うつ病人の生き方・働き方改革

うつ病では退職や休職のどちらがいいのか?メリットやデメリットを紹介【体験談】

2019/07/27
 
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たぐ
webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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「やめるべきか?」「続けるべきか?」

 

 

 

 

うつ病になると、退職と休職の悩みはつきもの。これまでに働けなくなった経験がなければ、どういった判断をして良いのか迷うでしょう。

 

 

 

 

現在、僕は在宅ワーカーとして働いているのですが、うつ病になった当時には、退職と休職のいずれも経験しました。退職と休職を経験したうつ病の当事者からすると、しばらく生活できるだけのお金さえ確保されいれば、どちらを選んでも正解だと思います。というのも、退職や休職のいずれにも、メリット・デメリットがあったからです。

 

 

 

 

ただ、そうはいっても、経験したことがないと退職や休職の判断には不安がつきもの。そこで、自分の経験からわかった退職や休職のメリット・デメリットを紹介します。どちらを選択すれば良いのか?判断に迷っている時の参考にしてみてください。


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うつ病になったら退職と休職のどちらを選ぶ?

一般的に、うつ病では、会社をやめるなどの重要な決断は後まわしにするよう言われています。そのため、主治医に相談したり、うつ病の本を読んだりしても、退職より休職をすすめている場合が多いでしょう。

 

 

 

 

 

そもそも、なぜうつ病では、いきなり退職を決断すべきではないのでしょうか?それは、うつ病が、物事を複雑に考えたり、冷静な判断をしたりすることを難しくする病気だからです。

 

 

 

 

 

実際、僕がうつ病になった時も、「仕事を続ける」「会社をやめる」という極端な判断しかできなくなっていました。「とりあえず休職してから今後について考える」という選択肢は、思いつくことさえできなかったのです。

 

 

 

 

 

必ずしも、退職より休職のほうが良い判断という訳ではありません。休職をすると、からだを休めることはできますが、会社に対して、休んでいる後ろめたさや罪悪感などを感じて、追いつめられるような気持ちにもなる場合もあるからです。

 

 

 

 

では、具体的に退職や休職のメリット・デメリットは、どういったところにあるのでしょうか?

 

休職のメリット・デメリット

まずは、休職をするメリット・デメリットについて見ていきましょう。

 

1. メリット

・ 復職をする会社(職場)がある

・ 仕事復帰後に、新しい仕事を覚える必要が少ない

・ 所属している会社があるので、社会的な疎外感が少ない

 

2. デメリット

・ 会社や同僚に対して、仕事を休んでいる罪悪感がある

・ 迷惑をかけたくないので、復職を焦りたい気持ちが強くなる

・ 療養しても、会社や仕事のことが頭から離れにくい

 

 

休職の大きなメリットは、復職をする会社があるということ。これは、当たり前のようなことに感じるかもしれませんが、重要なことです。というのも、うつ病の場合、体調が回復したからと言って、病前と同じようにいきなりバリバリ働けるとも限らないからです。だから、転職活動をしたり、新しい仕事を覚えたりしなくて良いのは、病気が治りきっていないからだにとっては、負担が少なく働きやすいでしょう。

 

 

 

 

また、休職は、会社に所属しているので疎外感が少ないこともメリットです。僕の場合は、うつ病になってから会社を退職したのですが、そうすると、例えば、親戚や友人に近況を話しにくくなったり、自分の身分を名乗りにくくなったりしました。特に、男性は、まだまだ「会社で働くもの」という世間の認識や自分の価値観があるでしょうから、周囲に近況や身分を説明しにくくなるタイプの人は、休職を選んだほうが良いかもしれません。

 

 

 

 

逆に休職のデメリットは、療養中にも会社や仕事のことが頭から離れないことです。色々な準備をしてから休職ができる訳ではないので、「残した仕事」「同僚への負担」「復職後の対応・待遇」など、そういったことが療養中にも頭に浮かび、復職を焦らなければいけないような気持ちになります。休職をするのであれば、「いまは休むことが仕事」と割りきって、会社や同僚のことは一端忘れたほうが良いでしょう。

 

退職のメリット・デメリット

一方で、退職には、どういったメリット・デメリットがあるのでしょうか?次は、うつ病で退職した場合のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

 

 

メリット

・ 会社からの拘束感がない

・ 会社や同僚に対する罪悪感がない

・ 療養に使える期限がない

 

デメリット

・ 家族に対して、仕事を休んでいる罪悪感がある

・ 回復した後に、新たに仕事を探す必要がある

・ 社会的な疎外感がある

 

 

退職するメリットは、何といっても「会社に縛られなくなる」こと。復職のことを考えたり、仕事を休む罪悪感がなかったりすると、誰かに気遣いするストレスがずいぶんと少なくなるので、「ゆっくりからだを治していこう」と考えやすくなります

 

 

 

 

ただ、退職をすると、所属する組織がなくなるので、自分の立場や存在価値といったことを見失いやすくなるかもしれません。例えば、役所の書類ひとつとっても、「会社員」「自営業」「主夫・主婦」ではなく、「その他」になるので、なんだか自分が社会の一員から外されたようにも感じてしまうことがありました。働くことが生きがいになっていた人にとっては、自分の居場所がなくなったように感じられることも。退職をするのであれば、仕事だけを生きがいに感じている価値観を変えていったほうが良いでしょう。

 

退職や休職を考える時に重要だったこと

最後に、僕がうつ病になってから感じた、退職や休職を考える場合の重要なことを2つ紹介します。これからの職場環境を考えたり、療養生活をしたりする上ではポイントになると思うので、参考にしてみてください。

 

 

1. 今の会社に戻りたいと思う気持ち

僕は、退職や休職を選ぶ時のポイントは、「今の会社に戻りたいと思えるかどうか」だと考えています。というのも、戻りたいと思えるような会社でなければ、休職をしたところで、そもそも会社で仕事を再開する気持ちにはなれません。それどころか、戻りたくもない会社に復職することを考えるだけで、心から休息することは難しいでしょう。

 

 

 

 

 

一方で、自分が戻りたいと思える会社であると、体調が回復すれば、会社や同僚のサポートをもらいながら仕事復帰しやすいです。実際、僕は、うつ病で2つの会社を休職した経験がありますが、復職がうまくいったほうの会社は、働きやすい職場の雰囲気、うつ病に理解ある人間関係、サポートしてくれる同僚の存在があったからでした。

 

 

 

 

 

「今の職場でもう一度働きたい」という気持ちが持てる会社は、うつ病を抱えながらも、復職していきやすい会社と言えるのではないでしょうか?

 

 

 

 2. 療養中の生活費

退職や休職の判断と同じくらい、療養中の生活費の確保は重要になります。働いていなくても、お金があれば生活に困らないですし、当面の生活費の心配がないほうが療養に専念しやすいです。

 

 

 

 

うつ病の場合、療養中の生活費としては、自分の「貯金」のほかに「各種の制度」が利用できます。うつ病者が利用できる制度には、主に「傷病手当」と「失業保険」があるのですが、これらの制度は、会社ごとに支給の仕組みや手続き方法が異なってくることもあるので、詳しいことは、勤務している(勤務していた)会社の事務に問い合わせることをおすすめします。

 

 

 

 

 

ここでは、利用できる制度がイメージしやすいように、簡単に制度の特徴をまとめてみました。

 

① 傷病手当金

「傷病手当金」とは、病気やケガをして、会社から給料が支払われない期間があった時に、健康組合から一定額のお金を支給してもらえるサラリーマンの生活を保障してくれる制度です。「傷病手当金」では、給料の2/3の金額が支給してもらえます。

 

 

 

 

ただし、「傷病手当金」の支給を受けるには、以下の条件が必要です。

(1) 業務以外の理由による病気であること
(2) 休業中であること
(3) 休業期間中に、会社から給料が支給されていないこと
(4) 3日以上連続で会社を休んだ日がある(下のイラストを参照)

(参考:全国健康保険協会

 

 

 

 

僕の場合は、会社を3日間休んだ後に、1日出勤し、その際に休職したいことを職場に伝えました。休職する前に、3日間以上の欠勤があったので、「傷病手当金」をもらうことができたのです。

 

 

 

 

会社にいかなくても、給料の2/3の金額が支給されていれば、自分のライフスタイルを大きく変える必要がありません。生活費が確保されていると、精神的にも楽になり、療養に専念しやすくなるので、必ず申請するようにしましょう。

 

 

② 失業保険 

「失業保険」は、会社をやめた失業中の人で、なおかつ新たな仕事を探している求職中の人が受給できる保険です。残念ながら「失業保険」と「傷病手当」を同時に受給することはできません。退職してから、うつ病を療養している期間は「傷病手当」、回復して仕事を探しはじめてからは「失業保険」を受給するというようにイメージしてください。

 

 

 

 

「失業保険」の支給を受けるには、以下の条件が必要です。

(1) ハローワークで求職の申し込みをしている
(2) 転職活動をしているが、仕事が見つからず失業状態にある
(3) 退職した日以前の1年間に、雇用保険の被保険者であった期間が通算で6ヵ月以上ある

(参考:ハローワークインターネットサービス
僕は、「失業保険」を受給することができませんでした。理由は、僕の場合、「フリーランスで仕事復帰をした」「雇用保険の被保険者期間が足りなかった」ため、「失業保険」の受給要件を満たすことができなかったんです。

 

 

 

 

どういう形で仕事復帰するかにもよりますが、「失業保険」を受給していれば、求職中の生活費の心配が少なくなります。「失業保険」は、ハローワークで手続きが行えます。うつ病が完治していないからだに負担をかけずに、仕事を探しやすくなるでしょうから、会社への仕事復帰を考えているなら申請するようにしましょう。

 

自分のからだと生活費を中心に考える

うつ病になるタイプは、真面目な人が多いと言われます。病気でやむを得ず仕事から離れなければならなくなったとしても、会社への迷惑や同僚への負担をかけないように、休職期間を短くしたり、職場をやめられなかったりすることもあるでしょう。

 

 

 

 

 

ただ、スタッフひとりがいなくても、ほとんど普段通りにまわっていくのが会社というもの。ですから、会社や仕事のことはできるだけ考えずに、いまの自分のからだに必要な療養の形を選ぶようにしたいです。

 

 

 

 

 

この記事では、うつ病で退職や休職をするメリット・デメリットを紹介しましたが、当面の生活費が確保できるのであれば、どちらを選んでも正解だと僕は思います。自分のからだや生活に負担をかけないような方向で、退職と休職を考えてみてはいかがでしょうか?

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