うつ病人の生き方・働き方改革

認知行動療法のトリプルカラム法をうつ病当事者がやるとこうなる

2019/08/05
 
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たぐ
webライター・ブロガー。うつ病当事者。うつ病になった人に向け、会社で働く以外のフリーランスとしての働き方・生き方を情報発信。うつ病と付き合いながら、〝自分らしい〟人生の歩み方を模索中。
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「落ち込んだ気分を変えて、楽に過ごしたい。」、認知行動療法を行ってみると、ネガティブな気分で、何も行動できなくなる状態を防ぐことに役立ちます。

 

 

 

 

「△△療法」と聞くと、とっつきづらく、難しそうな感じがしますが、認知行動療法は、ノート・ペン・認知行動療法の本があれば、自分で行うことができます。特に、トリプルカラム法は、やり方さえわかれば簡単です。

 

 

 

 

認知行動療法の本は、色々と出版されていますが、うつ病の当事者として、自分でどのように行ったらいいか、イメージしづらいと思うんですよね?

 

 

 

 

僕は、うつ病の回復期になって、認知行動療法のひとつ、トリプルカラム法を何度か行っています。「何度か」というのは、気が向いた時でなければ、認知行動療法を行うのも億劫に感じられるからです。

 

 

 

 

気分が落ち込みそうになった、または落ち込んだ時に、自分でトリプルカラム法を行ってみると、何も行動ができなくなるまで、ネガティブな気分になることを防ぐことができました。

 

 

 

 

認知行動療法は、どうやるの?トリプルカラム法ってどういうもの?といったように、自分で行う時の参考になるように、うつ病当事者が実践している方法を説明します。


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認知とは、物事の捉え方

まずは、認知とは何か、復習するところからはじめましょう。「認知」と、次に説明する「認知の歪み」について理解しないと、ネガティブな気分をコントロールするために、認知行動療法を自分でできないからです。

 

 

 

 

認知とは、物事の捉え方です。

 

 

 

 

例えば、家族に「うちはお金がない」と言われたり、SNSで知り合いの活躍を見たりした時に、それらをどのように捉えるかは、人によって違いますよね?僕なら、お金がない危機感から、何もする気力が起きなくなりますし、知り合いの活躍している姿がキラキラして見えると、「僕なんて…」と落ち込んでしまいます。

 

 

 

 

どのように物事を認知するかは、人によって違いますし、認知が違うから、同じようなことが起きても、ネガティブに捉える人がいたり、ポジティブに捉える人がいたりするんです。

 

 

 

 

うつ病の人は、この認知が歪んでいると考えられ、事実を歪んで捉える傾向が強いようです。物事を歪んで捉えた結果、気分がネガティブになることを防ごうとするのが認知行動療法です。

 

認知行動療法を行うために、認知の歪みの10パターンを知る

認知行動療法を行うためには、認知が歪む10種類のパターンを知る必要があります。事実を歪めずに、物事を捉えることができるようになるには、ネガティブな気分に陥った時に、どのような偏った考え方をしているか、気づく必要があるからです。

 

 

 

 

認知行動療法の本から引用した認知の歪みについて、以下に書きました。認知行動療法のトリプルカラム法を説明する時にも使う言葉なので、一読してみてください。

 

 

① 全か無か思考

ものごとを白か黒のどちらかで考える思考法。少しでもミスがあれば、完全な失敗と考えてしまう。

 

 

② 一般化のしすぎ

たった1つの良くない出来事があると、世の中すべてこれだ、と考える。

 

 

③ 心のフィルター

たった1つのよくないことにこだわって、そればかりくよくよ考え、現実を見る目が暗くなってしまう。ちょうど、たった1滴のインクがコップ全体の水を黒くしてしまうように。

 

 

④ マイナス化思考

なぜか良い出来事を無視してしまうので、日々の生活がすべてマイナスものになってしまう。

 

 

⑤ 結論の飛躍

a.心の読みすぎ:ある人があなたに悪く反応したと早合点してしまう

b.先読みの誤り:事態は確実に悪くなる、と決めつける

 

 

⑥ 拡大解釈(破滅化)と過小評価

自分の失敗を過大に考え、長所を過小評価する。逆に、他人の成功を過大に評価し、他人の欠点を見逃す。双眼鏡のトリックとも言う。

 

 

⑦ 感情的決めつけ

自分の憂うつな感情は現実をリアルに反応している、と考える。「こう感じるんだから、それは本当のことだ。」

 

 

⑧ すべき思考

何かやろうとする時に「~すべき」「~すべきでない」と考える。あたかもそうしないと罰でも受けるかのように感じ、罪の意識をもちやすい。他人にこれを向けると、怒りや葛藤を感じる。

 

 

⑨ レッテル貼り

極端の形の「一般化のしすぎ」である。ミスを犯した時に、どうミスを犯したかを考える代わりに自分にレッテルを貼ってしまう。「自分は落伍者だ。」他人が自分の神経を逆なでした時には「あのろくでなし!」というふうに相手にレッテルを貼ってしまう。そのレッテルは感情的で偏見に満ちている。

 

 

⑩ 個人化

何か良くないことが起こった時、自分に責任がないような場合にも自分のせいにしてしまう。

 

引用:デビット・D・バーンズ(2013).いやな気分よ さようなら コンパクト版 星和書店

 

 

 

書籍によって微妙に表現の違いがありますが、おおよそ、認知の歪みは、以上のような説明で書かれています。

 

 

 

 

 

僕は、自分がネガティブな気分になった時を考えると、どれか1つにあてはまるというよりは、たいてい、2つ3つの認知の歪みが重なっていることが多いような気がしますね。例えば、家族に「うちはお金がない」と言われた時には、全ての原因が、自分がうつ病になったことにあるように感じますし(個人化)、住宅を購入したこと、今までお金を使ってきた全てのことが、何か悪いことだったように感じました(一般化のしすぎ)。

 

 

 

 

そうしてネガティブな気分になっていると、この先、生きていたって何もいいことないんだろうなぁ~と、将来が確実に悪くなるように、結論を飛躍して考えてしまうといった感じですね。

 

たぐ
こんな感じで、事実を歪んで捉えていれば、うつうつした気分にもなりやすいです。ネガティブな気分から抜け出したかったので、簡単にできそうなトリプルカラム法をやってみようと考えたわけです。

 

 

トリプルカラム法のやり方と実践例

認知行動療法のトリプルカラム法は、ノートを3つの枠で分割して行います。「トリプルカラム」という名前で呼ぶと、難しく感じられますが、3つ(トリプル)の列(カラム)でやりましょうということです。

 

 

 

1.トリプルカラム法のやり方

トリプルカラム法を行う時には、はじめに、ノートに縦2本の線を引きます。ノートは何でも構いません。僕は、ブログのメモ帳として使っているA4やB5のノートを使っています。

 

 

 

 

ノートに線を引いた後、下の表のように、左側に、自分の頭に湧いた否定的な考え(自動思考)を書きます。この自分を否定する考えは、人生で培ってきた経験や価値観などによって、自動的に頭に湧いてくるので、「自動思考」と言います。

 

 

 

 

 

 

自分を否定する考えに気づき、ノートに書くことができたら、次に、その考えが、認知の歪みのどれにあてはまるかを真ん中に書いてみてください。最後に、今思っている考えが、妥当なものかどうか判断するために、右側に、事実を書きます。

 

 

 

 

 

僕が、自分でトリプルカラム法をやってみた時に、自動思考、認知の歪み、合理的な反応を書いてみて感じたポイントについて、それぞれ挙げてみました。

 

 

 

 

● 自動思考自分の中に、湧き上がってきた考えを飾らず、ストレートに書いた方が、自分がどのような考えから、ネガティブな気分になっているかがわかりやすいです。自動思考を書く時には、ネガティブな考えになった状況も書くと、ノートに自分の考えを吐き出しやすいですよ。

 

 

● 認知の歪み:トリプルカラム法を行う時は、認知の歪みの説明について、何度も見返さないと、どのような歪んだ考えをしているかわかりません。認知の歪みを見返すことで、自分の偏った考えに気づけ、気分が少し楽になると思います。

 

 

● 合理的な反応:自分が、事実を歪めて捉えていたことに気づける部分です。例えば、「今日も何もできなかった…」と思う日がよくあると思うんですけれど、振り返ってみると、家事をしたり、散歩をしたり、全く何もできていない日ってないですよね?ここは、起こった事実を歪めずに捉える部分。僕は、自分が行ったことを認めたり、賞賛したりする中で、自己批判的な考えから、自分を守る部分だと考えています。

 

 

たぐ
形にこだわり過ぎると、考えや言葉が出てきにくくなるはず。最初は、言葉にするのが難しいので、とりあえず、思ったまま書いてみると、言葉が出てきやすいですよ。

 

 

 

2.トリプルカラム法をやってみた

ということで、自分で、トリプルカラム法を行ってみました。以下に、トリプルカラム法を行ってみて、自分を認めたり、賞賛したりし、気分の落ち込みを防ぐことができた例を3つ挙げています。トリプルカラム法を行うにいたった状況を説明した後に、トリプルカラム法を行ったノートの内容を載せました。

 

 

 

1) 自分の無力さを否定し、価値を認められた

1つ目は、平日の朝、自転車で小学1年生の娘を登校班の集合場所まで連れて行き、自宅に帰る途中に寄ったコンビニで、お茶菓子を買った時です。僕は、コンビニでお茶菓子を購入し、レジでお金を支払った後に、店員から「行ってらっしゃいませ。」と声をかけられました。

 

 

 

 

コンビニの店員の言葉に、仕事をしていない自分の存在が否定されたように感じ、気分が悪くなってきました。現在、まともに仕事や家事をしていない僕は、自分が何もできない無価値な人間に思えてきて、コンビニを使ったことに罪悪感を感じたんです。

 

 

 

 

そこで、自宅に帰ってから、ノートを開き、起こった出来事と、自分の中から湧き上がってきた考えを整理してみようと考え、トリプルカラム法を行ってみました。

 

 

 

 

 

トリプルカラム法を行ってみると、娘を登校班に送りとどけたり、朝食を用意していたり、「自分がやれていた役割」に気づくことができ、自分が何もできない無価値な人間という考えを否定することができました。

 

 

 

 

頭の中で考えていると、自分を批判する考えが堂々めぐりし、いつの間にか、頭が働きにくくなったり、寝込みたくなったりするようなネガティブな気分になりがちですよね?自分の考えを整理して、事実を歪んで捉えていたことに気づけると、ネガティブな気分に陥ることなく、気分が楽になってきた実感がありました。

 

 

 

 

また、自分が「コンビニによる程度のこと」で、自分を否定するような考えを持つ、ストレスを溜めやすいクセがあることにも気づけたんです。

 

たぐ
年中、ネガティブな考えが浮かんできてたら、そりゃ、うつっぽくもなるし、疲れるのも当たり前ですよね?自分で言うのもなんだけど。

 

 

 

2)自分で、責任のとれる範囲を把握できた

2つ目の例は、周りで起こった出来事について、自分が悪いことをしたような気になり、ネガティブな気分になった時です。

 

 

 

 

僕の妻は、会社務めをしていて、毎朝、忙しそうに出勤の準備をしています。妻がリビングを動きまわっている時、リビングの棚に妻のからだがぶつかり、棚の上にあった物が落ちました。妻は、イラだったような声を出し、そのイラついた様子を見た僕は、まともに仕事や家事ができない自分に責任があるように感じて、気分が重くなってきました。

 

 

 

 

振り返ってみれば、自分に責任なんてないじゃん?と思うような時でも、その時には、罪悪感を感じてしまうことってありませんか?そこで、どうして重い気分になっているのか、自分が考えていたことをトリプルカラム法で整理してみることにしたんです。

 

 

 

 

トリプルカラム法で整理してみると、なぜか、妻が起こしたミスに対して、自分が責任をとろうとしており、妻のイラだった感情が、自分に向けられているように思い込んでいることに気づきました。

 

 

 

 

家族と言えども、他人の感情に責任をとることはできません。自分で責任のとれる範囲が整理できたことで、他人の感情や言動に左右されて、ネガティブな気分になることを防げたように思います。

 

 

 

 

トリプルカラム法を行ってみたからと言い切れませんが、自分に責任がとれないことに対して罪悪感を持ったままでいると、ネガティブな気分に陥って、行動する気が失せるくらい、うつうつしてくることが多いと思うんですよね。

 

 

 

3)自分の人生を肯定できた

3つ目の例は、妻の一言がきっかけで、うつ病で療養している生活が、全て無駄なものに感じた時です。

 

 

 

 

我が家の収入と支出について、妻と話をしていて、自分の考えがまとまらなくなり、僕は、「ちょっと、頭がまわらないから、また今度にしてくれない?うつ病になってから、頭が働きにくいんだよね…。」といった類いのことを言ったところ、妻から、「うつ病について理解して欲しいなら、通院に一緒に行かせるとか、そこは努力しなきゃいけないんじゃない?」と返答されたことがありました。

 

 

 

 

僕は、妻の一言を聞いた瞬間に、うつ病で療養している生活の全てが、無駄なもののように感じられてきました。妻の一言を聞いた時には、泣きじゃくるしかなかったんですが、気分を持ち直すために、泣いて高まった気分が落ち着いてから、トリプルカラム法を使って、考えを整理してみました。

 

 

 

 

 

 

自分の考えを整理してみると、たしかにうつ病が回復してきていること、うつ病になってから初めて挑戦できたことなど、うつ病になってからの自分の人生を肯定的に振りかえることができたんです。

 

 

 

 

自分を批判するような考えが浮かび、ネガティブな気分が高まった時には、自分のやってきたこと全てが、無駄なものだったように感じることがよくあります。他人から批判的なことを言われたように感じても、自分で、自分が行ったことを肯定できると、気分を楽に保つことができ、過度な落ち込みを防ぐことができるように思います。

 

トリプルカラム法をやってみて、気づいたこと

実際に、トリプルカラム法を行ってみると、以下のようなことに気づきました。

 

 

 

 

トリプルカラム法をやってみて、気づいたこと

● ネガティブな気分により、落ち込むことを防げる

● 実践した後は、気分が楽になる

● 療養している自分に、罪悪感が少なくなる

● 些細なことにも、ネガティブな気分になっていることに気づける

● 「△△法」といった感じに、かしこまらずにやった方がいい

● 不安感が強すぎる時は、自分1人では取り組めない

 

 

 

いつ何時でも、トリプルカラム法で解決する訳ではありません。

 

 

 

 

ただ、頭で考えすぎて、いつもネガティブな考えが、頭の中を堂々めぐりしているようなタイプには、自分の考えを整理し、ネガティブな気分になることを防げるので、トリプルカラム法は、自分の気分を楽に保つ方法として、役に立つと思います。

 

関連記事:認知の歪みの例が理解できると、ストレスを上手に受け流せる

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