うつ病で自宅療養中!「暇を持てあます」あなたにおすすめしたい当事者がやって良かったこととは?
うつ病で自宅療養していると、「暇」を感じることも多いはず。
調子が良い日に何もすることがないと、持てあました暇な時間が不安に感じられてきますよね。
「何かしなきゃ…」という思いが湧いてくると、気持ちが焦ることもあるでしょう。
僕は、うつ病になってから2年になります。
現在は通院治療を継続しながら、仕事や家事ができるまでに体調が戻ってきました。
僕の場合は、自宅療養中に色々なことをしてきました。
ここでは、うつ病で自宅療養している人に向け、暇な時間を有効活用する方法についてお伝えします。
目次
うつ病の人には、しっかりとした休息が大切
当事者としては、社会復帰を焦るものです。
しかしながら、専門家は、うつ病の人は、「とにかく休むこと」「休むことが仕事」と言っています。
うつ病の患者さんは、心身ともに疲れきった、いわばエネルギーが枯渇してしまった状態にあります。そのような状態で仕事などを続ければ、さらに心身を消耗し、仕事上のミスなどもふえて、それがさらにあせりにつながり、悪循環に陥ります。しっかりと仕事に復帰するためにも、いまは休むことが「仕事」と割りきり、治療に専念することが大切です。
(引用 坪井 康次(2017):患者のための最新医学 うつ病.高橋書店)
中途半端な休息は失敗やミスにつながり、結局は仕事復帰を遅らせます。
実は、僕自身も、同じような経験があります。
うつ病をきっかけに休職してから、十分に休息をとらないまま復職をしたのですが、意欲や体力・集中力といった能力が回復して折らず、仕事復帰に失敗したんです。
しっかりとした休息の大切さについて身を持って実感しています。
ですから、自宅療養中に「暇」を感じられる余裕が出てきたのであれば、エネルギーを充電する期間として、休息したり療養生活を満喫したりすると良いでしょう。
「暇」を感じてからやって良かった過ごし方
では、自宅療養中に「暇」を感じた時には、どのような過ごし方をすれば良いのでしょうか?
ここからは、うつ病当事者として、僕がやってみて良かったおすすめの過ごし方を紹介します。
好きなことを好きなように楽しむ
僕の場合は、好きなことを好きなように楽しむようになってから、「仕事をしたい!」「家事をがんばろう!」といったように、日常生活に必要な意欲が湧くようになりました。
作家やYouTuberとしても活動している精神科医の樺沢医師は、自著「頑張らなければ、病気は治る」のなかで、次のように言っています。
頑張れば頑張るほど、症状が悪くなることがあります。それは、闘っているから。闘うほどストレスは増え、免疫力も自然治癒力も低下し、病気は悪くなるのです。闘うことでストレスホルモンと呼ばれるアドレナリンやコルチゾールが分泌され、身体に様々な害を引き起こすからです。
言い換えると、病気を治そうと努力して闘うよりも、自分の生活や好きなことに没頭できたほうが、からだにも良い影響があるということなのでしょう。
ちなみに、僕は、もともと文書を読んだり書いたりするのが好きだったので、療養中も暇を感じ気持ちに余裕がある時は、ブログを書いていました。
好きなことに没頭できると、その時間だけは、うつ症状のつらさや仕事復帰の悩みなども忘れやすいものです。
何が好きか、何に没頭できるかは人によって違いますが、やりたいことや興味のあることがあれば、それらに熱中することで暇を活かしてみてはいかがでしょうか?
1日20分を目安に散歩する
自宅療養中は、日常生活で動く機会が減るので必ず筋力や体力が落ちます。
からだが動くようになっても、仕事や家事がまともにできないという問題が起こることも。
散歩は、落ちた体力や筋力を取り戻し、家事や仕事に耐えるからだをつくっていくためにも役立ちます。
また、外に出て日光を浴びたり、からだを動かして体温があがったりすると、憂うつ感や不安感が減りやすいと言います。
もちろん、気が向かない時の運動は体調を崩しかねませんが、「からだを動かしたい」気持ちがあるのなら、散歩を習慣にしてみても良いかもしれませんね。
自分の考え方の癖を見直す
自分の考え方の癖を見直すことも、仕事復帰に役立ちました。
僕の場合は、職場の人間関係のストレスがきっかけでうつ病を発症したのですが、自分の考え方の癖を見直してみると、同僚から批判を受けたり、他人から評価されたりする場面に弱いことがわかりました。
批判や評価を受けると、自分の人格を否定されたような気持ちになってしまい、落ち込むことが多かったんです。
このように、自分が弱い状況を振り返ってみると、落ち込んだ時に陥りやすい考え方の癖に気づくことができます。
考え方の癖に気づけると、落ち込んだ時にも視点を変えたり、気持ちを切り替えたりしやすくなりますよ。
考え方の癖を見直すには、認知行動療法を学んでみるのがおすすめです。
認知行動療法とは、考え方の癖に気づき、落ち込んだり不安な気持ちになったりした状態から自力で立ち直れるようになる方法です。
最近では、自分ひとりで認知行動療法について学べる本も出版されているので、一冊読んでみると良いでしょう。
うつ病について勉強する
本を読んでうつ病の勉強をすると、自分のからだの状態が理解しやすいです。
うつ病は、やる気や意欲が落ちるだけの病気と思っている方も多いかもしれませんが、人によっては、考えがまとまらなくなったり、記憶力がおちたりするなど色々な症状が出ます。
特に、診察で主治医から病状について詳しく説明してもらえず、「どうしてつらい症状に悩まされるのか?」「働けないのはなぜか?」について理解できないと、自分が現状に甘えているだけのように感じられるでしょう。
そういった時でも、うつ病について知識があると、つらい症状や働けない現状が病気のせいだと割り切ることができるので、自己嫌悪せずにすみます。
リラックスできる方法をつくる
気持ちが落ち込んだり、不安な気持ちになったりしやすい方は、療養中の「暇」を利用して、自分がリラックスしやすい方法を探してみても良いでしょう。
仕事ができるまでに回復してきても、うつ病を患っていると、ちょっとした出来事がきっかけで落ち込みや不安に陥りやすいです。
ストレスと上手く付き合いながら働くには、どのようにすれば落ち着きを取り戻せるのか、自分の気持ちをコントロールする方法が必要です。
僕の場合は、「呼吸法」「マインドフルネス瞑想」「ジョギング」「ストレッチ」「温活」などがリラックスする時に役立っています。
仕事復帰をすると、リラックスする方法を探す時間も少なくなるので、療養中の暇を有効に使ってみてはいかがでしょうか。
通院を現状理解のきっかけに
療養中の暇を利用して色々な活動ができるようになると、診察時に主治医との話題も自然に増えていきます。
主治医に近況を話すことで、できるようになったこと、楽しめるようになったことなどを確認できれば、からだの変化も実感しやすくなるでしょう。
「暇」も使い方次第です。
仕事ができないからこそ、これから自分の人生が生きやすくなるように、有意義な時間の使い方をしたいものですね。