの中に不足することで、うつ病のような症状が現れるものもあります。逆に、食事から摂取することで、うつ症状を軽くしてくれる可能性がある栄養素もあるのです。いずれにしても、体調を良くしていくには、からだが必要としている栄養素を積極的に取り入れていく必要があると言えるでしょう。

 

では、うつ病の時には、具体的にどういった栄養を摂取していけば良いのでしょうか?

 

うつ病の人に必要な3つの栄養素

「うつ病の予防や改善に効果がある」と科学的に証明されている栄養素は、主に3つあります。もちろん、これらの栄養素を摂取したからと言って、すぐに症状が良くなるというものではないでしょうが、体調を改善していくためには普段の食事で意識して摂取したいものです。

 

1. 不飽和脂肪酸

「不飽和脂肪酸」は、青魚などに多く含まれるEPAやDHAといった栄養素の総称です。

 

うつ病の研究では、血液中の「不飽和脂肪酸」の濃度が低い人ほど、抑うつ症状が強くなっているという結果が報告されているようです。また、うつ病患者は、血液中の「不飽和脂肪酸」の濃度が健常者よりも少ないとも言われています。

 

つまり、「不飽和脂肪酸」が多い人ほど抑うつ症状が軽くなったり、うつ病を予防できたりすることが明らかになってきているのです。

 

「不飽和脂肪酸」と聞くと難しく感じられたかもしれませんが、身近な食材では、「青魚(イワシ、サバ、サンマなど)」「緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草、カボチャ、ブロッコリーなど)」「オリーブオイル」などに含まれています。

 

 

僕は、青魚中心の食事にしてから、1日のうちに行動できる時間が増えました。以前までは、朝を中心に気分が落ち込んだり、何となくやる気が起きなかったりすることが多かったのですが、食事を変更して1ヵ月くらいが経過すると、毎朝、自宅でデスクワークをすることができるようになったのです。

 

もちろん、食事以外にも体調が良くなった要因があった可能性もありますが、毎日3食から摂取している栄養がガラッと変えたので、食事の影響も大きかったように感じています。抗うつ薬を服用しているけれども憂うつ感がなかなか良くならない場合には、食事から「不飽和脂肪酸」を多く摂取してみると良いかもしれません。

 

2. トリプトファン

そもそも、うつ病は、セロトニンと呼ばれるからだの中のホルモンが不足することで、意欲の低下や憂うつ感などを引き起こすと考えられています。抗うつ薬にも、セロトニンを増やすように働く薬が多いのはそのためです。

 

「トリプトファン」とは、からだの中でセロトニンを作る時の材料になる栄養素です。言い換えると、食事から摂取する「トリプトファン」が少なくなると、からだの中のセロトニンも不足しやすく、意欲の低下や憂うつ感などのうつ症状にもつながりやすいと言えます。

 

「トリプトファン」は、「肉類」「乳製品」「大豆製品」「赤身の魚」「バナナ」「ごま」「ナッツ類」に多く含まれています。

 

 

僕の場合は、以前から肉や豆腐、チーズなどをよく食べる習慣があったので、「トリプトファン」を摂取するために食習慣を大きく変える必要はありませんでした。

 

人によっては、「肉類」や「赤身の魚」などを食べるための調理が手間に感じることもあるでしょう。料理をする習慣がない場合は、「牛乳」や「バナナ」、「ナッツ類」であれば、調理をする手間がないので、気軽に「トリプトファン」を摂取しやすいです。

 

3. 葉酸

一般的に「葉酸」は、妊婦が摂取するようすすめられている栄養素です。

 

いまのところは、「葉酸」により、うつ病の回復や予防に明らかな効果があるとははっきりしていません。しかし、最近では、うつ病患者が血液中の「葉酸」濃度が低いこと、「葉酸」が不足している人にうつ症状の発症リスクが高まることが研究で明らかになってきているそうです。うつ症状を軽くできる可能性がある栄養素として、「葉酸」が注目されています。

 

「葉酸」は、「果物(いちご、オレンジなど)」「緑葉野菜(ほうれん草、小松菜、ブロッコリーなど)」「レバー」などに多く含まれています。

 

 

「葉酸」が含めれる食材の中でも、僕のおすすめは「緑葉野菜」です。というのも、「果物」や「レバー」は、からだのためとはいえ、頻回に食べるには費用がかかるからです。

 

ほうれん草や小松菜などの「緑葉野菜」は、スーパーでも買い求めやすいので、家計の負担が少なく、毎日の食事に取り入れやすいですよ。

(参考:渡部芳德、野口律奈(2014).うつの症状を飲んで食べて改善、元気いっぱいにする食事162  主婦の友社

 

このように、からだの調子を整えるためには食事の栄養が重要になります。ただ、そうは言っても、日常生活で必要な栄養素を摂取することが難しい場合も多いでしょう。実際に、僕は、約1ヵ月ほど栄養素のことばかり考えながら生活してみたのですが、毎日の食習慣を変えるのは大変でした。

 

食材の価格が高いと、費用がかかって金銭的な負担も増えますし、毎回料理をする時間やレパートリーもありません。また、僕の場合は、小学生の娘がいるので、自分のからだに必要な食材のことだけ考えて料理をつくっても、子どもは食べてくれないことが多かったです。このような事情を踏まえると、必要な栄養を摂取するには、毎日の食事に自分なりの工夫が必要になるでしょう。

 

では、うつ病のからだに必要な栄養素を摂取するには、具体的にどういった工夫をおこなっていけば良いのでしょうか?

 

食習慣を変えるためにできる身近な工夫

うつ病の患者向けの本やホームページを見ると、専門家がさまざまなメニューを紹介してくれています。しかし、当事者としては、そもそも手のこんだ料理をつくることが億劫な場合も多いですし、働けない状態では、理想的な食材を買うための材料費も多くは出せません。

 

そこで、僕は、食習慣を変えるために3つの工夫をおこなっています。

 

1. 料理の品数を増やす

料理の品数を増やすと、使っている食材も増やしていきやすいです。おひたしや野菜炒めのように、「切ってゆでるだけ」「切って焼くだけ」のメニューであれば、調理の手間が少なく料理の品数を増えせます。

 

ただ、料理の品数を増やすと、どうしても食材費が高くなってしまうこともあるかもしれません。満足に働くことができない時には、ついつい食材費を削りがち。栄養を摂取する必要があるのに、食事の内容を簡素にするという悪循環に陥ってはいないでしょうか?

 

食材にお金をかけにくい場合には、スーパーの見切り品を使ってみるのもおすすめです。実は、見切り品と一口に言っても、スーパーによっては正規品との違いがほとんどない商品も置いてあり、正規品よりもずいぶんと安い値段で購入することができることもあります。

 

形が変わっている、色が落ちている、日付が経っているなど。正規品との違いが気にならないのであれば、見切り品を使いながら、料理の品数を増やしてみると良いでしょう。

 

2. 料理に野菜をちょい足しする

肉などの食材に比べると、野菜が不足しやすい傾向はないでしょうか?仮に、外食や弁当などで食事を済ませたとしても、炭水化物や肉料理などがほとんどです。自分で料理をする時に意識をしない限り、習慣的にさまざまな種類の野菜を摂取することは難しいでしょう。

 

では、どのように野菜を摂取すれば良いか?僕のおすすめは、料理をする時に「野菜をちょい足し」することです。

 

例えば、大根と油揚げの味噌汁に乾燥ワカメを入れてみたり、野菜炒めにカボチャの薄切りを入れてみたりなど。料理に野菜を1つ足すように意識するだけでも、1日に摂取できる野菜の量や品目を増やすことができます。

 

野菜をちょい足しするポイントは、自分の固定観念を捨てることです。「このメニューにはこの食材」といった固定観念があると、多くの食材を使いにくくなります。意外な食材が料理と相性の良い場合もありますし、野菜が増えると多くの野菜の味も楽しめるので、味つけも薄くでき、からだにも良いですよ。

 

3. 魚は、外食や保存食にも頼る

「うつ病には青魚が良い」と言われても、いままで魚を食べる習慣がない人にとっては、魚を自分の食習慣に取り入れることは難しいものです。魚は、調理の時に臭いが気になりますし、料理によっては手間もかかります。

 

魚を調理することが大変な場合には、外食を魚料理にしたり、魚の缶詰を買ったりするのも良いアイディアです。

 

僕は、外食では、よく回転寿司を利用しています。そもそも回転寿司が好きという理由もあるのですが、回転寿司であれば、生の青魚を食べることができるので、「不飽和脂肪酸」を無駄なく摂取しやすいです。

 

また、「不飽和脂肪酸」は、サバやサンマなどの青魚に多く含まれているので、サバやサンマなどの缶詰を買ってみるのも、手軽に青魚を食べることができて良いでしょう。

 

調子があがらない時は食習慣も見直してみる

栄養のバランスが良い食事は、からだの調子を整えていくために重要です。うつ病で休息や服薬をおこなっても調子があがりにくい場合には、食事を見直してみる必要もあるでしょう。

 

うつ病の時には、「不飽和脂肪酸」「トリプトファン」「葉酸」の3つの栄養素を摂取すると良いと言われています。普段の食事をちょっと意識するだけでも、からだが必要としている栄養素を摂取することができます。

 

うつ病による体調不良を良くしてためにも、まずは自分の食習慣を見直してみてはいかがでしょうか?

 

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